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ハートカズラは、ガガイモ科(キョウチクトウ科)に分類される、つる性の常緑多年草の多肉植物です。原産地は、南アフリカの東南部です。その名前が示すように、小さなハート型の葉っぱがキュートで、細長いつるが垂れ下がって生長していきます。そんなハートカズラの育て方を見ていきましょう。
ハートカズラは、元々強い直射日光に強い植物です。そのため、真夏の強い直射日光にも耐えることができ、葉焼けもあまり起こさず、よく生長してくれます。
そのため、基本的には、お日様の光によく当てて育ててあげる方が良いです。ただし、耐陰性も兼ね備えているため、明るい日陰でも大丈夫です。少し分厚いカーテンで遮光されたところでも可能です。
ただし、室内で育てていたものを、急に屋外の日当たりの良いところに置いてしまうと、葉焼けを起こしやすくなるため、室内から屋外へ移動したい場合には、まず戸外でも明るい日陰→半日陰→日当たりの場所などと、段々と慣らしていってあげるようにしてください。
ハートカズラは、日光に当てて育てると、多肉植物の特徴とも言える肉厚の葉っぱになってくれます。日光の量が少ないと、葉っぱが落ちてきてしまいますので注意をするようにはして下さい。
ハートカズラは、日当たりのほか、風通しが良い場所で育てることも大切です。その理由は、ハートカズラは過湿の環境は苦手で、風通しの悪い場所にずっと置いておくと腐りやすくなるからです。
しかし、あまりにも強風が吹く場所は、細長いつる(茎)がプチンと切れる原因となりますので、注意するようにしましょう。ハートカズラは耐寒性もありますが、綺麗な樹形を保つには、10℃前後の環境に置く方が良いです。
ただし人工的な温風は乾燥しているので、避けるようにして下さい。また、霜には弱いので、冬は室内へ移動させた方が良いでしょう。
ハートカズラへの水のやりすぎには注意が必要です。夏は、土が乾いていればしっかりと水やりをしましょう。ただし、土が濡れている状態の水やりは、腐って枯れる原因となるので注意して下さい。
特に、日陰や室内でハートカズラを育てている場合には、屋外よりも少し乾燥気味でOKです。
ハートカズラは多肉植物なので過湿は苦手ですが、室内で育てている場合は、夏場のエアコンにより乾燥しやすくなります。そうなるとハダニが発生しやすくなるため、霧吹きで適度に葉に水を掛けてあげるようにすると良いです。
ハートカズラの冬の水やりは、土が乾燥していてさらに数日経過した後で行うようにします。冬は乾燥気味の管理で十分です。こうしてあげることによって、寒さに対して強くなります。
ハートカズラの葉が乾燥して、土が湿っている場合には、葉にだけ霧吹きで葉水をしてあげましょう。
ハートカズラは、多肥料になると根腐れを起こしやすくなるため、肥料の量は少なめでOKです。ハートカズラの生育期の春〜秋の期間に、月に1回程度を目安に薄めた液体肥料を少量施すようにします。
ハートカズラを育てるときは、水はけの良い土を用いましょう。
自作する場合には、「赤玉土6:腐葉土2:パーライト2」の割合で配合してつくった土がおすすめです。もしくは市販されている観葉植物の土を利用してもOKです。
観葉植物の土よりも、サボテンや多肉植物用の土の方がより適しています。
ハートカズラを長い期間にわたって育てたい場合は、必ず植え替えをしてあげて下さい。
ハートカズラは生命力が旺盛なので、どんどん育ち、鉢の中に根が張って一杯になってしまいます。そうなったら、植え替えのタイミングです。そのままにしておくと、根詰まりを起こし、葉っぱが落ちてしまうことも多くなります。
植え替えのやり方ですが、まず事前に鉢に鉢底部分から1/4程度の深さまで砕いた発泡スチロールや軽石を敷いておきます。鉢のサイズを変えずに植え替えをしたいときには、同時に株分けも一緒にするようにするのが良いでしょう。
