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EMI
番外編 ✧PR「Craft_1041」 senさんのレザークラフト をご紹介します。💁 また、 ⚜GreenSnap senさんのページ、 ⚜Instagram「craft_1041」からもご注文頂けます。 ✎﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏ ⚜洋光台電化センターにて展示販売中。(2024年7月21日〜) ✧👜バック ✧ポシェット ✧ネックストラップ付き 白い革のスマホケース ✧Apple wach belt (I wach belt) ✧🐻キーホルダー ✧🐞キーホルダー ✧👢+🥾キーホルダー ✧黒いKeyケース 💡洋光台電化センター ☏045 833 3034 洋光台駅改札口を出て右のピーコックの先徒歩10m位。 横浜市磯子区洋光台3-13-2-107 10:00〜18:30 (水曜定休) 🅿️洋光台駅前ロータリー https://denkacenter.com ✎﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏ 🏰MYCASA でも展示販売中。 (2024年6月〜) ✧リュック🎒💼 ✧ショルダーバッグ ✧手提げカバン👜 ✧Iwach belt(ダイレクトバックルレスベルト) ✧ネックストラップ付きスマホケース ✧🐻・🐞・🥾キーホルダー ✧名刺入れ 🏰MYCASA ☏0495 71 7726 埼玉県本庄市けや木3丁目24-29 11:00〜17:00 (日・月定休日) 🅿️お店の前。 🎨🖌ꔛ♡˒˒ PS.ナンチャツテ〜トールペイントにチャレンジ中… 🖌🎨「Craft_1041」 の看板を描いてみました💚✨
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EMI
アマリリス Ⅳ ( Magic Amaryllis ) {オランダ産の5球根の成長の記録 } 🚰🪴水も土もいらないアマリリス♪ ここ何年も気になっていましたが… このこMagic Amaryllisの〜球根がとてもお高いので…毎年毎年…入手出来ないでいました…。 今年は、ラッキーでとても良い出会いでした。 その後~🧚♀🥀✨ 次々に〜開いたので…picします~♡ 🥀アマリリスの球根5球 * 八重咲きジャンボアマリリス桃白 ✕1 ⁑フォレストサンセット(グリーン)✕1 ⁂リバーダンス(桃白)✕3 ⚜またアマリリスでごめんなさぁい❣
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EMI
アマリリス Ⅲ (Magic Amaryllis) {オランダ産の5球根の成長の記録 } 八重咲きジャンボ・アマリリス桃白 その後~🧚♀🥀✨ * 八重咲きジャンボアマリリス桃白✕1 ⁑フォレストサンセット(グリーン)✕1 ⁂リバーダンス(桃白)✕3
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史留久
朝 土間のカーテンを開けると 眩しさが目に飛び込んでまいりました。 楽しみにしていましたカザグルマが今年の春☘️おはよう と 咲いていました。 亡き義母の行きつけの美容師さんに分けていただいたタネからのお花 何年もかけて昨年初めて咲いてくれましたが、今年はつぼみの数が増えています。 嬉しい、、 5枚目 ずっとうちの住人のエビネ いとしいお花 どうぞみなさま 今日も佳き日に 皐月の季節もお健やかにお過ごしくださいませ (*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾•*¨*•.¸¸✧̣̇
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EMI
アマリリス Ⅱ (Magic Amaryllis) {オランダ産の5球根の成長の記録 } 🚰🪴水も土もいらないアマリリス♪ ここ何年も気になっていましたが… このこMagic Amaryllisの〜球根がとてもお高いので… 毎年毎年…入手出来ないでいました…。 今年は、ラッキーでとても良い出会いでした🥀 開いてきたので〜picしました💝 * 八重咲きジャンボアマリリス桃白✕1 ⁑フォレストサンセット(グリーン)✕1 ⁂リバーダンス(桃白)✕3 🐈⬛黒ねこ・あきちゃんが居るので〜 お花見るといたずらするので… 北側の小窓の朝日が少ししか当たらない洗面所に置いています… 咲いてくれて良かった🌸🌸
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EMI
アマリリス Ⅰ (Magic Amaryllis) {オランダ産の5球根の成長の記録 } 🚰🪴水も土もいらないアマリリス♪ ここ何年も気になっていましたが… このこMagic Amaryllisの〜球根がとてもお高いので…毎年毎年…入手出来ないでいました…。 今年は、ラッキーでとても良い出会いでした🥀 少し開いたので…picします~♡ ①②③⑤ 八重咲きジャンボアマリリス桃白 ④ * 八重咲きジャンボアマリリス桃白✕1 ⁑フォレストサンセット(グリーン)✕1 ⁂リバーダンス(桃白)✕3 🤍✨お仕事行ってらっしゃい✌ Be Smile❣
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EMI
