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冬のガーデニングで大人気のビオラやパンジーですが、いくら寒さに強いからといっても、ほとんど手をかけずに放置してしまっては、花を長く咲かせて楽しむことはできません。今回は、ビオラやパンジーを長く楽しむための花がら摘みや切り戻しなど、剪定のコツをご紹介します。
ビオラ・パンジーといえば冬の花というイメージがありますが、じつは初夏頃まで咲かせる体力を秘めています。冬が過ぎ、花が咲き終わったらすぐに捨てるのではなく、きちんとお手入れすればじつはGW頃までは咲いてくれるのです。
ビオラ・パンジーを初夏まで長く咲かせるために必要なのは、「①花がら摘み」と「②切り戻し」です。他にも肥料や水やりのタイミングなども関係はしますが、今回はこの2つのお手入れに注目して、詳しいやり方をご紹介します。
ビオラやパンジーを長く楽しむためには、「花がら摘み」をこまめに行うことが大切です。「花がら」とは、咲き終わってしおれた花のこと。咲き終わった花がらは、花びらがクルクルっと丸まった状態になるのが特徴です。これから咲く蕾と間違わないようにしましょう。
花がら摘みをせずにしぼんだ花を放置してしまうと、植物は子孫を残そうとして、種をつくることにエネルギーを使ってしまいます。
こまめに花がら摘みをすると、植物がもつエネルギーが新しい花を咲かせることに使われるので、次々と開花するようになります。
花がら摘みのやり方は、花がらを見つけたらできるだけ茎のつけ根に近いところをカットするだけです。
手で摘み取っても問題はありませんが、手では他の花や茎を傷つけてしまうこともあるので、ガーデニング用のハサミで切るのがベストです。
茎の中途半端なところで切ってしまうと、そこからまた茎が伸びてきてしまって、見栄えが悪くなってしまうので注意しましょう。
切り戻しとは、パンジー・ビオラの伸びた茎をバッサリと短く剪定して、こんもりまとまった株姿にリセットする効果があります。時期やタイミングを見て、花がら摘みと一緒に作業しましょう。
また切り戻しをすると成長初期の花芽に養分がいき、脇芽が出てつぼみが増えるのでよく花が咲くようになります。また、風通しがよくなるので「うどんこ病」や「灰色かび病」などの防止にも効果があります。
パンジーの切り戻しは基本的に冬と春に行います。とはいえ、それ以外の時期にも傷んだ茎や不要な茎が増えてきたら切り戻しをしてあげるといいですよ。
ただし、切り戻しをした株にもう一度切り戻しをするときは、最低でも3週間ほどは時間をあけるようにしましょう。
冬に植えて3ヶ月程度経過したパンジーです。キレイに咲いてはいますが、このまま暖かい春を迎えると蒸れて枯れたり腐ったりする可能性があるので、切り戻しします。
パンジー・ビオラの切り戻しのタイミングは、地面から5節以上に伸びた頃が目安です。節は、茎から出る若い葉(わき芽)があるところを1と数えます。
パンジー・ビオラを切り戻しするときは、地面からおよそ3節目のすぐ上で切りましょう。
もし全体が徒長して伸び放題で収拾がつかないようなときは、草丈が1/2〜1/3になるように、節の上で切り戻していきます。
赤い円で囲ってあるところが今回切り戻しで剪定した箇所です。すべて茎から生えるわき芽・節の上で切り戻していることがわかりますね。
そのほか、黄色く変色した葉っぱがあれば取り除いて、切り戻しのお手入れは完了です。わき芽によく日が当たるようになるので、1週間もすれば次のつぼみが成長しますよ。
冬の切り戻しの目的は、脇芽を増やして花を増やすことです。切り戻しの正しい位置は「節のすぐ上」です。花を咲かせる新芽は節の付け根から出るため、節のすぐ上を切りましょう。全体の半分の高さを目安にしてカットしましょう。
暖かくなる春にはパンジーの生育が盛んになります。こまめに切り戻しを繰り返すことで長い期間花を楽しむことができます。パンジーは暑さに弱いため、気温が高くなり暖かくなってくると徒長し弱ってきます。
暑い時期に切り戻しをすると失敗して枯れてしまうことがあるので注意しましょう。6月に入ってから切り戻しを行うなら、翌日の気温が低い日を選ぶと良いでしょう。
九州南部や、四国・千葉県・静岡県でも暖かい地域は、切り戻しをしてパンジービオラを楽しめる時期は5月いっぱいくらいで考えておきましょうね。
ビオラやパンジーは、秋から春まで、上手に育てれば半年間ほど次々と花を咲かせてくれますが、春になるとエネルギー不足の状態になってしまいます。
とくに地植えのビオラ・パンジーはこのころに元肥の栄養が切れるので、かなり効果がありますよ。
長く花を楽しみたいときは、春になったら一週間に一回ほどの割合で液肥などを与えましょう。ただし、肥料の与えすぎは根が肥料やけを起こしてしまう場合があるので、使用量は守るようにしてくださいね。
パンジー・ビオラの水やりは、基本的には土が乾いたら、鉢底から水が流れるぐらいたっぷりとあげるようにします。寒い時期は少し水やりを控え、暖かい春になったら水やりの回数を増やしていくといいですよ。
秋ごろから初夏まで長く咲くビオラ・パンジーですが、さすがにゴールデンウィーク頃にはいよいよ処分する時期になります。
ビオラ・パンジーは寒さには強いですが暑さには弱いです。5月以降の気温には耐えられず枯れたり、蒸れて害虫・病気が発生して他の草花にも影響を与えるかもしれません。
ゴールデンウィークは、ちょうど夏の草花の植えどきの時期でもあります。連休の時間を使って夏の草花へ切り替えましょう。
ビオラやパンジーは、最近ではさまざまなカラーバリエーションが楽しめますよね。単体でボリューミーに育ててもいいですし、いろいろな色をミックスさせて寄せ植えしたり、ハンギングで見せたりと、いろいろな楽しみ方があるのもビオラ・パンジーの魅力です。
花がら摘みや切り戻しなどをこまめにしながら、できるだけ長く花を咲かせて、ガーデニングを楽しんでみてくださいね。
松原真理子
GreenSnap編集部