植物は種類によってかかりやすい病気が異なりますが、今回ご紹介するのはおもにブドウがなる「黒とう病」です。黒とう病の原因や症状、対策はあるのかなど解説しています。ブドウを育てている方、これから育てたい方は参考にしてみてください。

ぶどうの黒とう病ってどんな病気？

Photo by ゆりかごさん@GreenSnap

黒とう病は植物の葉、果実に発生する病気で、おもにブドウがかかりやすい病気です。はじめは黒色の小さな斑がぷつぷつと生じて、それが徐々に広がり斑も大きくなっていきます。次第に斑の中央部が白っぽく変色し、周囲はオレンジ、黒に変わりへこんだ斑となります。

春から梅雨の4〜7に菌が多く発生し、気温が高くなる夏に一度おさまります。さらに、9月になって秋雨前線の影響を受ける時期から再び発生し、10月の下旬くらいに落ち着きます。

ぶどうの黒とう病が発生する原因

ぶどうの黒とう病はエルシノエ・アンペリナというカビ菌の一種が繁殖することで発生します。カビ菌は湿気を好み、降雨が多かったり風通しが悪いと湿度が高くなりよく繁殖します。

また、雨が降って雨水で泥がはねることで、土のなかの原因菌が植物に付着し、そこから黒とう病が広がることもあります。

ぶどうが黒とう病にかかったときの対処法

罹患した果実や葉を取り除く

ぶどうの果実や葉に黒い斑を見つけたら広がる前に取り除いてください。取った葉は近くに放置せずにゴミ袋に入れて行政のルールに従い処分をしてください。または焼却処分をしましょう。

症状が出ている葉などをそのまま放置するとそこから菌が繁殖して別の株にも被害が広がる可能性があります。

薬剤を使う

黒とう病の症状を発症している部分を取り除いたら、これ以上被害を広げないためにも該当する薬剤をまいてください。

黒とう病の予防と対策方法

Photo by りんじょんふぁさん@GreenSnap

マルチングをする

土に雨が落ちて泥がはねて菌が広がることがあるため、マルチングをしましょう。マルチングとは土にビニールを敷いて、泥がはねないようにすることです。

マルチングは雑草を防いだり、土が乾燥しにくくなるなどよい効果がたくさんあります。

傷んだ葉や枝を落とす

傷んだ葉や病気の枝から黒とう病が広がります。弱っている部分があればすぐに切除をして処分すると、黒とう病を防ぐことができます。

薬剤を使用する

発芽前に薬剤を使用するとより効果的なので、早めに使用しましょう。

剪定をして風通しをよくする

通気性が悪いとカビ菌が繁殖しやすい環境になります。枝や葉が多い場合は、剪定をして通気性を上げてください。

土壌改善

水はけが悪いとカビ菌が繁殖しやすくなるため、水はけのよい土壌づくりをしましょう。

黒とう病の被害にあいやすいぶどうの品種は？

黒とう病は、欧州種とその交雑種のぶどうで発生しやすいです。一方で、米国種は強い傾向があります。

シャインマスカットやマスカットベリーA、甲斐路、甲州などが弱いです。巨峰やピオーネも発生することがあるので注意しましょう。

黒とう病にかかったぶどうは食べられる？

黒とう病はカビが原因の病気です。病斑のでた果実は食べないようにしましょう。

ぶどうの黒とう病を防除して、健康に育てよう！

ぶどうが黒とう病にかかると弱り、収穫に影響が出ます。人気のシャインマスカットも被害に遭いやすいので、育てている方は注意しましょう。

黒とう病の原因を知って、前もって対策をしておくとである程度防ぐことができるでしょう。ぜひ試してみてくださいね。