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アロカシアは、素朴だけれど生き生きとした緑色の葉を特徴とする観葉植物です。種類も豊富で10センチほどの小ささから、葉のサイズだけでも人間が傘代わりに使えるようなものまでそろっています。今回はそんな観葉植物・アロカシアの育て方を簡単にご紹介します。
アロカシアは、熱帯アジアからオーストラリアにかけて65種類ほどが生息している多年草植物です。つまり、台湾、インドシナ、インドにあり、また日本でも四国の南部から九州雨の南部を経て琉球列島にも分布しています。
これら地域で育つこともあり、アロカシアは、原則年間を通して日当たりの良い場所で育ててあげる必要があります。
例外として葉が金属光沢を持つ種は、レース越しの陽射しが当たる半日向か、室内の明るい日陰で育ててあげましょう。これらは森に自生するタイプなので、直射日光に当たってしまうと、葉が焼けてみるみるうちに黄色くなっていまいます。
とはいえ、日に当たる時間が少ないと葉が垂れ下がって葉柄が折れてしまいます。そのため暗すぎる場所は控え、少しでも明るい場所で育ててあげてください。
葉が日の当たる方へと傾く傾向があるので、バランス良く育てたい方は特にこまめに向きを変えることがポイントです。
アロカシアは暑さは強いですが、一方耐寒性は低いです。そのため金属光沢を持つ種意外のアロカシアは、春から秋は屋外で育てても問題ありません。
ただし、冬はどちらの種でも室内でも15度以上の場所に置きましょう。さもなくば枯れてしまうので要注意です。
5月〜9月にかけてはアロカシアの生長期のため、鉢の土が乾く度に水をたっぷりと与えてあげましょう。常に土が乾かないようにすることが肝心です。
また、それとは別として葉に霧吹きをかけてあげれば、ハダニ対策にもなるのでおすすめします。
10月に入る時点で与える水の量は控えめにしておく必要があります。そして冬に入った際には、鉢の土が乾いてから4〜5日ほど経った後に水を与えてください。
水やりは、日中の温かい時間に行いましょう。なお、加湿設備がない場合には、通常の水やりはやめ、葉に霧吹きで水をかける程度にしましょう。
冬は特に乾燥するので葉が枯れたり、ハダニが発生するので用心が必要です。また、アロカシアが休眠状態になっていることもあるので、その際には適宜処理しましょう。
アロカシアへは、生長期の5月〜9月頃に緩効性化成肥料を2ヶ月に1度の頻度で与え、葉をよく出させて冬に備えさせます。
また、同時に、即効性の液体肥料を1週間〜10日に1度与えるか、月1の頻度でカリ分の高い微粉のハイポネックスといった液体肥料を与えましょう。
アロカシアは、水持ちのいい腐植質かつ水はけのよい土を好みます。そのため赤玉土(小粒)6、腐葉土3、川砂1の割合で配合した土などがよいでしょう。
アロカシアは観葉植物であり、生育が旺盛です。根が鉢の底から出てくるほどに成長したら、必ず植え替えましょう。したがって、中〜小鉢の場合は、毎年5月から8月の間に一度、一回り大きな鉢に替えましょう。
初めから大きな鉢で育てている場合には、2年に1度の頻度で、根のを3分の1ほど(傷んだ部分を特に)切り落とした状態で今まで通りのサイズか大きなものに替えてください。
なお、葉が金属光沢の種類は、5月半ば〜8月までに植え替えてください。
葉が残った株は古い用土を3分の1ほど落として、新しい用土に植え替えてください。冬場に枯れてしまった株は、植え替えの時期に鉢から抜いて芋がしっかりと残っていれば、再度芽を出す可能性が高いので用土に植えなおして上げましょう。
アロカシアの増やし方は「取り木」や「挿し木」などがあります。
取り木ならば6月〜7月が適期で、切り取ったら同年の10月までには鉢に植え付けましょう。切り取った際には雑菌が入りやすいので、園芸用の殺菌剤などを切り口に塗り込んでおきましょう。
一方の挿し木は、5月〜7月に茎の部分を5センチほど切り取って土にさしてください。なお雑菌を防ぐため、挿す前に必ず表面を乾かしておくのがポイントです。
