warning
error
success
information
スイートアリッサム(アリッサム)は、小さな花を密集させて咲き、公園やテーマパークなどの大きな花壇などにも寄せ植えされています。苗は比較的多く出回っており、価格もリーズナブルなため、ガーデニング初心者の方にもおすすめの花です。スイートアリッサムの育て方は、それほど難しくありませんのでぜひ挑戦してみましょう。
スイートアリッサムの育て方は、やや乾燥ぎみに管理することがポイントです。
スイートアリッサムは湿気に弱いため、本来多年草の花ですが、日本の多湿環境ではうまく夏越しできず、枯れてしまうことが多いです。そのため、本来は多年草ですが、日本では一年草として扱われます。
ただし、水の与えすぎに注意し、やや乾燥ぎみに管理できれば、稀に翌年も花を咲かせることができます。
スイートアリッサムの生育適温は10〜20℃、発芽適温は20〜25℃です。
スイートアリッサムは、多湿と日照不足に弱いため、年間を通して日当たりのよい場所で育てましょう。
真夏の直射日光を浴びても、葉焼けすることはあまりありません。むしろ日照不足になると、株全体が弱くなり、結果的に抵抗力が下がり、病害虫に弱くなってしまうので注意しましょう。
木の根元や軒下などの、半日陰で風通しの良い場所だと夏越ししやすいです。
夏場や梅雨の時期の株の「蒸れ」対策をしっかりすることが、スイートアリッサムの夏越しのポイントです。場合によっては無理に夏越しさせようとせず、毎年新しい苗を購入したり種まきで増やしたりすることをおすすめします。
スイートアリッサムは多湿に弱いので、「水はけ」と「通気性」のよい土が適しています。
小粒の赤玉土を6割と腐葉土4割を混ぜた土を使用するか、市販の草花用培養土を用いてもよいでしょう。
また、スイートアリッサムは、「弱酸性から中性の土」を好みます。
庭や花壇などに地植えにする場合は、植え付けの2週間ほど前から土壌に苦土石灰を混ぜておき、土が酸性に傾かないように気をつけましょう。
さらに、植え付けるときには、土に緩効性化成肥料を施しておきます。
種まきからの栽培は、さほど難しくはありません。
スイートアリッサムの種まき時期は、9月中旬〜11月(春咲き品種)もしくは3〜4月(秋咲き品種)です。
地面や鉢に直接種をまき、育ってきたら間引きをして管理する方法もあります。
また、花が咲き終わると種がつきます。スイートアリッサムは、種から育てた方が花が美しく仕上がるといわれているので、それを収穫して毎年種まきから育ててみるのもいいでしょう。
スイートアリッサムの植え付け時期は、1〜3月もしくは10〜11月頃です。
秋に植え付ける場合は、霜が降りる1カ月程度前の10月中旬が目安です。冬になる前に根をしっかりと張ることで、春からの生育がよくなります。
春に植える場合は、気温が暖かくなった3月頃に行います。
寒冷地では冬の気温が寒すぎるため、春に植え付けを行った方がよいでしょう。
なお、植え付ける際は、株同士の間隔を20cmほどあけて植え付けてください。
スイートアリッサムは多湿を嫌い、どちらかといえば乾燥を好みます。
表面が乾いていればたっぷりと水をあげますが、常に土が湿っている必要はありません。土壌を湿りっぱなしにしておくと根が腐るので、梅雨時期や初夏は本当に注意して管理しましょう。
地植えの場合は、ほとんど水やりの必要がありません。数日乾いていても大丈夫です。
スイートアリッサムは花をたくさん咲かせる植物ですので、栄養不足になると花の数が減ってしまいます。花が咲いたら、追肥として液体肥料を薄めたものを10日に1回ほど与えましょう。
また、葉っぱが黄色くなったら肥料不足のサインです。黄色い葉っぱを見つけたら肥料を施しましょう。休眠中の夏と冬は肥料を与えません。
スイートアリッサムは寒さに強い反面、暑さには弱く、植えっぱなしにしていれば自然と夏に枯れてしまう一年草です。
植えっぱなしで夏越しさせるには、切り戻しをするか暑さに強い品種を植えることが大切。切り戻しについては次項で詳しくご紹介します。
暑さに強い品種といえば、最近メジャーになってきたスーパーアリッサムという品種ですが、むしろ生命力が高すぎて植えっぱなしにしてこぼれ種で増えすぎてしまったというケースもあるので注意しましょう。
スイートアリッサムは夏越しのためにも、春に咲き終わったあとの5〜6月に切り戻し、剪定をしましょう。
脇芽の位置を確認しながら脇芽を残すように、だいたい株の1/3の高さで、清潔なハサミなどで切り戻し剪定をしてください。
高温多湿をうまく避けることができれば、涼しくなりだした秋頃に、再び花を咲かせてくれるでしょう。
スイートアリッサムの耐寒性はそれほど高くないので、霜の降りるような場所では冬越しできないこともあります。
枯れることはなくても、株が傷んだり花が咲かなくなってしまうため、霜が当たるような寒い地域の場合は、室内で管理するか、ワラなどを敷いて防寒対策をした方がよいでしょう。
連日の強い降霜や地面が凍るような寒さのある地域でない限り、基本的には屋外の直接日差しの当たる場所での管理の方が、花付きもよく丈夫に育ちます。
アリッサムの増やし方で一般的なのは「株分け」「種まき」です。「挿し芽(挿し木)」は、発根率が低いのであまりおすすめしません。
種まき方法については、前述の通りです。
アリッサムの株分けは、根を傷つけないように気をつけつつ、株を2〜3つに分けます。それと同時に、古い根や病害虫の被害を受けてしまった根を、ていねいに取り除きましょう。
なお、挿し芽は6月頃に行いましょう。
スイートアリッサムが枯れる原因の多くは「多湿」です。
土の表面が乾いて見えても、少し土をめくると十分に湿っているということも考えられるため、枯れてきたら水やり頻度を減らしてみましょう。
水やり頻度を減らしても枯れ続ける場合は、病害虫の発生が考えられます。葉茎をよく観察してみましょう。
スイートアリッサムを植えっぱなしにしても長年育っている場合は、土が古くなっている可能性があります。新しい土に植え替えてあげましょう。
春にアブラムシが発生します。新芽や蕾などに寄生すると株が弱ってしまいますので、見つけたら薬剤を散布してください。また、ガムテープなどで株からアブラムシを剥がして取り除く方法もあります。
ほかにアオムシやコナガなども発生します。見つけ次第捕殺しますが、環境がよければ発生することは少ないです。
また、多湿になると菌核病が発生します。これはカビが原因でひどくなると枯れてしまいます。切り戻しなどで風通しをよくしてあげましょう。
春になると、あちらこちらの花壇でスイートアリッサムが絨毯のように咲いている光景を目にします。ほかのどんな花とも相性がよいので、寄せ植えの花材としてもおすすめです。
日本では一年草として扱われていますが、切り戻して、夏に遮光すれば夏越しも可能です。
ベランダや庭でその姿を見ることができると、ちょっとした癒やしにもなるのではないでしょうか。
白い花以外にも、紫やピンクの花色のものや、斑入りの品種も見かけるようになりました。花色や葉色にこだわると、寄せ植えや花壇での他の花たちとのコーディネートの幅もグッと広がります。
松原真理子
GreenSnap編集部