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植物を育てる際には肥料を与えますが、そもそもなぜ植物にとって肥料は必要なのでしょうか?
ここでは、植物に肥料が必要な理由をはじめ、肥料にはどのような種類があり、どのような使い方をすればよいのか、初心者にもわかりやすくご紹介します。
そもそも、植物にはなぜ肥料が必要なのでしょうか?
植物が元気に生育するためには、光、水、温度そして養分が必要です。
植物は土から養分を吸収しながら育ちますが、植物が養分を吸収することで、土の中の養分は不足し、そのままでは土がやせてしまいます。
そのため、不足した養分を肥料で補う必要があるのです。
また、現在では自然に生息する植物に比べて、園芸植物は肥料をより好むよう改良されています。
これもまた、植物には肥料が欠かせない理由の一つです。
肥料は、大きく有機質肥料と無機質肥料の2種類に分けられます。
有機質肥料は、堆肥や油かす、骨粉、魚粉、鶏ふんなど、その多くが天然由来のものです。
それに対し無機質肥料とは、主に無機質から化学合成された肥料(=化成肥料)のことをいっています。
この2種類を軸とし、その特性や形状、用途によってさまざまな種類の肥料があります。
他に、肥料には分類されていないものの、土壌を改良してくれる堆肥や腐葉土もあります。
堆肥や腐葉土にもわずかに肥料分が含まれていることから、土が肥料を吸収しやすくなり、土壌を改良する役目を果たしているのです。
有機質肥料は、養分として吸収されるまでに時間がかかる遅効性肥料なので、施肥後すぐには効果が出ません。
そして、少しずつ分解・吸収されていく緩効性肥料でもあるため、ゆっくりと長い期間効果を発揮してくれます。
また、有機質肥料には強い臭いがあるものが多いのが特徴的です。
それに対し、無機物から化学合成した成分を混合した化成肥料は、速く効く速効性の製品もあれば、ゆっくり効く緩効性の製品などもあります。
無機質肥料は粒状・粉状・液状と、清潔で扱いやすいものが多くて臭いも少ないため、室内に置きたい観葉植物などの肥料としても向いています。
肥料として施すべき成分の中でも、特に植物にとって必要とされるのが、肥料の三要素です。
次に必要とされるのは、二次要素または中量要素とよばれる以下の成分です。
これらの三要素と中量要素を植物の多量要素といい、それ以外の必要な成分は微量要素といいます。
肥料の基本的な使い方として、まず頭に入れておきたいのが、適量を施すということです。
肥料の種類や形状などによっても、施すべき量は異なります。
過剰に肥料を施してしまうと、むしろ植物に悪い影響を与えてしまいますので、適量を知りましょう。
そのうえで、元肥と追肥に分けて計画的に肥料を施します。
元肥とは、植物を植え付ける際にあらかじめ土に施しておく肥料のことです。
こうすることにより、植え付けてすぐに活発に伸びてきた根毛がしっかりと養分を吸収して、植物は順調に成長していきます。
このときに養分を十分に吸収できないと、貧弱な株になってしまいます。
元肥は、用土や床土全体にまんべんなく肥料を混ぜ込む施し方と、局部的に肥料を埋め込む施し方とがあります。
局部的に埋め込む場合は、植え付けるときに根っこが直接肥料に触れないように、土で肥料を覆ってから植え付けてください。
植え付けの際に元肥を施したとしても、水やりのたびに肥料が流れ出てしまったり、植物により土の中の養分が吸収されて不足してしまうと、追肥を施す必要が出てきます。
また、生長に伴って必要となる成分を補うためにも追肥を施します。
では、いつ追肥を施したらよいのかというと、それは肥料が足りなくなってきた頃です。
植物は、養分の吸収が足りないと、葉っぱや茎の色が悪くなったり、蕾が小さくなるなど、元気がなくなってきます。
毎日植物をよく観察し、色が薄くなるなど肥料切れの兆候が出始めているようなら、追肥してください。
なお、肥料は多く与えすぎても肥料焼けを起こして枯れてしまいますので、適量を施すよう注意が必要です。
追肥には速効性のある化成肥料が適しています。
また、化成肥料には固形肥料と液体肥料があり、それぞれ次のように施肥します。
追肥のやり方の一つに「置き肥」という方法があります。
鉢花によく使われますが、これは団子状の固形肥料を鉢の縁にそっと置いておく方法です。
なぜ鉢の縁に置くのかというと、直接植物に触れると肥料焼けを起こしてしまうからです。
縁に置いておいてどのように効果が出るの心配になるかもしれませんが、水やりのたびに肥料が溶け出すため、長期間効果を期待できます。
追肥には液体肥料(液肥)も使われます。液肥はとにかく即効性の高い肥料です。
例えば、葉色が悪くなってきた場合に液肥を施すと、数日で効果が表れます。
即効性はありますが、効果は1週間程度ですので、植物の様子を見ながら、1週間に1度くらいのペースで施肥するといいですね。
液体肥料の多くは原液で、適正な濃度に希釈して使うようになっています。
なお、アンプル型の液肥はすでに薄めてありますので、先端をカットして鉢に挿すだけでOKです。
ここでは、植物にとって肥料が必要な理由をはじめ、肥料の種類や使い方を詳しくご紹介しました。
もしかしたら、施肥は初心者にはやや難しい作業だと感じたかもしれませんが、そんな初心者でも扱いやすいのは、やはり即効性のある化成肥料です。
なぜなら、効果が出るのが早いため、目で見てわかりやすいからです。
化成肥料のうち、固形肥料は水に溶けていく時間を要しますが、液体肥料はその必要すらないため、より即効性が高く、分量の調整がしやすいこともあって、初心者におすすめです。
GreenSnap編集部