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沈丁花の甘い花の香りが漂ってくると春の訪れを感じますよね。梔子、金木犀と並んで三大香木と呼ばれており、沈丁花の香りには気持ちが安らぐ効果もあります。
今回は沈丁花の花や香りの秘密について少しご紹介します。
沈丁花は中国南部原産のジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木です。漢名では瑞香、輪丁花などと呼ばれています。
日本には室町時代頃から栽培されていたとされ、「沈丁花(ジンチョウゲ)」、「梔子(クチナシ)」、「金木犀(キンモクセイ)」の3つを「三大香木」といわれています。春の訪れを告げる沈丁花、初夏にうっとりとするような甘い香りを漂わせる梔子、秋はほんのりとリラックスさせてくれるようないい香りの金木犀と、これらの花の香りがそれぞれの季節の到来を告げてくれます。
沈丁花の名前の由来は、花の香りが香木の沈香に似ていることや、十字型の花が丁子(ちょうじ、クローブ)に似た花をつけることから、一文字ずつ取ってこのような名前になったとされています。
沈丁花は「三大香木」と呼ばれる樹木の中でも、一番遠くまで届く強い香りをもつ樹木で、沈丁花の香りには120種類もの香気成分が含まれていることが明らかになっています。
その中でも最も有名な成分「リナロール」という成分は、鎮静作用、抗不安作用、抗菌作用、抗ウイルス作用などの効能があります。人の気分を和らげ、精神的に疲れた際に気持ちを落ち着かせるという効果があります。この成分は沈丁花の他に、レモン、ベルガモット、スズラン、バラなどにも含まれています。
また、沈丁花は古くから中国では「瑞香花」という薬草として利用されておりました。沈丁花の花の中には、「バニフン」や「ウンベリフェロン」と呼ばれる成分が含まれており、炎症を抑え、鎮痛作用があるといわれています。
香り豊かな沈丁花ですが、その香りの精油は存在していません。
沈丁花には花や根に強い毒性があり、精油として抽出することが難しいことから安定した供給につながらないということで、沈丁花の精油が商業的に生産され出回るということがかなり困難だといわれています。
沈丁花の香りのする香水は、人工的に香料を使って再現されたもので、スズランとレモンを足したような香りが実際の沈丁花の香りと近いようです。
沈丁花の香りのする香水というもの自体も多くないのですが、おもに日本製生まれのフレグレンスブランドや化粧品メーカーなどからいくつか販売されています。日本人にとって非常に身近な存在であった沈丁花の香りを、香水として身にまといたいと思う方も多いのかもしれません。
沈丁花の香りの香水は、落ち込んだ時などにすっと香りをかいでみると、心が癒されるようで、お花など植物好きの女性にとっては魅力的な香水です。
古来より、春の訪れを告げる香りとして人々の記憶にも刻まれてきた沈丁花の香りを感じると、おだやかな春を迎えることができそうですね。
お庭にスペースがある方は沈丁花を植えて、より近くで香りを楽しんでみても良いかもしれませんね。
GreenSnap編集部