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日本では街路樹として広く親しまれているイチョウの木。そんなイチョウ並木は秋になると、イチョウの落ち葉と木に残っている葉とで、あたり一面が黄色く色づくことから、紅葉スポットとしても人気があります。
ここではそんなイチョウの特徴や種類、花が咲くのかなどの基本情報、紅葉名所の写真のほか、イチョウに関するさまざまな雑学をまとめてご紹介していきます。
科・属 | イチョウ科イチョウ属 |
学名 | Ginkgo biloba |
英名 | Ginkgo |
原産国 | 中国 |
別名 | 公孫樹(こうそんじゅ) |
分類 | 樹木 |
樹高 | 10〜30m |
イチョウとは、大きな扇形の葉が特徴的な、樹高30mほどにもなる落葉高木です。
約1億5千万年ほど前から存在していて、現代にも存在する唯一の植物であることから、「生きた化石」として絶滅危惧種にも指定されています。
ちなみに、イチョウの木の寿命は、数千年に及ぶともいわれています。
また、イチョウはオス・メスがある雌雄異株で、メスの木には「銀杏(黄色の実)」がつきます。
イチョウのオスの木には、銀杏がつかない代わりに花が咲きます。
厳密には、メスの木にも花は咲きますが、花びらがないため、オスの木と比べるとほとんど目立ちません。
なお、イチョウの花の画像については、次の「イチョウの特徴 」を参照ください。
「銀杏」はイチョウの和名であり、「イチョウ」や「ギンナン」と読むことができます。ただし、一般的には、イチョウとは雄雌の両株を含む樹木の総称で、銀杏とはイチョウの「実」のことを指します。
イチョウの葉は血流を改善させる効果があるとして、生薬などにも用いられています。紅葉の見頃は11月頃です。
葉の形 | 単葉 |
葉のフチの形 | 波打つ |
葉の大きさ | 10㎝程度 |
葉のつき方 | 互生 |
イチョウの花は、ほとんど目立ちません。花言葉の一つには「長寿」という意味があります。
花の形 | 裸花 |
開花時期 | 4月 |
花の大きさ | 2㎝程度 |
花色 | 淡黄 |
花のつき方 | 尾状 |
イチョウの実は独特の匂いを放ちます。また、火を通すことで食用や漢方にも用いられます。ただし、素手で実に触れるとかぶれることがあるため注意が必要です。
結実期 | 9〜10月 |
実の色 | 黄〜オレンジ |
実の大きさ | 2㎝程度 |
イチョウの木は灰色で分厚く、縦に裂け目ができます。幹はまっすぐ、大きく育ちます。
イチョウの葉=扇形であるという印象があることからもわかるように、イチョウの葉っぱは幅の広い型をしています。それにもかかわらず、実はイチョウは「針葉樹」に分類されます。
その理由は、そもそも針葉樹と広葉樹の違いは「葉っぱの形だけではない」からです。
葉っぱの形の違いが目に見えるためわかりやすいですが、針葉樹と広葉樹では細胞の構造がまったく異なります。針葉樹は裸子植物であり、広葉樹は被子植物であるという違いもあるのです。
この点で見てみると、イチョウは、オス株につく銀杏(種子)になる胚珠という部分が裸の状態であるため、「裸子植物」にあたります。
つまり、イチョウは針葉樹であるということになるのです。
現存するイチョウは、中国原産の1種類のみですが、葉や種子の見た目が変化した品種はいくつか存在しています。
品種 | 特徴 |
オハツキイチョウ | 葉のフチに緑色の種がつく |
オチョコバイチョウ | 葉の両端がくっつき、ラッパのような形をしている |
シダレイチョウ | 枝が垂れ下がっている園芸品種 |
斑入りイチョウ | 葉に白い斑が入る |
▲神宮外苑(東京)のイチョウ並木
イチョウは火や排気ガスなどの公害にも強い性質を持っているため、日本では街路樹や園樹として最も広く植栽されています(国土技術政策総合研究所調べ)。
そんなイチョウは、昭和41年11月14日に「東京都の木」にも選ばれています。
当時、東京の木選定委員会ではケヤキを推す意見が大多数でしたが、一般の都民投票により「イチョウ」に決定したのだそうです。
まさに、イチョウは私たちの生活になじみの深い樹木であるといえますね。ちなみに、東京のほか、神奈川県や大阪府でも都府県の木に制定されています。
また、春夏には青々と、秋には黄色く染まる葉の姿が美しいため、日本の四季を象徴する存在としても親しまれているのかもしれませんね。
東京の神宮外苑や北海道大学、大阪の御堂筋など、全国にさまざまなイチョウの名所が有名ですよね。
そんな全国の名所の中には、国が指定天然記念物に定めた巨木(通称:大銀杏)が存在することをご存知でしたか。ここでは、有名な大銀杏をいくつかご紹介します。
▼飛騨国分寺の大銀杏
▼北金ヶ沢の大銀杏
樹齢数百年以上にもなるイチョウの木を、ぜひ実際に見に行ってみてくださいね。
GreenSnap編集部