クリローシーズンが始まりましたね。今時点では開花早めみたいですが、年末にかなり寒くなりそうで一気に開花が止まる予感がしてます。

picは吉田さんのヒデコート。もちろん過去のものです。我が家の持ち株はまだみんな蕾です。😁

それで、今回はシーズンインということでちょっとした小ネタを書いておきます。

関東の人はそこそこ見る機会があるかと思いますが園芸店やネット販売で「ネーム株の親株」という個体が時々でてきます。

これはそのネーム株の種取り用の株で、この株から取った種からネーム株を作り出すわけです。ただ、なんで親を売りに出すのか？というのは結構知らない人がいます。

これはネーム株の生産を維持するための親株の世代交代のためです。クリローは花形花色を固定するのが難しい植物で、ネーム株を多数作り出すには多数の親株を用意する必要があります。最低4〜5株の親株を用意してクロス交配して、ネーム株を作り続けます。(多分クレオパトラとかは流通量からして親株は数十株ある予感がします。)そして、子株で良い個体が出たら親株に加えて、一番古い親株を放出します。(これが販売される親株です)

ちなみに他の植物、動物でも同じですが、近親交配を続けると遺伝的欠陥や悪い方向の特徴(特定の病気に弱いとか夏枯れやすくなるとか)が出るため極力近親交配を避けますが、クリローの場合、近親交配を繰り返していくと、F3(交配第四世代)くらいから雌しべの数が著しく減っていきます。

生産者はそれを知っているので、あの手この手で近親交配を避けつつネーム株の生産を維持しています。その状態で新規株まで作るわけですから、かなりしんどいですよね。

ということで今シーズン、クリローを見るときには雌しべの数を見てみてください。5本以上出ていれば交配世代的には新しい株、1〜2本しか出てなければ、それなりに近親交配を重ねた結果の個体と見分けられます。

なお、雌しべの数が少ないから育てにくいとか枯れやすいとかはないです。

この辺は交配をやってる人以外はあまり関係ないですが、知っているとその花を理解できる一つの要素なので紹介しておきます。