薔薇 今日のお花 今年のノイバラと ❀野バラ (ノイバラ) の花言葉は、 一般的に「上品な美しさ」「純朴な愛」「素朴な愛らしさ」などがあります。また、ノイバラの持つトゲから、「孤独」という花言葉がつけられる場合もあります。 ノイバラの花言葉の由来: ❀「上品な美しさ」: 一重咲きの美しい花姿と、少し控えめな花姿からイメージされる。 ❀「純朴な愛」: 素朴で可憐な花姿と、自然の中で自生する様子からイメージされる。 ❀「素朴な愛らしさ」: 一重咲きの花びらの数や、花後の赤い実など、全体的な姿からイメージされる。 ❀「孤独」: バラ科の植物で、強いトゲがあることから、孤独を連想する人もいる。 その他、ノイバラの花言葉: ❀「才能」: 有名な作詞家や作曲家がよくノイバラを題材に詩や曲を作っていたことからイメージされる。 ❀「詩」: 詩的な雰囲気を持ち、詩作のモチーフとしてよく使われることからイメージされる。 ❀「無意識の美」: ノイバラの自生地である山野の、自然な美しさからイメージされる。 その他: ノイバラは、別名「野薔薇」とも呼ばれる。 ノイバラは、日本全国の河原や野原に自生するバラ科の植物。 ノイバラの花は、5月~6月頃に咲き、花後に赤い実を付ける。 ノイバラの実(ローズヒップ)は、ジャムや紅茶などに加工して利用される。 ノイバラは、バラの台木としても使われる。 今日のお花は、🌹赤い薔薇だったのね〜赤い薔薇と迷ったのですが、 白いノイバラにしちゃいました…💦 アレマデス〜オツチョコチョイデシツレイシマシタ(。•ᴗ•ฅ)差し替え出来ないので…。
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史留久
毎月19日は ユーミンの日 🏷 花友さんがお好きとおっしゃっていらしたユーミンの「DOWNTOWN BOY」♪ を口ずさんでいます。 小さな庭のお花たち 1枚目 矮性のルピナス 2枚目 大好きなグランドカバー 3枚目 風に揺れ 光で花開きます 4枚目 モニター報告 左の鉢 一緒に植えた庭のセダムの方が元気です。🫢 5枚目 外仕事の合間にラッカセイの種を剥いてます。80kgほど剥きます。割れてしまわぬように 全て手剥きです。 忙しない新年度の始まり みなさまどうぞご無理なくお健やかにお過ごし下さいませ(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾
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EMI
さくら 投稿時5枚入れるのは、画像位置がずれたりして…調整がうまくできません🙏 アレ~1枚どこ行ったの?4枚しかない⚠️
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EMI
春暁 ①さくら (•ө•)♡ハートに見えて~ꪔ̤̫ꪔ̤̱ꪔ̤̮ꪔ̤̥ ②アマリリス 水も土も無いのに…芽が出てきちゃった🌱 ③バイモユリ ④脇から出てきた桜チャンが元気に咲いてます🌸🌿 ⑤夕暮れ時のさくらと ベンチのある風景 ⚜穏やかな夜のひとときをお過ごし下さい🍀
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EMI
春なれや名もなき山の薄霞 さくらを観に~🌸 🌃今日もおつかれさまでした~♡
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so.ra
so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 22 たぬき騒動から二度めの春が訪れ、健太は6年生になっていた。 山里に遅い春が訪れ、小さな畑のわきに植えられた桜の花も満開になった。 騒動の後友達と遊ぶこともなくなった健太は、全てを忘れようとするかのように、両親の手伝いと勉強に熱中し、今では父と並ぶほど背も伸びて日に焼け逞しくなっていた。父もそんな息子と働く時間に幸せを感じるのだった。 この桜は、お前が生まれた記念に植えたんだよ。 立派な樹になったなぁ。 畑仕事を一休みして、父と見上げる桜は、光に透けてキラキラと光るようだった。 お前も6年生になった。次の春は隣町の中学まで長い距離を通わねばならん。一彦くんと一緒に通えたら良いんだが…。仲直りは難しそうなのか? 桜を見上げていた健太は、父に視線を移し そうだね。ぼくも一緒に通いたいけど…たぬ吉の事を話題にできないし…難しそうだ。 と答えた。 そして、少し間をおいて言葉を続けた。 父さん、あれ以来、同じ教室にいるのに、カズチとは一言も話さないし目も合わさないんだ。離れてみて、カズチは大事な友達だったって身に染みて思った。そして、本当の事が言えないって、こんなに辛いと思わなかった。…父さん、嫌いで喧嘩した訳じゃないのに友達とすれ違っちゃうって辛いね。 たぬ吉を助けたことを後悔してないけど、他に何ができたのか今もわからない。ずっと悩んで過ごしてきたけど、今は自分ができることを頑張っていくしかないって思ってるんだ。 そうか。 父もそれ以上はなにも言わず、桜の空を見上げた。 健太は、山に帰したたぬ吉の事を思い、父は一年後に中学に上がる健太が長い山道を一人で通うことを案じ、制服や自転車、あれこれと準備するためのお金の算段を考えていた。
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so.ra
