warning
error
success
information
油かすはとても安価で手に入りやすく、栄養分も豊富な有機肥料の一つです。せっかく家庭菜園をするなら、有機栽培(オーガニック)で育てたいという意識から、油かすはそのレギュラーメンバーとも言える位置付けで、長年さまざまなかたちで使われてきました。
今回は、使い勝手の良い油かすの栄養成分や、その効果、使い方についてご紹介します。
油かすとは、その名の通り、油をつくる際にでる、絞りかすです。おもに出回るのは菜種油をつくる際の油かすですが、他にもさまざまな種類の油かすがあるので、詳しくは後述します。
油かすの位置付けは、骨粉や鶏糞などと同じ有機肥料であり、その中でも米ぬかと同じ植物由来の有機肥料です。とくによく窒素を含むので、有機栽培(オーガニック栽培)のベースとなる窒素肥料と理解しておくといいでしょう。
油かすの成分は窒素分5〜7%、リン酸1〜2%、カリ分1%の配合で成り立っています。突出して豊富な窒素分は、植物の茎葉の生育を助ける働きがあります。
そのまま油かすを使うと緩効性の肥料として、発酵済みの油かすをつかうと比較的速効性のある肥料として、効果が期待できます。また、油かすを土や落ち葉にまぜることで、微生物が活性化し、有機物の分解を早める働きもあります。
油かすのなかでもっともポピュラーで、菜種油をつくる際にでるかすを利用しています。三大栄養素の比率は、窒素5:リン酸2:カリ1です。
大豆油かすは、大豆から油を採ったときにでるかすをです。菜種油かすよりも比較的速効性があるのが特徴で、三大栄養素の比率は窒素7:リン酸1:カリ1です。
椿油かすやニーム油かすには、植物への栄養供給はもちろん、ナメクジやカタツムリ、コガネムシ、タムシなどの害虫を忌避する効果もあります。
リン酸が多く含まれる骨粉を、油かすとあわせて、栄養比率をリバランスした肥料です。窒素4:リン酸7:カリ1の配合比率です。
油かすに他の有機素材を配合して発酵させた油かすです。窒素3:リン酸6:カリ3と、バランスの良い栄養比率で、比較的速効性も期待できます。
未発酵の油かすは発酵に数週間時間を要すため、ゆっくり長く効く元肥として使われます。土にすきこむことで、微生物が活性化し、微生物によって分解された窒素分などが土に染み渡り、植物の生育初期を支えます。
なお油かすは酸化するので、土壌が酸性に傾きやすいです。したがって、酸性が好きな植物を育てるときに使うのがおすすめです。
一般的な野菜栽培用の畑での元肥手順です。
ぼかし肥料とは、野菜クズや雑草などの有機物に、油カスや米ぬかをまぜて発酵させた肥料です。ぼかし肥料には様々な作り方がありますが、下記にその一例として、栄養バランスの良いぼかし肥料の作り方をご紹介します。
未発酵の油かすは、水あと合わせて発酵させておくだけで、速効性のある液肥として使うことができます。
油かすからは、水と混ぜ合わせることで玉肥という、固形タイプの置き肥もつくることができます。発酵させて使うので、臭いはあまりなく、ゆっくりと溶けて聞いていく緩効性の肥料です。
油かすはホームセンターや、ネット通販で簡単に手に入れることができます。価格相場は5kgで1000〜1500円ほどと、比較的安価です。なお骨粉入りや発酵済みの油かすはもう少し高くなります。
油かすは気軽に入手でき、その使用方法もさまざまで使い勝手のいい有機肥料です。みなさんも油かすをうまく活用して、家庭菜園や園芸を楽しんでください♫
GreenSnap編集部