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アジサイは梅雨の季節でも楽しめるお花で、最近では新しい品種も続々と登場しています。土質によって花色が変わるため、一見育て方が難しそうに感じますがそんなことはなく、初心者にもおすすめの花木です。今回は、そんなアジサイの育て方を詳しくご紹介します。
| 属名 | アジサイ属 |
|---|---|
| 学名 | Hydrangea |
| 科名 | ユキノシタ科(アジサイ科) |
| 別名 | シチヘンゲ・テマリバナ |
| 原産地 | 日本・北アメリカ |
| 草丈 | 2m |
| 耐寒性 | 強い |
| 開花時期 | 6~7月頃 |
| 花色 | 青、紫、ピンク、濃いピンクなど |
| 花言葉 | 移り気・乙女の愛 |
アジサイは種まきから育てることもできます。種まきの時期は11〜3月頃です。ただし、アジサイの種まきをしてから花が咲くには、3~4年ほどかかります。
育てているアジサイから種を採取する場合、花がらは摘まずにそのままにし、11月頃花のあとにできる熟した果実から取ります。種はとても小さく細かいので、採取する際はこぼれても大丈夫なように、袋などを用意しておくとよいでしょう。
アジサイは水はけと水もちのよい土を好みます。アジサイは水を好む植物なので保水性は大切ですが、常にジメッとしすぎる用土は好ましくありません。
アジサイは土壌の酸性度(pH)によって花色を変化させます。中性を示す値は7.0で、検査して出た数値がこれよりも小さいと酸性、反対に7.0よりも大きい数値だとアルカリ性ということになります。
土壌のpHが酸性のとき青色に、アルカリ性のときはピンク色に花が色付きます。日本では酸性の雨が降るので基本的に酸性土壌です。また、一度土質をアルカリ性に整えても、雨が降ると、土が酸性に変化することがあるのでご注意ください。
アジサイの水やりは週に1回のペースで、土の表面が乾いてから与えます。土壌が乾燥すると生長が悪くなるので、乾燥させないよう注意してください。たくさん水を与えても、受け皿に水は溜めておかないようにしましょう。
土が乾きやすい夏は、朝・夕方の2回行っても構いません。反対に、冬は土が乾かないように注意しながら、水やりの回数を少なくします。また、冬は夕方や夜だと水が冷えすぎてしまうので、気温が高い午前中に水やりをしましょう。
アジサイは風通しがいい半日陰を好みます。午前中は日当たり、午後には日陰になる場所が適しています。あまりにも日光が足りないと、花つきに影響が出るので注意してください。一方で、夏の直射日光や西日は強すぎて葉焼けしやすいので、注意してください。
比較的寒さに強い植物ですが、寒風や霜は株が傷む原因につながります。地植えの場合は、寒風がぬけたりや霜が降りない場所に植え付けてください。鉢植えで育てる場合は、軒下がよいでしょう。
アジサイへの肥料やりは、休眠期の冬(鉢植えのみ)と花が咲いたあとに与えてください。冬は緩効性肥料を与え、春の生育をサポートします。
そのほかはすぐに液体肥料を与えるのが効果的です。花の色それぞれの専用肥料もあるので、そういったものを活用するのもいいでしょう。
ハダニ:夏に発生率が高まる。乾燥したところを好み、葉の裏側にいることが多い。植物の汁を吸う
アブラムシ:植物の汁を吸い、排泄物から病気が発生する。新芽や葉の裏に潜んでいる
アザミウマ:夏場に多く発生する害虫で、植物の汁を吸う。花につきやすく、被害にあうと花が綺麗に咲かなくなることがある
ケムシ:葉や茎を食べてしまう。幼虫のうちに見つけ次第駆除すること
うどんこ病:カビが原因の病気で、葉や茎に白い粉が発生する。放置しておくと、症状が進み、生育に悪影響を及ぼす
斑点病:葉や茎などに1cm程度の中心は灰色、まわりは赤褐色の斑点ができる。そのままにしておくと、その病気に侵されたところは枯れる。葉や茎が密集しているところが病気になりやすい
炭そ病:炭そ病もカビが原因で、梅雨の時期に発症しやすい。病気になると、1~2mmの赤褐色の斑点ができる
灰色かび病:病気にかかったところは褐色に色が変わり、灰色のカビができる。湿気の多い場所で発生しやすい
モザイク病:原因はウイルスで、まだら模様ができたり縮れたりする。治らないので、見つけ次第株まるごと処分する
アジサイに剪定が必要な理由は、以下の3つです。
アジサイは剪定しないとどんどん大きく育ち、さらに枯れた花にも栄養がいくので、次の花に栄養をしっかり与えられません。そして、今年花が咲いた枝には来年花が咲かない品種が多いので、取り除いてしまって問題ないからです。
アジサイの剪定は、7月下旬〜8月上旬が適期です。花芽が9〜10月にできるため、花芽まで間違って切って失敗しないようにそれ以降の剪定はおすすめしません。花芽を取ってしまうと来年花が咲かなくなるので、剪定時期には気をつけたほうがいいでしょう。
しかし、アジサイの品種によっては花芽ができる時期が違うものもあります。たとえば、アナベルやカシワバアジサイがそれで、これらは春まで剪定できます。
アジサイの剪定方法は、咲き終わった花の下から2節ほど残して切ります。このとき、花芽がどこについているか確認しておくと安心です。
もし、休眠期に株が大きく育っていたり枝がたくさん密集していたりするときは、整枝するのがおすすめ。古くなった枝や枯れた枝などを取り除くことで、風通しがよくなります。
アジサイの植え替え時期は、3~4月頃が適期です。鉢が小さくなってきたり、2〜3年に1回植え替えをしましょう。このときにも咲かせたい花色にあわせた用土を用意しましょう。
アジサイを上手に育てるには、夏・冬の管理の仕方にあります。この項目で、夏・冬の育て方のポイントを確認しておきましょう。
アジサイの簡単な増やし方は「挿し木」です。挿し木の適期は5~7月で、下準備として長さ10cmほどの茎を用意します。そして下葉は取り除き、上部の大きな葉も水分の蒸発を防ぐために半分にカットします。準備ができたら、以下の手順を参考にやってみてください。
アジサイは、土の酸性度合いによって花色が変わるのが面白い植物です。酸性やアルカリ性などの言葉が出ると、なんだか管理が難しそうに感じますが、そんなことは全くありません。
また、新しい品種も次々誕生しており、いずれも園芸初心者でも実は育て方や管理は難しくありません。増やすときも挿し木で簡単に増やせるので、ぜひ地植えや鉢植えでアジサイを育ててみてくださいね。

高橋康弘

GreenSnap編集部