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米ぬかといえば漬物のイメージがありますが、とても優秀な園芸資材としての側面もあります。肥料に使ったり、土壌再生に使うことができるので、米ぬかの特性を知って日々の園芸に活かしましょう。
今回は汎用性の高い米ぬかの特徴や効果、使い方についてご紹介します。
米ぬかは玄米を精製する際に取り除かれる、玄米の外皮のことです。外皮には米が発芽・成長するための栄養分が凝縮されており、肥料としてはもちろん、堆肥づくりに発酵をうながすために使われたり、ぼかし肥料に使うなど、汎用性が高いのが魅力です。
米ぬかの成分は、窒素分2〜2.5%、リン酸4〜6%、カリ分1〜1.2%ほどの配合で成り立っており、他にもミネラルやビタミンも豊富です。これらの栄養分は有機肥料として、そのまま植物への栄養になり、とくに窒素分は植物の茎葉に、リン酸は花の成長に効果があります。
また、これらの栄養分は、微生物の栄養源にもなるので、野菜クズや落ち葉などの有機物の分解を早める働きもあります。
米ぬかの使い方で注意したいことは、植物栽培の肥料として、米ぬか自体をそのまま土に撒くのは控えるべき、ということです。これにはいくつか理由がありますが、これらを理解して、米ぬかを使う際は、十分に発酵させたものを使うようにしましょう。
米ぬかに含まれる栄養分に引き寄せられて、微生物が大量に発生すると、窒素飢餓が起こりかねません。窒素のバランスが崩れると茎葉の生育が鈍り、植物がダメージをうけます。
米ぬかには、窒素やリン酸の他にも、糖質やたんぱく質が含まれています。そのため、コバエやゴキブリなどの害虫が引き寄せられる可能性もあります。これらの害虫が集まると、さらに多様な害虫や、鳥害の被害にあう可能性も高まります。
米ぬかに微生物が大量に発生すると、その呼吸によって70度程度の「発酵熱」が発生します。米ぬかをそのまま土に撒くと、この発酵熱の影響を植物が受けてしまいます。
ぼかし肥料とは、野菜クズや雑草などの有機物に、米ぬか(もしくは油カス)をまぜて発酵させた肥料です。ぼかし肥料には様々な作り方がありますが、下記にその一例として、手軽にできるレジ袋・ビニール袋を使った方法をご紹介します。
腐葉土とは、主に広葉樹の落ち葉に米ぬかを混ぜて、分解・発酵させた植物性の改良用土です。腐葉土は庭などの穴を掘って土の中でつくる方法や、コンポスト(コンポスター)を使う方法があります。腐葉土の効果や作り方の詳細は、こちらの記事を参考にしてください。
栽培の肥料として土にまくのは控えるべきということをご紹介しましたが、畑の土壌再生、クリーニングという意味合いであれば、米ぬかを土にまくのは効果的です。
米ぬかを土に混ぜて熱消毒していくことによって、微生物が増え、前作の残渣にのこった病原菌のエサおも食べ尽くしていくので、土壌の再生、クリーニングに繋がっていきます。
太陽熱を消毒に利用するので、夏などの暑く、晴れが多い時期に行うことをおすすめします。
米ぬかはネット通販はもちろん、ホームセンターや米屋さんで販売しています。また街中のコイン精米機では、まれにご自由にお持ち帰りくださいと置いている場合もあるようです。
価格相場としてはだいたい10kgで1000〜1500円ほどが多いようです。ネット通販では、食用に特化した比較的高価な米ぬかなどもありますので、用途によって商品の選択をしましょう。
冒頭でも触れた通り、米ぬかは玄米をつくる際にでる余剰な外殻です。日本人は昔からそんな米ぬかをもったいないと、漬物などにして有効につかってきました。園芸でもその米ぬかの効果は抜群なので、薬剤や既製品に頼らず、米ぬかをつかってエコに園芸を楽しめるといいですね。
GreenSnap編集部