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花が揺れると音が鳴りそうな愛らしい花のスズランには、じつは死に追いやるほどの毒があるのをご存知でしょうか。
このページではどの部分に毒が含まれるのか、致死量はどれくらいか、似た花や植物との見分け方はあるのかなど、スズランを安全に楽しむために知っておくべきことをまとめました。
スズランはキジカクシ科スズラン属の植物で、ふんわりしたスカートのような形の愛らしい春に咲く花ですが、毒をもつ球根植物でもあります。
スズランの毒は強力で、劇薬として知られる青酸カリの15倍もの毒性をもち、ときとして人を死に追いやることもあります。事実、過去には幼児がスズランをいけていた水を誤飲して亡くなる死亡事故や、スズランの毒を使った殺人事件などもあったほどです。
ガーデニングや花束でも人気のスズランですが、扱い方を間違えるととても危険なので、スズランの毒について正しい知識を覚えておきましょう。
毒があるのはスズランの茎、葉、花など全体に及び、とくに根と花には毒が多いので注意が必要です。前述のように、切り花をいけた水も口や目に入ると危険なので気をつけましょう。
さらには花粉にも毒がありますので、花粉がついたものを口にするのも危険です。とはいえ、スギ花粉のように勝手に風で舞うことはほぼないので、ガーデニングでは適切に育てれば安全に楽しめます。
スズランに含まれる毒性が強い成分は「コンバロシド」、「コンバラトキシン」、「コンバラマリン」です。本来は強心剤として心不全や不整脈の改善をはかる薬物として使われる成分ですが、摂取量によっては死に至ります。
スズランの毒は体重1kgあたり0.3mgが致死量とされています。つまり体重50kgの体重の方であれば15mgで死に至る計算です。体が小さい人ほど少量で死に至ることがありますので、とくに幼児がいる家庭では気をつけなければいけません。
スズランの毒を万が一摂取してしまうと、吐き気、頭痛、めまいを引き起こし、さらには血圧が下がり、心臓麻痺を起こす可能性があります。少量であれば、吐き気や頭痛、めまいといった症状がほとんどです。
これらの症状は、スズランの毒を摂取して1時間以内に出ます。もしもスズランを食べてしまった、目や鼻などの粘膜に付着した可能性がある場合は、すぐに洗い流して病院へ行きましょう。
スズランは体が小さいほどわずかな摂取量でも死に至ります。そのため幼児やペットの手の届く場所には絶対に置かないようにしてください。
ガーデニングではペットが誤って摂取しないように、ハンギングにして高い位置で育てたり、室内に飾るときもカウンター上などの高い位置にいけるなどしましょう。
スズランは花粉にも毒が含まれており、食卓やキッチンなどのスペースに飾ると、気付かぬ合間に料理に花粉が付着して摂取してしまう可能性があるので気をつけましょう。
また、デスク上などの作業スペースなどにおくと、手に花粉がついたのに気づかずに目を擦って粘膜に付着するということもあるので、玄関カウンターの上など普段常にいない場所に飾るのがおすすめです。
神経質になる必要はありませんが、植え替えや植え付け作業で長時間スズランを触る際は手袋を着用して素手で触らないようにしましょう。
少し触っただけで命の危険が出るということはありませんが、スズランを触った手で目をこする、口を触ることはしないようにしてください。スズランを触ったら手洗いをしておくと安心です。
スズランはギョウジャニンニクの葉に似ています。花が咲いている状態であれば、ニンニクなのかスズランなのか区別はつくかと思いますが、花が咲いていないと分かりにくいです。山菜採りの際に誤って採取して、食べてしまうと命の危険があるので要注意です。
開花期にスズランが咲いている場所を覚えておくようにするとよいですよ。
ギョウジャニンニクは、ネギのような独特のニオイがしますが、スズランはしません。ニオイの有無で判断しましょう。不安な場合は山菜に詳しい人に聞くことをおすすめします。自信がない場合は、採取しないようにしましょう。
かわいらしい見た目とは裏腹に、毒があるのが特徴のスズラン。触った手で食べ物を口にすることや、直接花や根を食べることをしなければ危険はありません。ただし、ギョウジャニンニクの近くにスズランを植えてしまうと、見た目が似ていて区別できずに誤って食べてしまうこともあるので、気をつけましょう。
GreenSnap編集部