アロカシアは、乾燥した高温の室内になりがちな冬になると、特に「ハダニ」が発生します。そのほかにも「ナメクジ」が新芽を好んで食べてしまうこともあります。粘膜のようなものを見つけ次第専用の殺虫剤を撒きましょう。
また、急に葉が倒れ始める「軟腐病」にかかる可能性はあります。水のやり過ぎが原因となって起こる事が多いので、水やりを一旦控えてください。次いで腐敗した部分を切り取って、傷口を乾燥させてから新しい用度に植え替えてください。
アロカシアは熱帯地方で育つ植物のため、高温多湿の環境を好みます。したがって、水やりさえ適当に行えれば、比較的高い温度でも耐えられます。熱帯系ならば強制的に休眠させても15℃前後、冬場も生育したいのならば20℃以上に保ってください。
一方のクワズイモ系ならば3〜5℃あれば冬越しは可能です。ただし、クワズイモだけは10℃ほどあった方がよいでしょう。いずれにせよ、冬は室内に取り込む方が良いでしょう。
このとき、アロカシアは乾燥を嫌うため、エアコンの暖風が当たらないよう心がけましょう。
アロカシアの特によく知られている品種としては、クワズイモが挙げられるでしょう。アロカシアの中でも耐寒性の高い特別な種類ですが、何よりその姿が特徴的。
里芋のような塊状ではなく、棒状に伸びる根茎があり、ときとして分岐しながら地表を這い、先端はやや立ち上がった形で伸びます。そしてその先端には数枚の葉をつけます。
大きさは、個体差がありますが、草丈が人の膝までのものから背丈を超える特大級のものまで揃っています。葉は60センチもの長さになり、全体として楕円形で波状の鋸歯がついています。
「食わず芋」とされる名前通り、見た目は里芋いていても、強い毒性のために食べることはできません。
なおこの毒は皮膚の粘膜に対しても刺激が強いため、切り口から出る汁にも触れないようにすべきです。日本ではよくサトイモと間違え手食べたことでの食中毒が多く発生しているため、要注意!
ただ中国では、腹痛や赤痢、ヘルニアなど、さらには外的には膿瘍、ヘビ毒や虫刺症の治療薬として受け入れられています。また、ベトナムでは風邪の治療薬として利用されています。
東大寺正倉院に収められている『種々薬帳』『出雲国風土記』『神農本草経』等に出てくる薬草「狼毒」は、クワズイモの根の部分だ、とする説もあるほどに有名です。
アロカシアの中でも、クワズイモ系は葉の白い棒状の花を咲かせます。花は初夏から夏にかけて開花します。株が充実すると、葉っぱの陰から花を咲かせます。
また、このクワズイモの花は、黄味を帯びた白い花穂を、緑〜白の仏炎苞が囲むという変わった姿が魅力的です。実は仏炎苞が花穂を囲んでいるのは、サトイモ科の花の特徴なのです。そのため間違えられがちです。
なお仏炎苞が花穂を囲んでいる理由としては、昆虫を仏炎苞の中で閉じ込めることで受粉させようと働きかけている証拠です。花からは独特な甘〜い匂いがします。
アロカシアの代表品種であるクワズイモには、「復縁」「仲直り」というやさしい花言葉あります。
そのため女性からの人気も高いようです。100円ショップの観葉植物コーナーでも変える場合もあるようなので、是非探してみてください。
今回は大きな葉が特徴のアロカシアの育て方について簡単にご紹介しました。
中でも日本の伝承が残っているクワズイモなどは風水、花言葉的にも魅力のある植物なので、是非とも育ててみてほしいです。
こうした占いごとに興味のない方は、その他の大きな葉を持つ種のアロカシアを育てて、ジブリ映画『となりのトトロ』で大トトロが持っていた傘のような植物ですから、自宅でお子さんと一緒に真似してみるのもいいかもしれませんね。
大型の種類としては、沖縄や小笠原諸島に生息するアロカシア・オドラが挙げられます。もし小さいサイズでも楽しんでみたいという方は、小型のシマクワズイモや、インドクワズイモなを育ててみると良いかもしれません。
ちなみに一番流通している種は葉縁と主脈が銀白色のアロカシア・アマゾニカです。神秘的な色合いが人気を破棄しているようですよ。
GreenSnap編集部