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バラ科リンゴ属に属するヒメリンゴ。春には白または薄いピンクの花を咲かせ、秋にはその名の通り小さなかわいい赤い実をつけます。かわいい花と実を目で楽しむ観賞用として人気がありますが、その実は一般的なリンゴに比べ味が落ちるため、果樹酒やジャムなど加工しないと食べにくいです。
今回は、そんなヒメリンゴの育て方をご紹介します。
ヒメリンゴの植え付け時期は、9月~11月または3月下旬~6月上旬が適しています。
深さ60cm位の穴を掘り、掘り出した土に腐葉土か堆肥を2~3割程加えて半分穴に戻し、苗を入れてもう半分の土を戻します。植え付けたら支柱を立てて水やりをたっぷりして完了です。
ヒメリンゴを育てる上で最も重要なのは日当たりです。日当たりのよい場所で育てましょう。ただし、夏の強い日差しや西日は避けたいので、地植えでは夏場は少し落葉樹の陰になるような場所がおすすめです。
鉢植えなら夏は半日影や明るい日陰に移して、夏の強い日差しや西日を避けましょう。一方で、寒さには比較的強いのであまり心配はいりません。
ヒメリンゴの水やりは、とくに開花時期や実がなる時期に乾燥しすぎないように注意します。
鉢植えの場合は、土が乾いていたらたっぷり水やりをします。
地植えの場合は、とくに水やりする必要はありませんが、雨が降らない日が続き、土が極端に乾いていたらたっぷり水やりしてください。
元肥として固形の有機肥料を与えます。春4~5月頃と秋9~10月頃に追肥として緩効性化成肥料を与えましょう。
ヒメリンゴには、水はけと水もちのよい土が適しています。赤玉土小粒7:腐葉土3の配合土や市販の果樹用培養土がおすすめです。
うどんこ病:葉や茎の表面にうどん粉をまぶしたように見えるが、実は白いかびの一種です。
褐斑病:はじめに褐色の斑点ができ、だんだん同心円状に斑点が広がり、さらに進むと斑点の上に黒い粒々が出て、やがて下葉から枯れてしまいます。
黒星病:葉に黒いシミのような斑紋ができ、やがて落葉し、株の勢いが衰えます。過湿な梅雨時期に多発する病気です。
病気に感染した部位は早めに取り除き、園芸用の殺菌剤を噴霧しておきましょう。
アブラムシ:植物の汁液を吸います。繁殖力が強く、群れをなして寄生するので、被害が広がってしまいます。また、ウイルス病を媒介する間接被害にも注意が必要です。
シンクイムシ:実の中に入りこみ食ベてしまいます。
キンモンホソガ:幼虫が葉に侵入し、葉肉を食べてしまいます。
カイガラムシ:葉や茎、枝などに寄生し、汁液を吸います。また、排泄物などにより病気を誘発することもあるので注意が必要です。
害虫は見つけたら、すぐに駆除してください。数が多い場合は、園芸用の殺虫剤を噴霧しましょう。
また、病気、害虫共に予防するなら、予め殺虫殺菌剤を噴霧しておくことをおすすめします。
ヒメリンゴの植え替え時期は9月~11月または3月下旬~6月上旬になります。植え替えのタイミングは、2~3年を目安に根のまわり具合を確認し、ひと回り大きな鉢に植え替えます。
鉢の底に鉢底石を敷いたあと1/3程度市販の果樹用培養土を入れ、根に付いた土を崩さず真ん中に苗を置きます。周りに土を入れて苗を安定させたら、水やりをたっぷりして完了です。
ヒメリンゴは挿し木で増やします。切り口がキレイになるよう枝を切り、発根促進剤を入れた水にしばらく浸けた後、土に挿します。あらかじめ割りばしなどで土に穴を開けておきましょう。
また、花芽があると栄養が花芽に取られるので、花芽は取り除いてください。
ヒメリンゴの木は、夏の7〜8月と1~2月頃に剪定ができます。
花芽は短く充実した枝に付くため、短い枝や下枝はそのままにし、上部の勢いがよい枝は短めに切り詰めます。不要な枯れ枝や花がつかない徒長枝も剪定しましょう。
また、風通しをよくするため、5月~6月頃に徒長枝を先だけ切るか、見栄えの良い長さまで切り詰めます。
ヒメリンゴの実は、9月~11月頃に収穫します。実がピンポン玉位の大きさに育ったら収穫しましょう。そのままでは美味しくないので、果樹酒やジャムなどに加工してお召し上がりください。
今回は、ヒメリンゴの育て方や増やし方、剪定の仕方などについてご紹介しました。病害虫に気をつけたり、剪定は必要ですがかわいい花を鑑賞したり、果実も収穫できたりと魅力ある果樹ですね。
収穫した実は果樹酒やジャムにして食べられる実用性も持ち合わせているので、さらに楽しみが広がります。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
※トップ画像はトユタさん@GreenSnap
GreenSnap編集部