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パーライトは園芸資材の一つで、用土に混ぜることで土壌環境を改善する役割があります。他にも様々な使い型ができるので、バーミキュライトと同様に、持っておくと便利な土です。
今回は、パーライトとはどんな園芸資材か、どのような効果があり、どのように使うのかについてご紹介します。
パーライトとはガラス質の火山岩を約1000℃で焼き、高圧で焼成した人工用土のことを言います。園芸資材の分類のうち、赤玉土などのベースとなる基本用土に対して、その性質を補う無機物改良用土(調整用土)に分類されます。
パーライトは焼成する際に、火山岩に含まれる水分が一気に蒸発して空洞ができるので、多孔質の構造をもつのが特徴です。
パーライトの原料は、大きく黒曜石系と真珠岩系に分けることができます。黒曜石と真珠岩では、多孔質の構造が異なるので、パーライトの効果自体は、パーライト共通のものと、原料によって異なる効果を持ちます。
パーライトを用土に混ぜることで、用土とパーライトとの間に隙間ができ、さらにパーライト自体が空気を含むので、用土全体の通気性の向上につながります。
多孔質なパーライトは、その空洞の中に空気を含むので、温度の急激な変化に強くなり、保温性・断熱性の向上につながります。
パーライトは軽量であれば水に浮くほど軽量です。数ある園芸用土のなかでも最も軽いので、培養土に混ぜ込むことで、軽量化をはかれます。
パーライトは高音で熱してあるので無菌状態になっており、病害虫の発生率が低くなり、育苗や挿し芽、または室内での栽培にも適しています。
黒曜石のパーライトはビーズのような丸い粒状の形をしており、焼成しても粒自体の壁が壊れることはなく、内部に細かな空洞をもった独立気泡の構造をしています。
つまり、その空洞に水が入りにくい状態になっているので、必要最低限の保水をしながらも、排水性を向上させる効果があります。
黒曜石にはイオン交換性もあり、付着した水をミネラル水に変化させるので、根腐れ防止効果が期待できます。
真珠岩のパーライトは、一粒一粒がいびつな欠片のような形をしており、焼成により含まれていた水分が膨張して真珠岩の壁を壊します。そのため、内部の空洞にまで水分が入り込み、黒曜石パーライトよりも保水性・透水性が高くなります。
パーライトと混同されがちな園芸資材に、バーミキュライトがあります。両者の効果はよく似ていますが、パーライトはおおまかに「黒曜石パーライト=排水性をあげる」、「真珠岩パーライト=保水性をあげる」と考えると使いやすいでしょう。
バーミキュライトは「おもに保水性あげる」という効果があるので、真珠岩パーライトと近しい効果があります。
例えば、乾燥を好むトマトや、こまめに水やりをする管理方法のときは黒曜石パーライトを使い、保水性の高い土を好む野菜や、こまめに水やりをしない管理方法のときには真珠岩パーライトかバーミキュライトを使いましょう。
日当たりの悪い場所や室内で栽培する場合、日当たりの良い場所と比べて用土が乾きにくくなります。そのため、通気性・排水性を高める黒曜石系のパーライトを、全体の用土に2割ほど混ぜることで、栽培環境にあった用土にすることができます。
黒曜石系のパーライトは、根腐れ防止効果と排水性に優れているので、鉢底石にも適しています。鉢底にパーライトを式、その上に珪酸塩白土などを5〜10粒並べます。そこへ用土をいれて植え付けていけば完了です。
壁面や宙に吊り下げて楽しむハンギングバスケットでの栽培は、用土が重いと落下の危険性があります。その場合、非常に軽量であるパーライトを、用土に対して3〜4割ほど混ぜることで、全体の重量を下げることができ、安全に栽培することができるようになります。
パーライトは無菌で清潔かつ、黒曜石パーライトであれば根腐れ防止効果もあるので、水耕栽培の培土には最適です。使い方の一例として、お茶パックにパーライトをいれ、水に浸し、そこへ作物の種をいれて、薄めた液肥で育てる方法があります。
パーライトは、通販やホームセンター、また最近ではダイソーなどの100円ショップでも販売されていて、2~4Lあたり150~400円が相場です。黒曜石か真珠岩かの原料の違いや、粒のサイズ感などでも効果が多少変わるので、目的にあった種類を選ぶと良いでしょう。
パーライトの一番の特徴・効果は、黒曜石パーライトなら排水性のよさにあります。また、真珠岩パーライトでも、バーミキュライトと比べて排水性がよく、保水性もよいという特徴があるので、パーライトの特性を知って、うまく園芸にいかせるようになるといいでしょう。
GreenSnap編集部