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多肉植物にとって土は、文字通り成長の土台となる存在です。
「花や観葉植物の土に植えればいいんじゃないの?」と思っていたら、それは大きな間違い!枯らす原因にもなるので注意しましょう。
この記事では、多肉植物に適したおすすめの土や、草花用の土を応用して使う方法、一から配合する作り方などについてお話します。
多肉植物に適した土は、通気性と排水性がよくて保肥力と保水性があり、土の粒が細かく均等であるものです。
そもそも、多肉植物は高原や荒野などの乾燥した地域に自生する植物なので、花や観葉植物とは違う土を用意する必要があります。
同じ植物だからといって、適当に庭土や花用の土に植え替えてしまうと、枯れる原因にもなるので注意しましょう。
ではどの土を用意すればいいのかとお悩みの初心者におすすめなのが、市販の「多肉植物専用の土(培養土)」です。
多肉植物の培養土はホームセンターやネット通販はもちろん、最近では100円ショップなどで購入できます。
培養土とは、数種類の用土を配合してつくった栽培に適した土のことです。本来であれば、自分で数種類の用土を準備し、配合比率を守って混ぜる必要があるのですが、市販の培養土なら一袋買うだけですむのでとても便利ですよ。
どの培養土を買えばいいかわからないという方は、多肉植物生産者がつくった培養土がおすすめです。
こちらは多肉植物・珍奇植物専門店のエリオクエストがつくったオリジナル配合の多肉植物用培養土です。
日本のじめっとした気候でも育つように、水はけがよくなるよう配合してあり、保水性・通気性などのバランスも最適化されています。プラスチックの鉢で育てている方にもおすすめの培養土ですよ。
最近ではダイソーやセリア、キャンドゥなどの100円ショップでも、多肉植物用の培養土が並んでいます。手軽な値段で少量から入手できるので便利ですし、メーカーによって配合割合や使われている土はことなりますが、どれも排水性や通気性を意識した配合にされています。
ただし、ココピートというヤシの実の内側の繊維などを原料とした、安価な有機質の土が多く使われていることが多いため、比較的雑菌や虫が発生しやすいという特徴があります。
多肉植物を室内で管理したいという方や、病害虫の対策が不安な方は、無機質な土を中心に配合した専門店の培養土をおすすめです。
多肉植物の土を用意したら、正しい方法で適した時期に植え替えをしましょう。植え替えするときは培養土などの土のほかに、一回り大きい鉢や鉢底石を用意しておいてください。
植え替えする前は数週間前から水やりを控えて、乾燥させた状態で行うといいですよ。詳しい方法はこちらの記事を参考にしてみてください。
多肉植物の栽培に慣れてきたら、いちから土を配合して土づくりをしてみるのも楽しみ方のひとつです。
多肉植物の培養土は、いろんな土の種類を配合してつくられていますが、土の種類は大きく「基本用土」「補助用土」のふたつに分けられます。
基本用土は全体の7割、補助用土が3割をしめる構成になるのが理想なので、その比率を意識しながら配合の組み合わせを考えてみましょう。
多肉植物の土を自分でつくるときの配合例はこちら。
赤玉土4:鹿沼土 2:日向土1:腐葉土2.5:もみ殻くん炭0.5
ただしこれはあくまで例であって、どの多肉植物を育てるか・どんな鉢で育てるか・どこに置いて育てるかによっても、適した配合割合は変わります。
とくに多肉植物の土は奥深く、生産者の数だけ土の配合があるとも言われるくらいですから、日々研究してみるのもおもしろいでしょう。
次からは、さらに栽培環境に合わせて多肉植物の土づくりをしたい方向けに、基本用土や改良用土の種類についてご紹介していきます。
名称 | 排水性 | 通気性 | 保水性 | 保肥性 | pH | メリット | デメリット |
赤玉土 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 6.0前後 | 有機物を含まず無菌で清潔 | 劣化しやすく微塵がでて排水性・通気性が下がる |
鹿沼土 | ◯ | ◯ | ◯ | △ | 5.0前後 | 硬質で微塵が出にくい。ほぼ無菌で清潔 | pHが弱酸性よりなので使いすぎに注意 |
日向土 | ◎ | ◯ | × | × | 6.5前後 | 硬質で微塵が出にくい。ほぼ無菌で清潔 | 関東地方では比較的高価で流通している |
軽石 | ◎ | ◯ | △ | × | 6.0前後 | 排水性が高く、安価で手に入る | 比較的粒が大きくブレンドしにくい |
川砂 | ◯ | ◯ | × | × | 6.5前後 | 小粒でブレンドしやすい | 比較的重量が重く、水やりで流出しやすい |
名称 | 排水性 | 通気性 | 保水性 | 保肥性 | pH | メリット | デメリット |
バーミキュライト | ◯ | △ | ◎ | ◯ | 6.5前後 | 無菌であり清潔、軽量。断熱性と保温性にも優れる | 肥料効果はない |
腐葉土 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 6.0前後 | 微生物を含み、微量要素の栄養を供給できる | 有機質なのでカビや病気、コバエが発生しやすい |
ピートモス | △ | × | ◎ | ◯ | 4.5前後 | 軽量かつ無菌で清潔。室内向き | 酸性なので3割以上使うときは酸度調整済みピートモスを使う |
籾殻くん炭 | ◎ | ◯ | △ | △ | 9.0前後 | 微生物を含み、微量要素の栄養を供給できる | アルカリ性なので使いすぎに注意 |
草花用や観葉植物用の培養土がすでにあるから多肉植物の植え替えに使えないかな?とお思いの方も多いのではないでしょうか。
もちろん同じ植物なので育たないことはないですが、多肉植物は乾燥した環境を好むので、ガーデニング用の培養土では根腐れする可能性が高くなります。
そういったときは、排水性・通気性を上げるために、このような配合にしてみるのもおすすめです。
ここからは、植える鉢の素材や、置き場所、育てる品種などのシーンに合わせた、多肉植物の土の配合例をご紹介していきます。
プラスチックやブリキ、リメ缶などの、通気性がやや悪い鉢に植える場合は、通気性・排水性を高めた配合がおすすめです。
多肉植物を室内で育てるときは外より風通しが悪い分、より通気性・排水性を高くし、さらに清潔な用土を使って虫対策をしましょう。
葉挿しや挿し木で多肉植物を増やすときは、無菌で清潔があり、保水性が高い土であることが理想です。
ハイドロカルチャーとは人工の資材のことで、土ではなくハイドロボールやカラーサンドなどで水耕栽培のように育てる方法です。
無菌で清潔なのと、そのデザイン性の高さから、室内観葉によく取り入れられていますが、多肉植物もハイドロカルチャーで育てられます。
ハイドロカルチャーには数種類ありますが、多肉植物におすすめなのがゼオライト(カラーサンド)を使う方法です。ハイドロボールは粒の大きさが大きいため、小さな多肉植物は根づきにくいので要注意。
ゼオライトはもともと根腐れ防止材にも使われる資材なので、根腐れする可能性もかなり低くなります。通気性もよく清潔に育てられますよ。
多肉植物の土づくりは奥が深く、プロの生産者だと7種類もの資材をブレンドしたり、比率を微調整しているようです。
初心者の方は、まずは基本の配合や、市販の多肉植物用培養土からはじめて、育てながら自分なりの配合をするといいかもしれませんね。
ぜひ、生育環境にあった多肉植物の土づくりをして、栽培をお楽しみください。
GreenSnap編集部