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ヒサカキは生育環境をあまり選ばないという特徴があり、サカキが育たない場所で神事の際に代用品として用いられることもあります。育てやすく、春になると独特の香りがするため、季節の到来を知らせてくれます。
そんなヒサカキの育て方をご紹介します。
ヒサカキの特徴は、適応能力の高さにあります。本来午前中だけ日差しの当たる、半日向のような場所が適していますが、たとえ日当たりが良い場所であっても、日陰であっても場所を選ぶことなくよく成長します。
そのため、ヒサカキは耐陰性はとても高い植物といえます。
ヒサカキが自生している場所は中国や台湾、朝鮮半島といった東アジア、日本では本州の東北以南から沖縄の平地といった比較的暖かい地域が多いです。そのため、北海道や東北地方では植栽で育てるのは向いていません。
それ以外の地域では、耐寒性もそれなりにあり、適応力の高さから幅広い場所で育てることができます。ただし、なるべく適湿であることが好ましいです。ハマヒサカキと呼ばれる品種はヒサカキの中では寒風に弱いです。
また、植えたばかりの年はまだ根が十分に張り付いていないため、株元の部分を腐葉土で覆ったり、寒風が当たらないような場所に移すといった防寒対策をする必要があります。
ヒサカキへの水やりは、土の表面部分が乾いてきたと感じてきたら、たっぷりと水を与えるようにします。
ただし、日中に水を与えてしまうと水が蒸発してしまい、株を痛めてしまう原因となってしまいます。そのため、なるべく朝と夕方の涼しい時間帯に水やりをするように心がけます。
ヒサカキを地植えで育てている場合は、雨水が降り注ぐような場所では、よほど晴れ渡った日が続くなど、乾燥しない限りは水やりをする必要は基本的にはありません。
ヒサカキへの水やりは、基本的に冬も同じです。
ヒサカキを鉢植えで育てている場合には、土の表面が乾いてきたと感じられたら水をたっぷりと与えるようにします。地植えで育てている場合は、よほど乾燥しない限りは、水やりをする必要は一切ありません。
ヒサカキへ肥料を与える場合は、液体肥料よりも堆肥や油かすといった固形の肥料を置き肥として与えるほうが適しています。肥料を与える時期としては2月、4月、6月です。
ヒサカキを育てるときは、それなりに水持ちのよい、肥沃な土を用います。もし土が乾きやすいような場所の場合は、土に腐葉土や堆肥をさらに混ぜ込みます。
市販されている園芸用の用度を用いる場合には、水もちをよくするために、そこへの小粒の赤玉土を加えます。全体の割合からは、3割から4割程がのぞましいです。
ほかには小粒の赤玉土を6、腐葉土を2、バーミキュライトを2の割合でそれぞれ混ぜた用土を使う例もあります。
ヒサカキの植え替え時期は、3月から9月の間が適期です。ただし、その中でも梅雨の時期は土から栄養素が流れ出てしまう時期なので、なるべく避けて行います。
植え替えをするときの手順ですが、鉢から根鉢を丁寧に抜き取っていきます。枯れた根や古くなった土がありますので、土をほぐしていきながら少しずつ取っていきます。土を取り除く量ですが、軽くもみほぐして取ることのできるぐらい、おおよそ1/3程度で大丈夫です。
乾燥させることで土がほぐれやすくなりますが、ヒサカキは適湿な環境を好む植物のため、あまりおすすめできません。
次に、新しく植え替える1回り大きめな鉢の底穴にネット、鉢底石を順番に敷いていきます。鉢の1/3ほど土を入れたら、ヒサカキを植え替えます。新しい鉢にヒサカキを置いた後は、縁の下から2、3cmほどのところまで土を入れて馴染ませます。
終わったあとは、水を満べんなくたっぷりを与えます。植え替えたあとですが、弱っている状態ですのでなるべく風の当たらない、明るい日陰に置いてあげましょう。
また、水やりは土が乾いてから与えるようにし、代わりになるべくこまめに葉水を与えるようにします。植え替えた直後は肥料を与えず、なるべく置き場所を一定にして、土と根をなじませるように養生させます。
種まきをする場合には、秋になって熟れた果実の部分から種を採種して、そのまますぐに撒いてしまいます。すぐに撒けるような環境がない場合には、湿らせた砂を一緒に保管して、春まで待ちます。
