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ロウバイは中国が原産の樹木のひとつで、まだ花が少ない初春に形のはっきりした鮮やかな黄色い花を咲かせます。背が高くなりすぎないため、庭木としても人気があります。
今回はそんなロウバイの育て方を、地植えと鉢植えそれぞれ紹介します。剪定や挿し木の方法についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
ロウバイは生長しても高さが4mほどにしかならない、樹木の中では低木というカテゴリに属する樹木です。背丈があまり高くならないため、家庭でも比較的育てやすい庭木といえます。
そんなロウバイの花は、真冬の12月から2月頃に開花時期を迎えます。花の色どりや葉の緑が減る時期に、華やかな黄色い花を咲かせてくれます。
ロウバイの苗木を植え付ける時期は、葉が落ちる時期の11月から12月か2月中旬から3月にかけてです。暖かい土地であれば11月から3月のあいだ、いつ植えても問題ありません。
ロウバイを鉢植えする場合は、深さがじゅうぶん(30cm以上)ある鉢を選びます。低木のカテゴリに入るロウバイでも地植えでは4mになることもあるからです。鉢植えしたとしても、2mくらいになると考えておいたほうがいいでしょう。
ロウバイは、春先〜夏にかけて日当たりがよい場所で、あまり日陰にならない場所を選びます。
原産地の中国では海抜500mから1,000メートルの高地に自生していることから、寒さに強い一方で多湿に弱い特徴があります。そのため、水はけのよい場所を選ぶといいでしょう。
ロウバイを育てるときは、水はけのよい土を用いましょう。
ロウバイを鉢植えする場合は水やりをしたあと、多湿の状態が長くならないように腐葉土をよく混ぜ、水はけのよい状態をつくってあげることが、美しいロウバイを育てる大きなポイントになります。
ロウバイを地植えするときも、根の周辺の土の水はけが気になるなら、腐葉土をじゅうぶんに混ぜ込んだ土と入れ替えてあげるといいでしょう。
地植えのロウバイは、基本的には自然の降雨だけで問題ありません。雨が降らず乾燥が続くようなら、ロウバイの様子を見ながら水やりをしましょう。
鉢植えのロウバイは、表面の土が乾いたら、鉢の底から流れ出てくるくらいたっぷりと水やりをします。
ロウバイの成長期である春の4月から5月にかけて、また花が咲く直前の12月に緩効性肥料を与えます。
もし花のつき方がよくない場合は、初秋の9月に標準量の半分だけ、花があまり咲かなかった株に追肥してあげましょう。
ロウバイを育てるときに注意したい害虫や病気は、とくにありません。原産地が寒さ厳しい地域でしかも高地であったことが、ロウバイが害虫や病気に強い要因かもしれません。
もし葉に黒い斑点が出たり、葉が黄ばんだりしてきたら「土の状態がよくない」サインです。土が硬くなったり、水はけが悪くなったりしていないか確認しましょう。
鉢植えのロウバイは、2年から3年に1回のペースで行います。植え替えの時期かどうかの見極めは、鉢底の穴から根が見えるかどうか。鉢底の穴から根を確認できたら、植え替えの準備をしましょう。
植え替えの時期は植え付けと同じ11月から12月、あるいは2月中旬から3月にかけてです。
植え替えるときに、根を途中から切り落として新たな根の生長をうながす「根回し」をやってあげると、植え替え後の生長が良くなります。
ロウバイの剪定時期は、ロウバイの花が咲き終わった2月〜3月、もしくは落葉が終わり本格的な冬に入る前の11月です。
樹形がもともときれいに育つロウバイは、剪定など手入れの必要があまりないといわれる樹木のひとつです。しかし、まだ木が幼い時期は、細く伸びるひこばえが、ほかの枝を傷つけるように生長してしまうことがあります。
枝が込み合っている部分があれば、風通しが良くなるように剪定しましょう。
ロウバイの増やし方には2つの方法があります。ひとつは咲いた花から種を採取して植える「種まき」、もう一つの方法は「挿し木」です。ここでは最も一般的な「挿し木」の方法について説明します。
挿し木で増やす場合は6月頃に、やわらかい枝を選んでだいたい15cmほどに切ります。切り口には必ず癒合剤を塗ってロウバイを保護しましょう。
挿し木用に切った枝は、新しく用意した土(赤玉土の小粒がおすすめ)に刺し、新たに根が生えて安定するまでこまめに水やりをします。新たな根が出たのを確認できたら、鉢や庭などに植え替えましょう。
ロウバイの花言葉は「ゆかしさ」や「慈しみ」「慈愛」です。
まだ寒い季節に凛と咲く黄色い花が、幼子をいつくしむように抱く親の愛情のようにみえるからでしょうか。ロウバイは切り花としても楽しめる樹木です。室内に明るい花の色どりが欲しくなったら、愛情あふれるロウバイを選んでみてはいかがでしょうか。
ロウバイは庭に植えてはいけないと言われることがありますが、これはロウバイの実に強い毒があることからです。また、ロウバイはとてもいい香りがするため、花や蕾を鳥が食べることによって、周囲が汚れることも理由に挙げられます。
小さな子どもやペットがいるご家庭では、誤って口にしないように注意しましょう。
ロウバイは寒さや病気に強いため、初心者でも比較的育てやすい樹木といえます。庭木としても育てやすいため、庭の彩りを増やしたいけれど手間はかけられない、という方に向いているかもしれませんね。
春を感じられる黄色い花を咲かせるロウバイ、ぜひ育ててみませんか?
maeshima