み えないものも つ ながって ば らんすをとっている 厳しい 冬を越えて いのちを芽吹き いつかそれぞれ花開く ぼくも 繋がった いのちの一つ どんな芽を芽吹けるだろう 今日のお花 🌱 みつば 春の風景を見るたびに 自分も いのちの一つなんだと 春に包まれる喜びを感じます 写真は、庭のみつばです。 暖かくなったので、ぐんぐん大きくなって、まだ花も咲かないのに、小さな蜜蜂が飛んできてました。 日中の気温24℃ 街をTシャツで歩く人もいました。 🌱🌱🌱 so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 21 教室で起きた事件を、子供たちがそれぞれの家に帰って話したものだから、たちまち村中で噂になった。 親たちは、火のない所に煙はたたないと、村の数人が村長の家に押しかけ、健太の家で狸を飼っているという話が本当であれば村の一大事。確かめてくれと村長に迫った。 村長は、騒動のことは知っていた。一方、こんな騒動になっているのに、頭の切れる健太の父春彦が、狸を飼っている証拠を残しているとも思えなかった。しかし、村の騒ぎを納めるためには、誰かが確めなければ納得しないだろうとも考えた。 「それならわしが確かめてこよう」と村人らに約束をして、翌日の午後健太の家を訪れた。 春彦さん、すまないがちょっと確めたいことがあってのう。 庭で薪割りをしていた春彦は、村長を家の中に招くと、縁側に腰かけた。 仕事中にすまないのう。 実は、村の集から頼まれて確めたいことがあってきたんだ。 きたな。 と春彦は思ったが、何食わぬ顔で、さてなんの事でしょう? と返事をした。 あんたのところの健太くんが狸を飼っていて、それが原因で学校で一彦くんと大喧嘩になったと、子供たちが親に報告したらしい。あんたも、村では狸を飼うことはならん決まりだと、知ってるはずだが、確めてきてくれと村の集がいうもんだからのう。 村長の話を一通り聞くと、春彦は答えた。 わしも、学校でうちの息子と一彦くんが喧嘩したことは聞いたが、さて狸なんぞ飼ったこともなく、なんでそんなことになったかと思っている所です。ご覧の通りの貧乏暮らしで、猫の子一匹飼う余裕もない家ですからの。 そう言って笑った。 まぁ、調べねばならんとおいでになられたなら、散らかった家の中ですが、どうぞお調べください。 春彦にそう言われ、たとえ狸を飼っていたところで、もう何も証拠など 残っているはずがないと思った村長だったが、居間から台所、風呂場までぐるりと回り、家の外も牛小屋鶏小屋から薪置き場まで、春彦の案内で見て回ったのだった。 疑うようなことをして、すまなかったのう。何もおらなんだと、もうこれ以上噂をするのもご法度と村の集には話しておこう。 そう言って村長は帰っていった。 翌日、村長からその話を聞いた村人たちは、納得できない思いもあったが、確めたなら仕方あるまいと、騒動は幕引きとなった。それぞれの家では、子供たちにその話をしたすることは禁じられ、子供たちの噂も収まった。しかし、子供たちの中では、一彦が嘘をつき騒動が大きくなったという結論となり、教室の中で一彦によそよそしくなったのだった、 学校での喧嘩以来、一彦と話すことも、ましてや登下校を一緒にすることもなくなった健太は、教室でポツンと寂しそうにしている一彦を見るたびに胸が痛んだ。 兄弟のように過ごしてきた大切な幼馴染みと、たぬ吉を助けたことで、戻ることのできない溝ができてしまい、なす術もなく健太は布団の中で泣いた。 一方、わけもわからず健太と絶交状態になり、友達からも嘘つき扱いされた一彦の胸の内は、やり場のない寂しさや悔しさで一杯になった。どうして穏やかで楽しかった毎日が消えてしまったのか納得もいかないまま、一彦も夜が来るたび布団の中で泣いた。時が過ぎるほどにそれは怒りにも似た気持ちに変わり、一彦の胸の中で膨らんでいった。 健太は一彦と一緒にならないように、今までより早く家を出るようになった。 ケンチ、カズチと互いを呼びあいふざけあいながら通った学校への道には、畔にそって菜の花が咲き、道端には小さなつくしが顔を出し、再び春がめぐってきた。 🏷️たぬき桜 🏷️健太の冒険 🏷️健太応援団 🏷️GS繋がりに感謝
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so.ra
so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 20 帰宅した健太は、今日の出来事を両親に話した。 すでに、担任の先生からの電話をもらっていた両親は、学校での出来事を知っていた。 黙って健太の話を聞いていた父が、ゆっくり口を開いた。 おそらく今夜一彦の親父が、事情を聞きに来るだろう。ニュースもない村の事、今日の話を聞いた村の集も、事情をききにくるやもしれん。 禁じられてる狸を飼っていたとなれば大事だ。面倒な事になったが、狸など知らないと押し通すしかあるまい。そう話す父の表情は険しかった。 健太、いのちを助けることは確かに尊い事だ。だが、どんな時も、嘘をつく事は、周り回っていつか自分を苦しめることもある。それを決して忘れちゃならん。 何かを犠牲にする正義などないんだ。ある人にとっての正義は、誰かの正義と衝突する。ただ愛と想いで行動していく時、覚悟が必要になることもある。今回の事でお前もいろいろ学んだだろう。 そして、一彦くんも、わけもわからず急にお前に冷たくされ、嘘をつかれ、クラスメートからまで非難された。お前以上に辛い思いをしてるかもしれん。その事も忘れちゃならんぞ。 人生には、その時はしっかり考えて判断した事でも、後ではそれが人生を狂わせて、深く後悔することもある。だから、大きな選択をする時は、本当にそれでいいのか?一足立ち止まって自分に問うことも大切な事なんだ。 父の言葉を聞きながら、健太は涙ぐんでいた。 父さん、カズチといつか仲直りできるかな。 父は黙って健太を見つめると、言葉を続けた。 仲直りできるかは、わしにもわからない。大切な友達なら、今は真心を持って接するしかないだろう。 とにかく、今は次に備えることだ。 今日は手伝いはいいから、お前は風呂に入ったら早く寝なさい。 父に促されて、いつもより早く夕食を食べて健太が布団に入ると、まもなく一彦の父がやってきた。 夜分にすまないね。 今日、うちの一彦とお宅の健太くんが学校で喧嘩をして、健太くんに怪我をさせてしまったようで、申し訳なかった。 そう言うと、一彦の父は、山で取れたものだと山ウドを差し出した。 