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ルピナスは、人気アニメ『ルパン3世』のモデルでもある、モーリス・ルブランの小説『怪盗ルパン』の主人公アルセーヌ・ルパンの名前の由来になったといわれています。北米や地中海沿岸、アフリカが原産で、日本には明治時代に伝わり、現在は観賞用として知られていますが、古代には、食用や石けんの原料として使われていました。
今回は、そんなルピナスの育て方について説明していきます。
ルピナスは、日当たりの良い場所で育てます。高温多湿が苦手なので、うまく夏越しさせるためにも、涼しくて風通しが良い場所で管理しましょう。一方、ルピナスは寒さには強い植物ですが、冬の気温が-0℃以下になる地域では、屋内で管理してください。
また、多年草のラッセル・ルピナスも関東より西側では、一年草になります。
地植えで育てるときは、根が張ってきたら水やりは不要です。鉢植えは、土が乾いてきたら水やりをします。ただ、乾き過ぎると枯れてしまうので、乾燥しやすい冬場も適度に水やりをしてください。夏場は、湿気がこもらないように注意しましょう。
肥料には、成長を促進したり、花つきをよくする作用があります。ルピナスは、植え付けをする前の土壌に「元肥」として緩効性肥料を混ぜておきます。また、春の生育期に追肥をします。
ルピナスを育てる上で注意をしたいのが肥料の与え方です。前述をしたようにルピナスは「吸肥性」が高い植物です。土の中の養分だけでなく肥料も吸収しやすいので、与える時期や量を守らないと「肥料焼け」を起こしやすくなります。生育を良くするためであっても、肥料を過剰に与えるのはやめましょう。
市販の草花用培養土が使えます。自分でブレンドをするときは、赤玉土6、腐葉土3、軽石かパーライトを1にして、水はけが良い状態にします。
地植えの場合は、土壌が酸性だと育ちにくいので、土を耕すときに石灰を混ぜます。
雨や化成肥料によって酸性度が強くなることをいいます。日本は雨が多いことから、元々土壌の酸性度が強いといわれています。
植物は根から栄養を吸収しますが、酸性度が強いと成長を妨げることもあります。アルカリ性である石灰を混ぜることで、中性に近づけて、植物が育ちやすい土壌にします。また、アルカリ性に傾き過ぎても、成長を妨げます。
ルピナスの種まきに適している時期は、9月~10月です。多年草のラッセル・ルピナスは、気温が高い方が発芽しやすいので6月頃に種をまきます。
種まきをする時は、まず一晩水につけておきます。苗用のポットに植え付けをしたら、種の上から土をかぶせます。発芽するまでは、日陰の涼しい場所で管理し、乾燥させないようにしましょう。
発芽してきたら、日当たりの良い場所に移し、葉が6枚位になったら、直接植え付けをするか、鉢に移植をします。
一年草のルピナスは、根がまっすぐに伸びる直根性になっているので、地植え、鉢植えともに移植をするときは、根を傷付けないようにしてください。
ルピナス植え付けの時期は、春と秋の2回です。ルピナスのポット苗は、3月頃から市場に出回ります。一回り大きな鉢を選んで植え付けるか、地植えにします。植え付けをするときは、根を傷つけないようにしましょう。
なお、ルピナスは基本的に一年草として扱われるため、植え替えの必要はほぼありません。
ルピナスの花は、4月~6月にかけて開花します。花が終わると種ができるので、その種を採取して、種まきを行って増やすのが一般的です。また、こぼれ種でも増やすことができます。
植物では、「株分け」や「挿し芽」といった増やし方が一般的ですが、ルピナスの多くは、直根性のため「株分け」は向いてません。また、一年草のものが多いので「挿し芽」で増やすということもしません。
ルピナスの花を長く楽しむには、一番花が終わった時点で花穂の部分を短くカットします。側芽の部分が伸びてくるので、再度花を咲かせることができます。種を採取する予定の場合は、枯れた花をそのままにしておきます。
葉が混み合うと通気性が悪くなり蒸れやすくなるので、こまめに下葉を整理して、風通しをよくしましょう。
ルピナスは、病気や害虫に強いといわれています。ただ、ガの仲間であるヨトウムシがつくと、葉や花が食べられてしまいます。葉がかすり状になっている時は、ヨトウムシの被害を受けているかもしれません。気が付いたら早めに葉を取り除くようにしましょう。
病気に強いといっても夏場に湿気がこもると「根腐れ」を起こしやすくなりますし、肥料の与え過ぎもよくはありません。普段から手入れをすることで、病気や害虫から守ることができます。
ルピナスの開花の時期は4月下旬~6月にかけてで、大きくなると花だけで50cm以上になるものもあります。花色も、ブルー、紫、白、ピンク、赤などとさまざまな種類があります。
ルピナスは、マメ科ルピナス属の植物で、和名は「ハウチマメ」といいます。また、藤に似た花が上向きに咲くことから「昇り藤」ともいわれます。
ルピナスの種類は200種類以上といわれ、原種の他に、園芸用に交配させたものも多くあります。
ここでは、代表的なルピナスの種類を、一年草と多年草に分けてご紹介します。
南ヨーロッパ原産の一年草で、和名は「キバナノハウチワマメ」といいます。黄色の花が咲き、甘い香りが特徴です。キバナルピナスの種子の部分は「ルーピン豆」といわれ、食用にも使われます。地中海沿岸の地域では、ビールのおつまみとしておなじみの食材です。
南ヨーロッパ原産の一年草で、寒さにはあまり強くない品種です。「カザバルピナス」の名前の由来は、葉が下を向いていて傘を開いたように見えるからといわれています。
温かい地域でも育つ品種で、秋蒔きだけでなく春蒔きもできます。小型で、白やピンク、ブルーの花が咲く、見た目もかわいらしい品種です。
園芸用の改良種を開発した、ジョージ・ラッセルの名前が付いている品種。一年草が多いルピナスには珍しく、多年草の品種で、草丈は150cm位の大きさに成長します。耐暑性が弱く、気温が高いところでは夏越しが難しくなります。
多年草の品種で、草丈は50cm位の大きさまで成長します。4月上旬に開花をする早咲きの品種として人気です。
ルピナスの花言葉は「貪欲」「想像力」「いつも幸せ」です。
ルピナスの語源は、ラテン語でオオカミの意味がある「Lupus(ループス)」といわれています。ルピナス吸肥性と高さが、生存競争が厳しく、群れから外れて1匹で生きていかなければならないオオカミの貪欲さに、「貪欲」という花言葉が当てはめられたのかもしれません。
古代ヨーロッパでは、ルピナスは食用とされていました。そのため、ルピナスを食べると「想像力が豊かになる」「幸せな気持ちになる」といわれました。
円錐状に花が付くルピナスは、大きくなるものだと150cm位にもなるので、鉢植えでも地植えでも存在感を発揮します。ほかの植物との寄せ植えにもおすすめなので、ぜひ、育ててみてくださいね。
※トップ画像はぽむさん@GreenSnap
GreenSnap編集部