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カサブランカはユリの中でも純白の大きな花をさかせる「ユリの女王」とも呼ばれる球根植物です。中級者向けの難易度ですが、多年草なのでうまく越冬できれば、そのゴージャスで芳香の良い花をなんども楽しめます。
今回はそんな不動の人気を誇るカサブランカの育て方についてご紹介します。
カサブランカは強い日光が苦手なので、半日陰〜日陰で育てるといいでしょう。建物の東側に置くなどして、とくに西日を避けてください。
室内でも日当たりの良い場所なら育ちますが、花後は外に置くとよいです。
鉢植えのカサブランカの場合、土の表面が乾燥してきたら、底穴から水が流れ出るまでたっぷり水をやるようにしてください。ユリの球根は乾燥に弱いので、発芽していない夏〜冬でも水やりをしましょう。
地植えのカサブランカの場合でも、発芽していない状態のときは毎日水をあげるとよいです。ただし、発芽して育ってきたら、長期間晴れの日が続いたときに水をあげる程度で大丈夫です。
カサブランカは排水性のよい土を好みますので、鉢植えの場合、配合は赤玉土6:腐葉土3:パーライト1の比率で用意するとよいです。元肥として土1Lに対して、緩効性化成肥料5gほど混ぜておいてください。あらかじめ肥料が配合さえている市販の草花培養土でも構いません。
カサブランカを地植えする場合は、1〜2週間前に土に苦土石灰を混ぜて酸度を整えておいてください。元肥として1㎡あたり20Lほどの腐葉土と、100gほどの緩効性化成肥料をまいて耕しておきます。
なお、冬の寒さには強いですが、乾燥に弱いので、株元を稲わらや腐葉土でマルチングしてください。乾燥に気をつければ北海道でも越冬できます。
鉢植えのカサブランカには、液体肥料で追肥をします。春になって目が出てきてから8月中旬まで、10日おきに、水やりのかわりに薄めた液体肥料をあげてください。
地植えのカサブランカの場合は、1株あたりだいたい10gほどの緩効性化成肥料を、追肥として与えてください。また、6〜7月ごろの花が咲き終わった直後に、礼肥として同量の緩効性化成肥料を与えると良いでしょう。
カサブランカの植え付けに適しているのは10〜11月です。植え付けの際には前項の土を準備しておきましょう。土植え・鉢植えともに、球根を植えるときは、株間を20cm程度あけるようにしてください。球根を植えつけたら、球根の高さの3倍ほど土をかぶせて、たっぷりと水をあげてください。
カサブランカの植え替えは9〜11月の葉が黄色く枯れ始めた頃に行いましょう。鉢植えの場合は毎年、地植えの場合は2〜3年に1度ほどで大丈夫です。いずれも用土を新しいものにしたり、植える場所を変えるようにしてください。
球根はとてもデリケートです。ウィルスの侵入を防ぐためにも、植え替えの作業は器具を使わずに手で行いましょう。球根を掘り上げたらよく水洗いし、オーソサイド液などを規定量希釈したものに、30分ほどつけて殺菌します。そのあと風通しのよい場所で2、3時間かわかしてから、新しい鉢や庭に植えてください。園芸用殺菌スプレーでも代用可能です。
球根を乾燥させすぎないように注意しましょう。
カサブランカは受粉すると花後にさやを作るので、そこから種を採取できます。種まきに適しているのは10〜11月ごろで、前述の用土を準備して行います。種を被らないようにまいたら、5mmほど土をかぶせて、水をきらさないようにたっぷりあげてください。日の当たらない場所で管理し、3週間ほどたって芽がでたら、液体肥料を2週間に1回程度あげていきます。
寒さに弱いので冬は室内で管理しましょう。暖かくなった4月ごろに鉢か庭に植えるとよいです。
球根を掘り上げた際に、大きく育った球根がふたつに分かれていることがあります。これを分球といい、手で割いて、あとは通常の球根の植え付けと同じように育てていくことができます。
鱗片ざしとは、球根を外側から片鱗を剥がしていき、土に挿して育てることです。カサブランカの鱗片ざしは8〜9月ごろに行いましょう。
球根を掘り上げて、球根の片鱗を3周分ほど剥がします。前述の用土に片鱗を挿して、土の表面が乾いてきたら水をあげてください。11月ごろには小さな球根ができるので、発芽したら薄めた液体水肥料を2週間に1回ほど施して育てていきます。
球根と茎の間にできた小さな球根のようなものを木子といいます。球根を掘り上げた際に、木子のすぐ下に生えた上根ごと手で裂きましょう。あとは球根の植え付けと同じ方法で育てていくことができます。
カサブランカにはアブラムシがつきやすく、成長期の春〜秋は注意するようにしましょう。防虫薬剤を葉の表裏に塗布するなどして、予防してください。
カサブランカをはじめ、ユリの球根はウイルスに弱いです。球根を掘り上げた際に、しっかり殺菌することで、球根腐敗病などを防いでください。
梅雨時は加湿による根腐れがおきやすいので、土の上にパークチップでマルチングなどをして予防してください。
カサブランカは6〜8月に花を咲かせるユリ科の植物です。大輪の花は直径20cmほどにもなり、その迫力と純白の佇まいから「ユリの女王」と呼ばれています。
花後は、めしべの膨らみ、花の付け根から完全に取り除くと、球根に栄養がまわり、翌年も花を楽しむことができます。なお、葉は枯れてきても、自然と落ちるまでそのまま触らないようにしましょう。
カサブランカの花言葉は「純粋」「無垢」「祝福」などがあります。まさにその花姿にぴったりの花言葉で、結婚式のブーケや、贈答用などによく使われています。
カサブランカはその豪華で美しい見た目から、切り花としても人気です。切り花で長く楽しむには雄しべを切ってあげるとよいです。
買うとなるとわりと高価ですが、自分で育てて切り花としても楽しめたら、愛着もひとしおですね。ぜひ、カサブランカのお花を楽しんでください。
GreenSnap編集部