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黄梅(学名:Jasminum nudiflorum)はモクセイ科ソケイ(ジャスミン)属のツル性落葉低木です。黄梅の原産地は中国の北部と中部で、耐寒性が強いので比較的育てやすい品種です。
桜と同じように、黄梅も花後に葉の緑が展開します。樹高は1~2mほどです。黄梅に似た黄色い花で、開花時期にも葉がついているのは同じモクセイ科ソケイ属の「黄梅擬(オウバイモドキ)」という常緑低木です。
そんな黄梅の育て方をご説明します。
黄梅は、日当たりと水はけの良い場所で育てます。
樒は風通しが良くやや乾燥した環境を好みます。湿気が多いと枝から気根という根が出て花付きが悪くなります。日当たりが良くて、乾燥した環境で育てると花付きも良くなります。
地植えにした黄梅への水やりは必要ありません。夏に猛暑が続き土がバリバリに乾燥する場合は、夕方以降に水やりをしましょう。
鉢植えの黄梅への水やりは、土の表面が乾いたら行います。鉢底から水が流れ出るまで水やりをしますが、受け皿にたまった水は捨ててください。
黄梅の肥料は年に2回、花後の3~4月と9月に化成肥料を施します。
肥料をたくさん与えるとよく育ちますが、代わりに花付きが悪くなります。枝が伸びるとそちらに栄養が行き、花芽に栄養がまわらなくなるためです。
黄梅は水はけさえ良ければ、特に土壌を選びません。地植えにする場合は土に腐葉土をすき込んでおきます。鉢植えにする場合は市販の草花用などの培養土を選びましょう。
黄梅に病害虫の被害はほとんど見られませんが、まれにアブラムシが発生することがあります。見つけ次第歯ブラシなどを使って除去するか、薬剤で駆除してください。
黄梅の植え付けと植え替え時期は、春と秋(3~4月と9月)が適期です。
3~4月に氷点下になったり、霜が降りたりするような寒冷地での植え付けは9月に行いましょう。水はけを良くするため、地面より高く土を盛って植え付けましょう。
黄梅の増やし方には、「挿し木」と「取り木」という方法があります。
挿し木は生育期の春から秋にかけてが適期です。その年に伸びた枝を10cmほどの長さに切り、切り口を1時間ほど水に浸けておきます。その後、十分に湿らせたさし木用の土や赤玉土などに挿し、水を枯らさないように注意して根が出るのを待ちます。根がついたら用土を入れた育苗用ポットや鉢に植え付けてください。
早く大きく育てたい場合は、20~30cmほどの長さの枝でも挿し木は可能です。挿し木で発根させた苗の定植、植え付け・植え替えと同様に3~4月と9月が適期です。
取り木は節から根が出ている枝を切ってそのまま土に挿します。
黄梅の剪定は、花が終わってすぐの3月下旬から4月までに行います。黄梅の花芽が出るのは開花時期より半年以上も前の7月です。梅雨前までに剪定しておかないと花芽も切り落とすことになってしまうので、早めの剪定をおすすめします。
黄梅の秋剪定は9月が適期ですが、剪定すればそれだけ花芽は減ります。剪定するときには、葉の新芽がついている節のすぐ上で切り落としてください。上の方で切り落とすと、下の新芽がついている部分まで枯れてしまうからです。
黄梅はそのままにしておくと枝が立て込んでくるので、前の項で説明したように、春と秋に剪定を行いましょう。
黄梅は、温暖地では2月下旬~3月頃、寒冷地では4月頃までに、直径3cmほどの梅に似た黄色い花を、ツル状の枝に咲かせます。
黄梅の花言葉は「期待」「控えめな美」「恩恵」「優美」「気高い」です。これらの中でも「期待」という花言葉は、黄梅の花が冬~早春に開花することから、春を期待するという意味でつけられました。
また、黄梅は1月22日、2月20日の誕生花でもあります。
和名は「黄梅(オウバイ)」、中国名は「迎春花(ゲイシュンカ=中国読み:インチュンフヮ)」、英名は「ウインタージャスミン」。別名で「金梅(キンバイ)」「黄春梅(オウシュンバイ)」とも呼ばれるジャスミンの仲間です。
中国名の迎春花という名の由来は中国の旧正月に咲くことに由来します。ジャスミンはペルシャ語の「神からの贈り物」の意味を持つヤースミーンを語源としています。和名や別名に「梅」という漢字が入っていますが、梅はバラ科サクラ属の落葉高木なので黄梅との系統は離れています。
ここまで、黄梅(オウバイ)の育て方を、育てる場所や水やり、用土、肥料、植え付け、剪定方法などに分けて紹介しました。開花時期や花の印象も梅と似ている黄梅ですが、梅とは遠い系統であるジャスミンの仲間です。
まだ寒い時期から黄色く可愛らしい花を咲かせる、春を連れてくる樹木です。温暖地であれば2~3月に花を咲かせることから「黄梅」は初春(=立春の2月4日頃~啓蟄の前日である3月5日頃まで)の季語です。黄梅の花後は本格的な春がやってきます。黄梅を庭に植えれば春を待つ時間に、文字通り花を添えてくれそうです。
※トップ画像は午後の庭さん@GreenSnap
GreenSnap編集部