種を乾かしてしまいますと発芽するための力が衰えるため、なるべく乾燥させないように注意する必要があります。
ヒサカキを増やす方法は、「挿し木」と「種まき」の2種類が一般的となります。種まき方法については、前述の通りです。
挿し木をする場合、適期となるのは7月頃です。梅雨の時期は流れやすくなってしまい、根付きにくくあまり増やすのに適していないので、梅雨の終わったあとにしましょう。
方法としては、その年に伸びてきた新しい枝を切り取って、土に挿してあげます。そこから根が出るまでの間は、半日向になるような場所で、なるべく乾燥さないように保管します。
ヒサカキにつきやすい害虫として一般的なのは、ホタルガという虫です。ホタルガは名前の通り、ホタルのように色鮮やかなガなのですが、その幼虫は植物の葉っぱを食べて成長します。分泌液に毒があり、触ると炎症を起こしてしまうなど駆除するのが大変です。
幼虫の場合には木を揺すって落としてから退治です。繭の状態なら1つ1つ捕まえていき、成虫の状態は殺虫剤でまとめて退治するのがよいでしょう。
病気については、褐斑病。炭疽病といったものが挙げられます。
まず褐斑病についてですが、糸状菌が発生することによって起こり、小さな円形の斑点が葉っぱに表れます。褐色の斑点はどんどんと黒くなり、円形から多角形に広がっていきます。斑点となった部分は枯れていき、葉っぱが落ちていきます。
株の生育自体が悪くなる原因となります。おもに春から秋にかけて、雨が続いたり風通しの悪い状態で発生しやすくなります。発症していた場合はすぐにその葉っぱを取り除き、間引きや剪定をすることで風通しを良くする必要があります。
炭疽病はカビが原因となって、葉っぱなどの部分が黒・灰色のカビが発生して斑点状に広がっていき、穴が空いたりしていきます。高温多湿な状態を好み、特に梅雨の時期には蔓延しやすいです。
水やりの水はねや雨水によって伝染していくので、なるべく水はけをよくするだけではなく、葉っぱが密集しないようにする、株元に水を与えるなどの方法で予防する必要があります。
ほかにもすすかび病などといった病気にもかかりやすいのですが、いずれにしても密植であったり葉っぱの密集、水はけの悪さが原因で発症することが多いです。
ヒサカキは神事に使われたりします。サカキが育ちにくい地域などで、代用品として使われることがあります。
耐寒性、耐暑性ともに高く、生育環境をあまり選ばないのがヒサカキ特徴です。かなり育てやすいです。東北地方や北海道ではあまり植栽には向いていませんが、それ以外の地域であれば冬越しや夏越しの対策をほとんどする必要はありません。
しかし、ヒサカキの中でもハマヒサカキと呼ばれる品種は耐寒性があまり高くなく、植えたばかりの年はまだあまり根が張り付いていないため、株元を腐葉土で覆ったり、寒風を避けてあげるなどの、防寒対策をする必要があります。
ヒサカキはサカキと言う名前をしていますが、サカキとは別の植物です。特徴としてサカキの葉っぱは7cmから10cmほどの大きさですが、ヒサカキは3cmから7cmほどと小さいのが特徴です。
また、サカキは葉っぱと葉っぱの間隔が大きいのに対して、ヒサカキは群生して密集していることから垣根のような場所で使われることが多いです。
ヒサカキの開花時期は3月から4月で、この時期になると小さなクリーム色をした花を咲かせます。ヒサカキの花の匂いは独特で、インスタントラーメンの粉末のような匂いであるとか、ガス臭であったり例えられ方はそれぞれあります。
ハマヒサカキは花の特徴は同じようなものですが、開花時期が10月から2月とことなっているのが特徴です。
ヒサカキの花言葉には「内気」、「治癒」、「神を尊ぶ」といったものがあります。
「神を尊ぶ」についてですが、枝の先端にある小さく生えた芽が鎌状に曲がっており、それが勾玉を連想させることから神聖さを見出したとされています。実際に、関東以東の地域では、榊の代用品としてヒサカキを神前に供える習慣があります。
耐暑性、耐寒性のあるヒサカキは、あまり育てる場所を選ばないことから育てやすい植物として人気があります。春になると独特な花の匂いをすることから、視覚と嗅覚で季節の到来を感じさせてくれます。
この記事を参考に是非ヒサカキを育ててみてください。
takenaka