また、植え替えは一年に1回程度を目安に行うようにして下さい。植え替え時期は、5〜7月頃が適期です。
植え付けに関しては、市販の土を使う場合にはパーライトを加えるか、もしくは「赤玉土6:腐葉土2:パーライト2」の割合で配合してつくった土を使います。
また、水はけが良くなるように、鉢の1/3 くらいまで軽石を敷いて、その上にハートカズラと土を植えます。
ハートカズラの増やし方は、大きく分けて「挿し木」「株分け」「ムカゴ(胎芽)」の3つです。いづれも適期は、5〜7月頃が適期となっています。
まず挿し木のやり方ですが、健康で元気なハートカズラのつるの部分を、2〜3節カットします。そして先端部分にある葉を数枚程度だけ残し、あとはすべて取り除きます。植え付けるときと同じ土と鉢を用意し、斜めにつるを挿します。
土を乾燥させないように水やりを行いながら、管理を続けます。1〜2ヶ月程度で根が生えてきますので、そうなったら一回り大きなサイズの鉢の中か庭の土に植え替えます。
次に株分けですが、植え替えを行う時に、大きくなった株を数株に分けて、それぞれを新しい鉢と土の中に植えます。株分けした直後は、乾燥気味にするようにし、段々と水やりの回数を増やしていき、最後は通常の管理方法に戻すようにします。
最後にムカゴ(胎芽)です。ムカゴというのは、つるの節の部分に形成される丸く膨らんだものの事です。
これが発生しているときには、葉っぱを数枚ほど必ず付けた状態でムカゴを切り離します。そして、ムカゴの頭部分が土の上から出ているように、深さを考えて植え付けるようにすると、根が出てきて新しい株ができます。
ハートカズラの生育期である春〜秋頃にかけて、風通しが悪かったり、乾燥し過ぎの環境になってくると、アブラムシやカイガラムシが発生しやすい状態になります。もし発見した場合には、早い段階で薬剤を散布して駆除するようにします。
しかし、ハートカズラの茎というのは、とても細いだけでなく、葉っぱも小さいので歯ブラシを使ってこすり落とすなどの駆除がしづらいこともあります。予防としてはこまめに様子をチェックしたり、あまりにも乾燥している場合には、葉水をするなどしておきましょう。
ハートカズラは、冬越しをさせるには3〜5℃の気温が必要となりますが、理想としては8℃〜10℃前後はほしいところです。その気温だと、ハートカズラの樹形を綺麗に保てます。
また、寒い冬の時期は、霜に当ててしまうとすぐに枯れてしまいますので、屋外よりも室内のリビングなど、人の動きがある部屋に置いて管理してあげた方が無難です。
鉢植えはそのまま室内へ、庭に地植えしている場合には、一時的に鉢植えにしてから室内に取り込んであげると良いです。
ハートカズラには、いくつかの品種があります。「セロペギア・ウッディー・レディハート」「セロペギア・ウッディー」「セロペギア・アンプリアータ」などです。
葉の色や模様(斑)、茎、花の色などがそれぞれ違っています。
ハートカズラは夏頃になると、棒状をした赤紫色のちょっとユニークな形の花を咲かせます。花の基部が少し膨らんでいて、花の表面には細かな手が生えています。まるで、エイリアンの手足のようにも見える面白い花です。
ハートカズラには、そのハート型をしたキュートな葉にちなみ、「協力」や「助け合う」という花言葉がつけられました。
今回は、ハート型の葉っぱがとても可愛らしく、長くつるを伸ばして生長するハートカズラの育て方についてご紹介してきました。
とても個性的でオシャレな雰囲気を持っていますので、窓辺に飾ってみたり、つるを生かして棚に飾ってみたりと楽しみ方も色々です。他の花や植物との寄せ植えにも良いアクセントになりますので大変おすすめです。
初心者でも丈夫で育てやすいのでぜひ一度挑戦してみて下さいね。その可愛らしさにきっとハマってしまう方もいることでしょう!
※トップ画像はPhoto by mamiさん@GreenSnap
GreenSnap編集部