巨大怪鳥に捕まえられそうになる夢をみた。
グランドキャニオンだかエアーズロックだか、断崖絶壁のような場所で、そいつは私の数十メートル先に降りたつ。
黒い肢体の翼竜だ。
(ああ…やられるな)と私は思う。
背中を向けて逃げても、追いつかれて、あの鋭い鉤爪に胴体を掴まれ攫われていくに違いない。
攫われ辿り着くのは、やつの子供たちが待っている巣穴だ。
そこで私は、やつの子供らに、突つかれて餌となる。

なぜか私は目覚まし時計を手に持っていて、いざとなったら、これで反撃しよう、投げたら当たるだろうか。
当たってくれよ、と願いながら、飛んでくる怪鳥に向かって走りだす。

映画の一騎打ちのような場面だ。
いつか観た映画『どろろ』の柴咲コウのように、短剣の代わりに目覚まし時計を片手にシャシャシャシャと素速く走る。
夢だから、私はいつになく機敏でかっこいい。

やつが目の前にくると同時に私は右に方向転換。
案の定、怪鳥は急には方向転換できず、私の作戦は成功した。
そこへ、先のほうでキャンプをしていた家長が車に乗って私を助けにやってくる。(てか、なに悠長にキャンプしてん)

車は私のすぐそばで止まる。
「乗れ！」
家長が叫ぶ。
かっこいい。

然し映画だと、ここは家長が内側から助手席のドアを開けて「乗れ！」と叫ぶはずなのだが、ドアは閉まっている。
なので、私は自分でドアをあけて車に飛び乗った。
車高が高いのでチビの私には少し難儀であった。

夢は、ここまでだ。
とても怖かった。


〜見切り品ネペンテスが立派になったよ〜