怖い話 第参夜 ※苦手な方はスルーで



20代前半まで、色んな不思議な体験をしました。特にバンドやってる時は多かったです。本日は事務所内で起こった怖い体験をお話しします。

あたし達のバンドは、東京の高田馬場に事務所がありました。地下2階建てで、地上に玄関があり、ドアを開けるとすぐ階段で地下1階が事務所、そのまま階段を降りていくと地下2階に所属バンドの寝泊まり部屋がありました。

地下2階まで階段を降りていくと、畳半畳ほどのスペースがあり、そこのドアを開けると寝泊まり部屋だったんですね。その畳半畳ほどのスペースでスリッパを脱いで部屋に入る感じでした。

事務所の社長が、かなり几帳面な人だったので、オフィスやキッチンを片付けてなかったり、スリッパがちゃんと揃ってないと、翌朝めっちゃ怒られるので、散々遊んで眠たい時もきちんと片付けてから寝るようにしてました。


その時はちょうど東京ツアー中で、昼間八王子や吉祥寺、新宿、原宿などでライブをして、真夜中に事務所に帰る生活をしてました。あたし達の帰る時間にはもう、事務所の人たちはみんな帰ってて、暇を持て余したあたし達は、オフィスでネットサーフィンなどして朝方まで遊んでました。

その日もライブから帰り、散々事務所で遊んで眠たくなってきたあたし達は、寝泊まり部屋に戻り布団を被って下らない話をしてたんです。

すると、
上の階から、ペタ、ペタ、ペタ、とスリッパの音が聞こえてきました。
あたし達は何の疑いもなく、もう朝になってて社員が出勤してきたのだと思い込んでました。

その割に足音がゆっくりだし、？？って思って時計を見ると、確かまだ5時前位でした。
社員が来るには、まだ早い。。。誰？？？

誰か分からないって思ったら、急に怖くなってきたんです。

あたしが1番ドアに近いとこで寝てたので起き上がり、ドアから遠いところで4人布団を被って固まってました。もうその時は怖すぎて声も出せないし、確認しに行くどころか電気さえ付けにもいけませんでした。

4人で固まって何分くらいだったんだろう。。。ずっと聞こえてた足音が急に聞こえなくなったんです。メンバーの1人があれ？もう聞こえへんなー。と言って安心してたのも束の間、その足音が階段を降りてきました。

ペタ

ペタ

ペタ


だんだん近づいてくる足音に、もうあたし達は気が狂いそうでした。どうしよ！どうしよ！！って叫び出しそうになった時、


キィィィィ...


っと静かな音を立ててドアがゆっくり空きました。心臓は破裂寸前です。いや、すでに破裂してたかも知れません。

もうやけくそで、伏せてた顔を恐る恐る上げると。。。





誰も居ない





うわぁぁあぁぁー
と、一気に脱力したあたし達は、その場所から動けず、疲れ果ていつのまにか眠ってしまいました。



しばらくすると、社員さんが次々と出社してくる音で目が覚めました。

起きても恐怖感の残ってたあたし達は、間違いや勘違いであろうが、誰かに聞いて欲しい！と思い、慌てて階段を登ろうとしました。






あれ？
スリッパ1足余ってるんだけど。。。






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