健太の父は、子供同士の喧嘩でお互い様だ。たいした怪我でもなかったから、気遣いは要らないと断ったが、一彦の父がどうしても差し出すので、ありがたく受け取った。 ところで…。 と一彦の父が切り出した。 一彦が言うには、喧嘩の元は、お宅に遊びに来たときに健太くんが狸を飼っていたのを見つけて、あれは狸だろうと言ったのを、そんなものは居なかったと、健太くんが言い張ったものだから、喧嘩になったと言うことだが…健太くんから何か聞いてるかね? やはり、きたな。 健太の父は何食わぬ顔で答えた。 「うむ。わしも健太から、狸がおったと言われて、見間違いだと何度も言ったが、信じてもらえず喧嘩になったと聞いた。 ご覧のとおり、うちには狸どころか猫の子一匹いない。そんなものに餌をやる余裕もないからのぉ。」 そう言って笑った健太の父の目が、少しも笑っていないことに、一彦の父は気づいたが、証拠がなくては、とやかく言えないこともわきまえていた。 そうか。 あんたも、この村じゃ狸を飼うことは許されないことを知っているはずだから、まぁ、狸なぞ飼ってるはずはないと思っていたが…。 まぁ、健太くんも怪我が治ったら、また一彦と遊んでやって下さい。 遅くに邪魔してすまなかった。 そう言って帰っていった。 親たちの会話を、布団のなかで震えながら聞いていた健太は、一彦の父が帰った事でホッとしたが、明日からの学校のことを考えると、気が重くなるのだった。 今日のお花🌸 桜 東京 近所の公園の桜です。 夕暮れの光に、透けるように咲いていた桜が、とっても綺麗でした。
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so.ra
so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 19 桜ばな いのちいっぱい咲くからに 生命をかけて わが眺めたり 岡本かの子さんの句です。 いのちをかけて眺める、その心のうちには、どんな思いを抱いたのでしょう。桜の花には不思議な日本の魂を感じます。 🌱🌱🌱 幸い健太の傷は浅かった。 さぁ、これで大丈夫。 怪我したところをぶつけたり、動かしすぎないように気をつけてね。 手当てを終え、保健室から教室に帰った健太は、先生に頭を下げると席についた。 クラスのみんなは健太をチラッと見たが、目線が交わるのを避けるように直ぐにノートに目を移した。 一方、一彦は健太の方を見ようともしなかった。 そうだよな、カズチは何にも知らないのに、僕のせいで巻き込まれちゃったもんな、怒るのも無理ないよな。もう、仲直りできないのかな。 先生の話も耳には行ってこない健太は、ぼんやりと窓の外に目を向けた。 その日の放課後、健太と一彦は先生に呼ばれ、喧嘩の理由を問われた。何度先生に尋ねられても、健太も一彦も、自分は嘘を言ってないと一歩も譲らなかった。 村では狸を飼うことは禁じられている事を知っていた先生は、それ以上深入りせずに、今後このような喧嘩をしないことを2人に約束させ、今日の事は双方の親に伝えると話し2人に帰宅を促した。 これ以上口論になる事を避けたかった健太は、教室に戻るなりランドセルを背負うと、一彦の顔も見ずに帰宅してしまった。 健太に腹を立てていた一彦だったが、思いがけず怪我をさせてしまった。そのことを謝ろうと思っていた一彦は、きっかけをなくし、心の中がやり場のない思いでいっぱいになった。 校庭に出ると、開き始めた桜のつぼみが、夕方の光の中で光るように咲き、数羽の小鳥が忙しく枝を飛び回っていた。 ふと、見上げた目線の先に、桜を見つけた一彦は、足をとめた。 咲いてるのか。 花見…去年楽しかったな。 健太と俺、もう戻れないのかな。 枝を見上げる一彦の頬を、涙が一滴ツーッと伝って落ちた。 🌸今日のお花 桜 今家の周りは2~3分咲きです。 この2,3にちの暖かさで、だいぶ開花が進みました。 満開の桜より、この時期の桜に惹かれます。
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so.ra
so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 18 おい、健太!本当か? お前、狸なんか飼ってるのか? 一斉にみんなの視線を浴びながら、 健太は平静を装って答えた。 まっさかぁ。 そんなことあるわけないじゃん。 とぼける健太に、一彦が容赦なくつめよった。 おい!嘘つくのもいい加減にしろよ!お前の膝に抱いてた狸を、俺はこの目でちゃんと見たんだぞ! お前、この頃学校が終わるとダッシュで駆けて帰ってたじゃないか! 昨日は、俺に見られちゃまずいから、俺の事を慌てて追い出したんだろ! 幼馴染みの一彦はお見通しだった。健太は、一彦の言葉に動揺した。いつもの健太なら、ごめんと直ぐにも謝ってしまうところだったが、今度ばかりは絶対に認めるわけにはいかなかった。 こうなったら喧嘩になっても仕方ない!強気でいかなくちゃ! そう腹をくくった健太は、怒ったような声で一彦に応じた。 そっちこそ、いい加減にしろよ! 何も居なかったって言ってるだろ! 俺、父ちゃんに新しい靴を買ってもらうのに、手伝いする約束したんだ。だから駆けて帰ってたし、昨日は、父ちゃんに早く手伝いに来い!って言われてたから、追い出すみたいになっちゃっただけだ。追い出したことは謝るよ。…ごめん。 そう言って、健太は一彦に手を合わせ謝る仕草をした。一彦がそんなことで引っ込むとも、納得するとも思っていなかったが、どうしても嘘をつき通さなければならなかった。 そんな健太の様子を見て、2人のやり取りを興味津々で聞いていたクラスメートの一人が口を挟んだ。 おい!一彦! 健太がそんなの居ないって言ってるんだ。お前の見まちがいじゃないのか? 腕力はないが、勉強ができてしっかりものの健太は、皆から一目置かれていた。