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日本固有種のノコンギクは、野菊を代表する秋の草花のひとつで、全国各地の道端で見られる植物です。同じく野菊の一つであるヨメナとよく間違われます。今回は、そんなノコンギクの花や葉の特徴、ヨメナとの違いのほか、花言葉や育て方についてもご紹介します。
ノコンギクは日本を原産とする、キク科アスター属の多年草です。草丈は50〜100cmほどで、日本のあちこちで見ることができます。
ノコンギクは7〜10月にかけて、細く分岐した茎先から花茎2〜3cmほどの小さな花を咲かせます。派手さはないものの透明感を感じさせる紫や桃色、白の花を群生させる姿は今も昔も変わらず愛され続けています。
ノコンギクの葉は丸みを帯びた卵型〜狭卵形をしています。茎と葉全体に短毛が生えているのも特徴です。
冒頭でもお伝えしましたとおり、ノコンギクはヨメナと花姿がよく似ています。ただし、ノコンギクはキク科アスター属であるのに対し、ヨメナはキク科シオン属と異なる植物に分類されます。
花色や花弁の形などはよく似ていますが、ノコンギクの葉には短毛があり、一方のヨメナには短毛はありません。葉っぱを実際に触ってみると、違いがわかるかもしれません。
また、冠毛についても、ノコンギクの方が5〜6mmとやや長めです。
ノコンギクの花言葉は「忘れられない想い」「長寿と幸福」です。
夏の厳しい暑さを乗り越えたあと、冬へ移ろうとともに萎れる花の風情を表した花言葉となっています。
ノコンギクは風通しと日当たりのよい環境を好むものの、強い直射日光を苦手とする植物です。とくに夏場の炎天下や西日の際には、日差しの強い時間帯だけ半日陰に移動させるか、20〜40%ほどの遮光をします。市販されている遮光ネットや寒冷紗を使うことで簡単に遮光可能です。
ノコンギクには表土が乾いたらたっぷりと水やりします。とくに夏場は過度な乾燥を防ぐため、表土の乾き具合を細かくチェックしましょう。ノコンギクを地植え栽培している場合は自然の降雨で十分です。
ノコンギクには元肥として少量の緩効性化成肥料をあたえます。開花を促進させるリン酸を多く含んだ肥料がおすすめです。加えて春の4〜5月、秋の9〜10月にそれぞれ規定量の500〜1000倍に薄めた液肥を施すと、数多くの絢爛な花が期待できます。
植え付け1〜2週間前の段階で元肥となる緩効性化成肥料を土に混ぜた上で、よく耕してください。地下茎で予期せぬ場所に根を伸ばすことがあるため、ノコンギクの周囲を深さ5〜10cmに挿したレンガで囲うことをおすすめします。こうすることで生育状態のコントロールが可能です。
ノコンギクは2〜3月の植え替えと同時に株分けをします。植え替えの時に掘り起こした株を2〜3個に分けてください。
ノコンギクは5〜6月に挿し木の適期となります。先端から6〜8cm切り取った芽を水に数時間つけた後、新しい赤玉土に挿しましょう。土を乾燥させないように明るい日陰で管理すると、約1ヶ月後に発根します。
ノコンギクはアブラムシの被害を受けやすい植物です。葉裏に寄生してウイルスを媒介させる恐れがあるため、見つけたら殺虫剤を使用してすぐに駆除しましょう。
ノコンギクは日差しに気をつけさえすれば、強健な性質のため簡単に育てられる植物です。開花期の長さもノコンギクの魅力のひとつなので、一緒に暑い夏を乗り切ってくれるのは嬉しいですね。
GreenSnap編集部