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イランイランは熱帯地域に分布する緑葉樹で、樹高は15mにまでなる高木です。5〜10月に咲くジャスミンにも似た黄色い花からは、甘い香りの精油がとれ、あのマリリン・モンローが愛した香水「シャネルの5番」にも使われています。
今回は、アロマテラピーや香水の原料になることでも知られる、イランイランの育て方をご紹介します。
イランイランの種まきに適した時期は4〜7月です。まず種を30℃程度の水に6時間ほど浸します。種まき用土(赤玉土5:バーミキュライト5、もしくは市販)をいれた育苗ポッドなどを用意し、種を重ならないように3〜5粒ほど植えます。種の上には2cmほど土を被せ、水をたっぷりあげてください。日当たりの良い暖かい場所に置き、発芽するまでは土を乾かさないようにしましょう。だいたいだいたい3〜4週間ほどで発芽します。
イランイランは日当たりのよいところ、もしくは明るい日陰でよく育ちます。栽培の適温は25度で、耐暑性は高いですが、寒さや乾燥に弱いので冬場は注意が必要です。
イランイランは耐寒性が低く、気温10度以下では越冬できません。鉢植えを使ってイランイランの置き場所を管理して育てるようにしましょう。
あたたかい季節は建物の東側の日当たりの良いところがおすすめです。耐暑性が高いといっても、西日に当てすぎると葉焼けしますので注意しましょう。室内の場合は南向きの窓辺で日光を当ててください。
肌寒い季節ははやめに室内の暖かい日当たりのいい場所に移動させてください。ただし乾燥に弱いので、エアコンの風が直接あたるような場所は避けましょう。冬場はよく葉が落ちますが、あまり気にしなくて大丈夫です。
イランイランは水はけの良い土を好みます。赤玉土5:腐葉土5ほど、もしくは赤玉土4:腐葉土2:ピートモス2の比率の土などがよいですが、市販の観葉植物用の土を使っても問題ありません。
イランイランの植え付けや植え替え時期は、5〜7月のあたたかい頃に行いましょう。イランイランは成長が早いため、植え替えの鉢の大きさは2周りずつあげてください。
イランイランは乾燥が苦手です。土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出すまでしっかりとあげます。常に少し土が湿っている状態がベストです。冬は水の吸い込みのペースが落ちるので、水のやりすぎには注意してください。
固形の化成肥料を、一ヶ月に一度ほどあげると良いです。ただし、土に堆肥や腐葉土がはいっていて新鮮な土であれば、とくに肥料を与えなくても育ちます。
イランイランは種まき、挿し木で増やすことができます。挿し木は、若々しい茎を斜めに切って、しばらく30度ほどの水に切り口をつけておきます。そのあとは土に挿して水をたっぷりあげてください。
イランイランに剪定は基本的に必要はありません。ただし、室内サイズに収めておくためには、適宜幹の一番上部分を剪定しておくと良いでしょう。花が咲き終わった10〜11月、もしくは5〜7月に行うのがおすすめです。
イランイランは3月ごろの春先に、新芽や茎葉にアブラムシがわきやすいので、薬剤で駆除していくようにしましょう。
イランイランはしだれて咲く黄色い花から、南国感ただようエキゾチックな甘い香りがします。フレグランスとしてはもちろん、精油をお風呂に数滴たらしたり、相性の良いココナッツオイルとイランイランの精油を混ぜてヘアケアに使うのもおすすめです。
イランイランの香りには、心を落ち着かせて不安をまぎらわし、楽しさや喜びなどのポジティブな感情を引き起こす効果があるといわれています。また、催淫作用もあるので、女性の官能的な魅力を高めてくれる働きをしてくれるのだとか。
イランイランはホルモンバランスの調整作用があるので、PMS(月経前症候群)や更年期症状の緩和、ニキビなどの肌荒れの原因に働きかけます。ほかにも自律神経のバランスを整える効果、生殖系の不調改善、高血圧などにも効果的とされています。
イランイランの花言葉は「誘惑」「乙女の香り」です。古くはクレオパトラもイランイランの香りを、惚れ薬として利用していたというほどで、この花言葉からも、女性的なエネルギーをあげてくれるようなお花ということが示されています。
イランイランは花がつくまで少し時間がかかりますが、一度花をつけると、高価な香水にまで使われているその豊かな香りを楽しめます。温度と日当たりと乾燥に気をつけておけば、さほど難しくもないので、皆さんも鉢植えでイランイランを育ててみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部