慌てん坊の一彦が、見間違って騒いでるだけなんじゃないかと、クラスの大半の子が健太に加担した。それが、一層一彦の感情を逆なでした。 一彦は真っ赤になって、健太の胸ぐらを掴んだ。 おい!健太! そんな謝ったふりしたって許すもんか!お前が嘘をつくから、俺が皆からも嘘つきにされてるんだ! 本当の事を言えよ! 一彦に押されて、勢いよく床に倒れた健太の上に一彦が馬乗りになった。両手で健太の胸を掴んで睨み付ける一彦の手を健太が振りほどこうと掴んだ。 おい!やめろよ! 知らないものは知らないんだよ! 手を離せよ! 倒れた拍子に机の金具にぶつかって傷ついた健太の腕から、血がポタポタと流れ落ちた。 そんな様子を見て、クラスメートがとめに入った。 おい!一彦やめろよ! 健太、怪我をしちゃったじゃないか! クラスが騒然となったその時、先生が教室に入ってきた。 お前ら何をしてるんだ! もうチャイムが鳴ってるんだぞ。 早く席につきなさい。 そう言うと、床に倒れた健太と、その上に馬乗りになっている一彦に、 喧嘩のわけは後で聞こう。 授業を始めるから席につきなさい。 と2人を離した。一彦は健太を睨み付けながら、しぶしぶ席についた。 床から起き上がった健太に手をかした先生は、腕から血が出ているのを見つけ、君はまず保健室に行って、手当てを受けてきなさいと言うと、教壇に立って教室を見回した。 さっき起きた喧嘩は、クラスメイトにとっては大事件だった。みんな頬を赤らめドキドキして、先生の言葉も上の空だった。 健太は、傷を手で押さえ、その場から離れて保健室に行けることでホットしていた。 危なかったな。 ほんと、危機一髪。 でも、絶対秘密を守り通さなくちゃ!大丈夫、きっとできる! できる! そんな言葉を心の中で何度も繰り返すのだった。 🌱🌱🌱🌱🌱 ノシランの花言葉 忍耐 終わりが見えていれば、あそこまで頑張ればって思えるけど、終わりの見えない忍耐は、本当に辛いですね。 いつも行く公園で、たくさんのノシランが青い実をつけていました。午後の光にキラキラ光って、宝石のようでとても綺麗でした💎✨。
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so.ra
so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 17 雨に濡れる 小さな枝も やがて来る春を 知っている 届く雲間の光が いつか 心をあたためる そんな明日を信じてる 希望は どんな色か 君に尋ねたら 君は なんと答えるだろう 🌱 先日冷たい雨の日、雨の雫をまとって小さな花びらを広げた雪柳が、輝いて見えました。 🌱🌱🌱 あいつ、何だって狸なんか飼ってたんだ!それに、あいつだけでなくおばさんまで、知らんふりして! 俺の事をバカにして!見てろ! 健太の家から帰った一彦は、怒りが収まらず、帰るなり健太の家であった一部始終を、怒りに震えながら両親に話したのだった。 一彦の父は腕組みをして黙って話を聞いていたが、一通り話が終わると口を開いた。 この村では、山の獣を狩るのはまたぎの仕事。わしらが勝手に狸やら捕まえてきて飼うのは禁じられているのは、お前も知ってるだろう。 その狸を飼ってるなど、とんでもないことだ。 お前の話が本当なら、決まり通り村では暮らしていけない。あの春彦じいが、そんな事も知らんとは思えんし、わしも迂闊なことは言えん。明日、わしがこの目で確かめてこよう。お前も、それまではこの話は口にするな。友達にも話すんじゃないぞ。良いな。 両親は、一彦の話が作り話ではないと信じてくれたが、話すことを禁じられた一彦の不満は収まらなかった。 ちくしょう! 何で秘密なんだよ! その夜、一彦はなかなか眠れず朝方やっとまどろんだ。翌朝、遅刻すると起こされ、やっと布団から出て、朝食も食べずに学校へ駆けていった。 いつもは大食いの一彦が、朝食も食べずに家を出たものだから、2時間目にはお腹がグウグウなって友達らに笑われた。 おい、一彦。 腹が鳴ってるぞ! お前、朝めし食って来なかったのか? 寝不足、空腹で不機嫌な上に、みんなに笑われた一彦は、怒りが沸々と込み上げて、ついみんなの前で健太が狸を飼っていた事を口にした。 健太のやつ、狸を飼ってたんだよ! 俺、昨日ケンチの家で見たんだ。 それなのにこいつ!知らんふりして、俺に帰れって追い出したんだ! 俺、夕べ腹が立って眠れなかった。それで朝寝坊して飯を食ってる暇なかったんだよ! クラスでも腕力が強くガキ大将の一彦が、健太を指さして怒りながら話す話に、その場にいたみんながどよめいた。 おい!本当か? 狸は飼っちゃいけない決まりだよなぁ。なぁ! 健太、本当か? クラス中の視線を浴びて、健太は凍りつく気持ちだった。 やっぱり来た! 健太は、その場から逃げ出したいほど怖かったが、ひたすら堪えた。
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so.ra
so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 16 月明かりもない暗く、風の冷たい夜だった。 山に着き背負ったかごから下ろすと、たぬ吉は父の足元でしばらくじっとしていた。 父が 『さよならだ。お前の家にお帰り』と声をかけてたぬ吉の背中を押すと、言葉がわかったかのように、たぬ吉は駆け出して繁みの中へ姿を消した。 寂しくなるな。 父は、ポツリと言うと、 畑の端に咲きはじめたボケの花を一枝折ってかごに入れ、家路を急いだ。 お帰りなさい。 誰にも会わずに行ってこれましたか? 帰宅した父は、心配して待っていた母に黙って頷くと、ボケの花を手渡した。そして、たぬ吉のために作った籠を鉈で壊し、かまどの火にくべた。たぬ吉が使っていた敷物も餌の鉢もかまどの中に次々とくべられ、赤々と燃えていく。 