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チューリップは春に見頃を迎え、花色や形など実に多種多様な植物です。オランダを中心に品種改良が進んだことがきっかけで、現在では約5,000種類以上もの品種が存在します。
日本でも親しみがあるチューリップは球根からの育て方がよく知られていますが、実は種からでも育てられることをご存じでしたか?
チューリップを種から育てる方法や時期などについて詳しく紹介してきましょう!
チューリップは球根植物なので球根を植えて育ちますが、受粉したら種も採取できます。植物園などではチューリップの球根が販売されていることが多いため、チューリップを種から育てられることを初めて知る方も多いかもしれません。
チューリップを球根から育てる場合は「無性生殖」と呼ばれ、親と同じ花色や形の花が咲きます。一方、チューリップを種から育てると親とは異なる花色や形になるので、どんな花が咲くのか楽しみですね。
ただし、花壇などで同じ色のチューリップの花を咲かせたい場合は、球根から育てた方が確実といえるでしょう。
チューリップを球根から育てた場合でも種は採種できますが、他の植物のように必ず種ができるとは限りません。球根は土の中で自然に大きくなり増えていきますが、種の場合は球根とは異なりチューリップが持つ「自家不和合性(じかふわごうせい)」という性質によって他の株の花粉が雌しべにつくことで初めて種ができます。
また、品種改良されたチューリップの品種は種が採種できにくい傾向にあり、それも原因の一つといえるでしょう。
ただし、条件がそろって受粉できればチューリップに種ができるので、見逃さないようにしましょう。
チューリップの種は花が枯れた初夏に採種できますが、種から育てると花が咲くまで約3~5年かかるといわれ、球根とは異なり長い年月がかかることも特徴です。
チューリップが受粉したら、子房の部分が膨らんで実がなります。実の中に十数個の種ができるので、花びらが完全に散ってからチューリップを根っこから抜き取りましょう。
実の中にできた種を手で丁寧に採種し、それらの種は風通しのいい場所で保管します。
チューリップの種まきは秋が最適な時期で、バーミキュライトなどの土に種を指1本分の間隔を空けて撒いたら約1cm土をかぶせていきます。
1年目はチューリップの茎も細長く球根もとても小さいですが、順調に育てば2年目以降は葉も生えてきて見た目もチューリップらしくなってくることでしょう。
チューリップの生育適温は約5~20℃のため、水やりはなるべく午前中にしましょう。とくに冬の時期は夕方以降に水やりすると鉢の中が凍ってしまうことがあり、チューリップの発芽にも影響がでてしまう恐れがあります。
その他、チューリップは過湿にも弱いため、水やりのし過ぎには十分注意してください。あらかじめご自分の指で土を触って湿っているか確認することで、水やりのタイミングがある程度分かります。
チューリップの種が発芽してからも、定期的に水やりをします。とくに冬の時期はつい水やりを忘れてしまいがちなので、土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。
チューリップは植え替えが苦手な植物なので、植え替える場合は根の部分を傷つけないように慎重に作業してください。
チューリップを種から育てる場合は、発芽率を上げるためには冷蔵庫に1か月程度入れておくといいでしょう。その後冷蔵庫から種を取り出し、水分を含ませたキッチンペーパーなどの上に種を置いておきます。
種まきしたチューリップを室内で管理する場合は、室内の気温にも気を配りましょう。冬の時期は暖房をつける日が多くなりますが、室内が20℃以上の場合はチューリップが育ちにくくなってしまいます。
チューリップの品種改良が盛んなオランダは夏の時期でも20℃程度ですが日本は季節によって気温差がかなりあるため、育てる地域にもよりますが5~20℃の気温が保てる場所で管理しましょう。
チューリップは球根で育てる方法がよく知られていますが、稀に種をつけることがあるので種ができたらぜひ採種することをおすすめします。採種しないと枯れてしまうだけなので、勿体ないですよね。
チューリップを球根から育てると約半年で花が咲きますが、種から育てる場合はどうしても時間がかかります。しかし、その分花が咲いた時は喜びが何倍にもなることでしょう。
ご自分で育てているチューリップに種ができた時は、ぜひその種を採取してチューリップを一から育ててみてはいかがでしょうか?
GreenSnap編集部