その火を父の隣で泣きながら見ていた健太に、父は静かに言った。 お前が大切に世話をしていたたぬ吉を急に山に帰す事になって、泣きたくなる気持ちはわかる。 だが、泣くのは今日までだ。 おそらく、一彦くんは、家族に今日の話をするだろう。学校に行ったら、友達にも話をするかもしれん。その時、一彦くんに何を聞かれようと、友達がどんな質問をしてこようと、誰かに責められようと、絶対に知らぬ存ぜぬを通すんだ。動揺して悟られてもならん。お前には辛い事だろうが、ここで生きていくためには、どうしても秘密を守ることが必要なんだ。 たぬ吉を助ける話をした時、お前に何度も覚悟があるかと確かめたが、わしも母さんも、覚悟して秘密を守らねばならん。 できるか? 父の言葉で、健太は明日からの自分の置かれる状況の厳しさに改めて気づいた。 恐ろしい事になった。 父さんが言っていた覚悟…。 こんなことになるなんて。 父さん、考えるだけで本当に怖い。でも、始まりは僕だ。 父さんも母さんも、巻き込んじゃったんだね。カズチにも嘘をついて…カズチ何にも悪くないのに、ぼく今日ひどい追い出しかたをした。これからもっと傷つけちゃうかも知れないね。…でも、たぬ吉をどうしても助けたかった。父さん、母さん、ごめんなさい。それから、一緒にたぬ吉を助けてくれてありがとう。 僕、もう泣かない。 きっと秘密を守り抜く。 頑張るよ! 涙を拭いて健太は父の顔を見上げた。 そんな健太を見つめていた父は、 お前なら出来る と一言言うと、 健太の頭に優しく手を置いた。 その夜、父が手折ってきたボケの花を母が食卓に飾った。一輪の花がひっそりとした家の中で、みんなの心をあたためた。 🌱今日のお花 ボケ 花言葉 平凡 花一輪 平凡のあたたかさ
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史留久
毎月19日は ユーミンの日🏷 ユーミンの「経る時」🎶 が聴こえてまいります 桜 桜 人々がまだ見上げない木立からは 躍動の鼓動が聴こえ始めています 1枚目 バージニアストック 寒さに強く 寄せ植えに可愛らしさを添えてくれます 2枚目 私の初めての投稿はリビングストンデージーでした。ずっと好きなお花です 3枚目 今年は花数が多いようです。ひっくり返って撮りました 4枚目 もうウネウネで どうしてよいのかわからない姿ですが、愛嬌あります 5枚目 モニターでいただきました手乗りメラコ それぞれ陶器の鉢に植え替えました。 先日 奥歯が欠けて 6年ぶりに歯医者さんにまいりました。大虫歯でした。定期的に行くことが何より肝要だと 身に染みています。 みなさま もうすぐ訪れる麗しい季節 どうぞお健やかにお過ごしくださいませ(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾ 明日も佳き日に☺
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EMI
Happy Easter 🐇🥚💛🐇🥚💛🐇🥚💛 横浜イングリッシュガーデンの飾り付けなども、複数枚入れたかったのですが…GSクラッシュ? 入らないので…仕方なく1枚picします。 ( ᴗ ⩊ ᴗ)。◦💭💘^ᴗ.ᴗ^➰˖ ࣪⊹˖ ࣪⊹˖ ࣪❅ ✎﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏ 👉PR ⚜「Craft_1041」⚜ ⚜「Craft_1041」 @senさんのレザークラフト 💼👜🧳🎒🐻🐞👢🥾⌚📲㌜ は、とても洗練されていて〜 オシャレで使い勝手が良く、 綺麗にしっかり出来ています。 もう4枚入れたかったのですがコレモ叶わず…💦 ⤴️の木の枝にEASTER EGGと写っている横の🐻チャンのキーホルダーもsenさん作です。 🏰只今展示販売は、下記の4ヶ所です。 ①埼玉県本庄市「MYCASA」 ②横浜市磯子区「洋光台電化センター」 ③Instagram「craft_1041」 ④GreenSnap @sen さんのお部屋 ✨みどりのまとめ2025年2月9日「番外編・MYCASAに行って来ました」✨をご覧頂けます💝 (バッグ・リュック・カバン・定期入れ・Keyケース・キーホルダー・お財布・小銭入れ・キーホルダー・スマホケース&ストラップ等…。こんなのあったらいいなぁ〜も聞いて作ってくれるかも❣) 💫私のブレスレットも在ります~ モシ欲しい方は、お好きな色をお選び下さい🫶 👌注文承ります〜senさんか、私の方へお申し付け下さい。🎁 ⚜「Craft_1041」 2023年12月15日立ち上げから… ・横浜市「港南台タウンカフェ」 ・横浜市「洋光台電化センター」 ・群馬県藤岡市「会遊亭」 ・埼玉県本庄市「MYCASA」 展示販売、マルシェや浅草橋の革製品買付け、ビックサイトでのクラフト展・など… また、senさんには、名刺まで作って頂き関わらせて頂いてます。 📘📖カタログ作成中です。出来次第picしますので見ていただけたら幸いです🙏 ✎﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏ ✍@so.ra さんの 「✻✻ たぬき桜 ✻✻ no. 1〜22」 もし〜お時間のある時は@so.ra さんの所見に行って読んでみてね୧(୧ˊ͈ ³ ˋ͈)ꔛ♡˒˒ とっても素敵な心温まるお話しだから~♡ 🏷健太の冒険 🏷健太応援団 🏷GS繋がりに感謝 🏷ガーデンネックレス横浜2025コンテスト を付けさせて頂きますネ🙏 ❄⟡꙳❄⟡꙳❄⟡꙳❄⟡꙳❄⟡꙳ 📲どうも…斜めに撮るクセ見たいのが…時々あって🙏ゴメンナサイ 今朝は、GSクラッシュ?で、朝6:00代から〜今迄pic出来ず〜とうとうアプリを削除して入れ直しましたε=( ̄。 ̄;)フゥ 横浜では、今朝は霙や雪❄☃が降りました👢👢🥾🥾 〜皆さんは、大丈夫でしたか?
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ミツマタ 今日のお花・3月18日 ミツマタ(三椏) 学名: Edgeworthia chrysantha)は、冬になれば葉を落とす落葉性の低木であり、ジンチョウゲ科のミツマタ属に属する。中国中南部・ヒマラヤ地方が原産地とされる。3月から4月ごろにかけて、三つ叉(また)に分かれた枝の先に黄色い花を咲かせる。 一年枝の樹皮は和紙や紙幣の原料として用いられとても重要である。 ✍@so.ra さんの 「✻✻ たぬき桜 ✻✻ no. 1〜14」 もし〜お時間のある時は@so.raさんの所見に行って読んでみてね୧(୧ˊ͈ ³ ˋ͈)ꔛ♡˒˒ とっても素敵な心温まるお話しだから~♡ 🏷健太の冒険 🏷健太応援団 🏷GS繋がりに感謝 を付けさせて頂きますネ🙏
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スミレ 今日のお花・3月16日 ALBUM➰あちこちの〜ど根性スミレ チャンです。 ①大楠山 山頂近くの崖ぷちっ。 もしかして…スミレちゃんの右隣にあるの…ヘビの抜け殻?今まで気が付かなかったー😱 ②③④道端のコンクリートの間から…お顔を出して咲いていたスミレ チャンたち𓂃 𓈒𓏸𑁍 ⑤神代植物公園 スミレ展 ✍@so.ra さんの 「✻✻ たぬき桜 ✻✻ no. 1〜12」 もし〜お時間のある時は@so.ra さんの所見に行って読んでみてね୧(୧ˊ͈ ³ ˋ͈)ꔛ♡˒˒ とっても素敵な心温まるお話しだから~♡ 🏷健太の冒険 🏷健太応援団 🏷GS繋がりに感謝 を付けさせて頂きますネ🙏
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so.ra
so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 15 健太が帰宅すると、家の外までシチューの良いにおいがしていた。 ただいまぁ 母さん!今日はシチューでしょう? 健太はランドセルを下ろすと、たぬ吉のかごに直行しなから、台所の母に声をかけた。 そうよ!あなたの大好きなシチュー、できたてよ! たぬ吉君にエサをあげたら、お父さんが牛小屋の掃除をしてって言ってたわ。急いでお手伝いを終わらせて、ご飯にしましょうね。 健太は、わかった! 弾むような声で返事をすると、かごの中からたぬ吉を抱いて、机の前に座った。 その時だった。 玄関の戸がガラリと勢い良く開き、一彦が入ってきた。 ケンチ!遊ぼうぜ! 一彦の声に、玄関に後ろ向きに座っていた健太は、膝に乗っていたたぬ吉のお尻を叩いた。たぬ吉は驚いて健太の膝から飛び出て、台所へと駆け込んだ。 健太は、ドキドキする鼓動を悟られないように、わざとゆっくり振り向いて言った。 ビックリしたぁ! どうしたん?ケンチ。 今日遊びに来るなんて言ってなかったのに… 精一杯平静を装ってぎごちない笑顔を向けた健太の言葉などお構いなしに、一彦は靴を脱ぐと、ズカズカと居間に上がり込んできた。 おい!ケンチ! 今のあれ、なんだ?! なんかいたろう? お前ん所からあっちへ走っていったぞ。猫よりも大きいやつ。 犬?いや、尻尾がふさふさしてた。 なんだあれ? そう言うなり、一彦は健太の言葉も待たずに、ズカズカとたぬ吉が飛び込んでいった台所へと入ろうとした。 一方台所では、急に駆け込んできた怯えた様子のたぬ吉を見て、何かあったと察した母が、たぬ吉をかごに入れ、台所から外の薪置き場の下に運んだ。そばにあったぼろ布をかごにかけ、上に薪をのせて隠し、素知らぬ顔で台所に戻ったちょうどその時、一彦が台所へ顔を出した。 おばさん!お久しぶりです。 今、ここに何か駆け込んで来ませんでしたか? 犬みたいな? そうだ!…狸だ! 狸だ!あれ。 こっちへ来たはずなんだけど、見ませんでしたか? 台所をキョロキョロ見回している一彦に、母は落ち着いた声でこたえた。 あらー、一彦くん、久しぶりねぇ。しばらく見ない間に、また背が伸びた? のんびりした物言いの母に、イライラするように一彦は続けた。 おかしいなぁ、ここに逃げて来たはずなんだけど。。 一彦くん、何の話? 私、ずっとここにいるけど、何にも来なかったわよ。気のせいじゃないの?それより、今日は健太が大好きなシチューを作ったのよ。一彦君も好きだったわよね。久しぶりに一緒に食べていく? あらら、お鍋が焦げちゃうわ。 ごめんなさい。後で、ゆっくりお話しましょうね。 そう言うと、母は一彦に居間に戻るように促し、さりげなく台所のドアを閉めた。 母から閉め出される形で、しぶしぶ居間に戻った一彦は、あたりを見回すと健太に聞いた。 おい! さっきのあれなんだよ? 絶対何かいたろう? 俺を騙そうったってダメだぞ! あれ、狸だったよな? 何でお前んちに狸がいるんだ? 容赦ない一彦の追求に、 ちくしょう! ばれたか!。 健太は心の中で舌打ちした。 健太の心臓は息苦しいほどドキドキと高鳴った。 ほら!図星だろう! なんだよ、その顔。 子供の頃から一緒に過ごしてきた俺に、嘘なんか通用すると思うなよ! いつも一彦が強く出たときは負けを認める健太だったが、父との約束を思いだし、強い口調で言った。 カズチ! 人ん家に勝手に上がり込んできて、 何喧嘩売ってんだよ! 何もいないよ。 今日は、父さんの手伝いをする約束なんだ。お前と遊んでる暇なんかないんだよ! もう、帰れよ! ほら、帰れよ! 今まで、一遊びにきた一彦に帰れと言ったことなどなかったのにと、一彦は健太の激しい言葉に驚いて目を見開いた。 おい、なんだよ! 急に帰れとか。 何怒ってんだよ。 そう言って座り込んで動かない一彦。健太は一彦のその腕をつかんで、玄関の方へと引っ張った。 おい!何するんだよ! いいよ! わかったよ! もう、お前なんかと絶好だ! 2度と声をかけてくるなよ! そう言うと、一彦は靴をはき、玄関の戸をいきおいよく閉めて出ていった。 台所から聞き耳を立てていた母が、居間に入ってきて、膝の上で握りこぶしを作り、ポタポタと涙を流している健太の肩に優しく手を置いた。 一彦くんを、怒らせちゃったわね。頑張ったわね。たぬ吉は隠したわ。 さぁ、お父さんの手伝いをしてらっしゃい。 母の言葉に背中を押されて、健太は涙を拭くと立ち上がって牛小屋に向かった。 牛の世話をしていた父は、いつもと違う様子の健太に気づいたが、「まずはこの仕事を片付けるのが先だ。」そう、心で呟くと、健太に指示しながら牛の世話をした。 さぁ、これで良い。 手伝いありがとう。 今日は母さんがお前の好きなシチューを作ってるはずだ。夕食にしよう。 いつもは大はしゃぎで、好物のシチューを食べる健太だったが、その日はみんな黙ったまま、黙々と食事をした。 食事が終わると、それまで押さえていた感情が溢れるように、健太の目から涙がポタポタとこぼれた。 どうした? と、父が訪ね、 健太は、今日の出来事を父に報告した。 たぬ吉をカズチに見られた。そして、母さんがいなかったら、たぬ吉も捕まえられてたかも。ちゃんと、父さんとの約束を守ろうと、僕なりに頑張ったけど…カズチすごく怒ってたから、明日学校でとっちめられるかも。、 健太の話に耳を傾けていた父は、母に向かってたずねた。 お前がカバーしてくれて良かった。それで、今たぬ吉はどこに置いてる? 母は、薪小屋の下から、台所に連れてきて、さっきご飯をあげたと報告した。 そうか、ありがとう。 そう言うと父は続けた。 一彦くんは、両親に話すだろう、クラスの友達にも話すに違いない。子供たちの話を聞いた村の衆は大騒ぎになるだろう。何しろ、勝手に飼ってはいけない狸を飼っていたわけだからな。 さて、ここからが勝負だ。 絶対に狸を飼っていたと認めてはならん。例え、一彦くんが嘘つきと親に叱られたり、みんなに責められてもだ! お前には覚悟をしなくてはならないと、たぬ吉を飼い始める時に約束したな。この先後悔することになるかもしれないと、それでもな、私も母さんも、お前が涙を流しながら『それでも、助けたい!』と言った言葉に、あの時、一緒に覚悟したんだよ。優しさだけが全てじゃない。それが、諸刃の剣になることもある。だがな、命を助けることを優先した、その気持ちを忘れないことだ。 健太は、改めて事の重大さに震えながら、父の言葉を聞いていた。 わしらがしてやれることはここまでだ。俺は今からたぬ吉を山に戻してこよう。幸い、怪我も大分治ってきた。難儀することもあるだろうが、この子は本当に賢い。きっとうまく生き延びるだろう。 僕も行く! 僕も連れてって! 涙を流しながら懇願する健太に、それはならん、と父はきっぱりと言った。 お前の気持ちはわかるが、夜中にお前と2人で歩いているところを見られたら、何と申し開きするかね?。わし一人なら、薪が足りなかったから拾いに行ったと言い訳も出来る。 そう言うと父は、納屋から籠を持ってきて、たぬ吉を入れた。 母と健太は、父を玄関で見送った。 夜になって風が出てきて、山にゴウゴウと風の鳴る音が響いていた。 🍂🍂🍂🍂🍂🍂 🌱 イヌホオズキ🌱 道の片隅で、イヌホオズキの花が綺麗に咲いていました。 【真実】 イヌホオズキの美しい花の「真実」という花言葉は真実を愛する心や、正直さを大切にすることを表しているそうです。人と人との関係や、社会においても、真実を伝えることが求められますが、イヌホオズキの花は、そのような真実を愛する心や正直さを象徴しており、私たちにその重要性を思い起こさせてくれます。 【嘘つき】 イヌホオズキは白い美しい花を咲かせますが、「嘘つき」という花言葉も持ってます、嘘をつくことや不誠実な行為をすることを表しているそうです。 真実と嘘つきという正反対の花言葉を持つ 『イヌホオズキ』一つの命にさまざまな想いを宿しながら、それでも、より良く生きようと前を向く心に、寄り添ってくれるような花だなと思いました。
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so.ra
so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 14 人が見えない絆を感じる時も 愛の奇跡に感謝する時も 順風満帆の時より 困ったり 悩んだり 悲しんだり 辛く苦しい時間に 身を置いている時の方が 多いかもしれないな 分かれたようで 繋がっている絆が いつか 花を咲かせ 人は 春を知る そんな自分の人生を 愛しいと思うとき 心のなかにも花が咲き 自分を信じる枝が少しずつ太くなる それが 自信に繋がっていく そんな 自信 を重ねて 生きていく人生を お前は憧れるか 山裾の草刈りが終わり、土手に腰をおろして父と一休みした2人の傍らに、ミツマタが光を集めるように咲いていた。 綺麗だね そんな言葉を交わしたあと、父の話した言葉の真意を、その時健太にはわからなかった。 まだ、良くわかんないや そう答える健太に いつか この花をみた時に お前と過ごしたこの時を 思い出してくれたらそれでいい 父はそう言うと、健太に優しく笑いかけた。 🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱 季節は少しずつ春に近づき、山々の木の芽もふくらみはじめてきた。 たぬ吉は今はだいぶ傷も癒えて、餌をもらった後、家の中で健太とおいかけっこをしてじゃれあうようになっていた。 健太は、そんなたぬ吉が可愛くて、授業中も時々ボーッとたぬ吉の事を考えては先生に注意され、クラスメイトに笑われるのだった。 幼い頃から兄弟のように過ごしてきた一彦は、そんな健太の様子を、何か隠してるんじゃないかと怪しむようになっていた。 よし!今日帰ったら、ケンチの家に行って確かめてみよう。 そんな一彦の思いも知らない健太は、その日も学校が終わると飛ぶように家に帰っていった。 🌱みつまたの花の名前は、 『枝の先端が三本に分かれて生えている』ことに由来するそうです。 花言葉 肉親の絆、永遠の愛 健太の父の言葉、今日の物語はこの花によせて書きました。 ミツマタの木にこんなに可憐な花が咲くことを、初めて知りました😊 今日は太陽が出て暖かです。 少しずつ春に近づいてますね。 皆さまにとって今日も良き日でありますように✨🍀 #GS繋がりに感謝
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