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6月から8月にかけて下向きで黒い花を咲かせるクロユリは、本州型と北海道型に分かれるユリ科の高山植物です。北海道型のほうが草丈は高く、本州の二倍ほどの草丈にまで育つことがあります。また、本州では高山に自生しますが、北海道では低地と育つ場所も若干違います。
そんなクロユリの育て方について今回はご紹介していきます。
日本だけでなく、アラスカ、シベリア、サハリンなどにも自生するクロユリは、高温や湿度が高いところを好まない一方、寒さに強い性質があります。そのため、風通しのよい涼しいところで育てるのがおすすめです。
一般的にクロユリと呼ばれているのは、北海道型で大きくなると50cmほどの草丈になります。そのため、植えるときは成長したときを考慮した鉢で育てるとよいでしょう。
クロユリの水やりは、地植えで栽培するか、鉢植えにするかで異なります。
クロユリを地植えしている場合は、降雨だけで水やりを気にすることはありません。鉢植えの場合は、乾燥しないように注意します。生育期と休眠期で、水の与え方を気をつけます。
クロユリへの肥料の与え方ですが、3~4月、5~6月、8~10月に与えます。ただし、クロユリの成長期間を考慮しながら与えましょう。開花時期は肥料を与えません。秋から冬にかけて液体肥料を一週間に一度を目安に与えます。
クロユリを育てるときは、排水性の良い土を選びます。園芸店で販売されている山野草向けの培養土を用いても問題ありません。自分でつくる場合は、鹿沼土、軽石、腐葉を4:3:3でブレンドします。
クロユリを鉢植えで栽培しているときは、排水性をよくするための工夫をしてあげるのがおすすめです。
クロユリを育てていると、アブラムシやヨトウムシの被害が考えれます。春先はアブラムシに特に気をつけます。見つけたら、すぐに駆除します。
クロユリの球根の植え付け時期は、6~9月が適期です。球根を植えるときは、球根そのものが小さいので、10cmほど株の間をあけます。鉢植えの場合は、直径15cmほどの5号鉢に3~4球根を目安に植え付けていきます。
クロユリの球根はとても脆いので、優しく土で覆ってあげましょう。
クロユリの植え替えは、数年はしなくても問題ありません。ただし、夏越しをしているにも関わらず、開花しなくなってきた時が植え替えの合図です。
2年に一回ほどは土を掘り返し、球根の状態をチェックします。球根が増えていて花が咲きにくい場合は、植え替えます。植え替えに適している時期は6月頃です。
クロユリは、「分球」することで増やすことができる植物です。クロユリの球根は皮がなく、鱗片のようになっているので、簡単にはがすことができます。このクロユリの性質を利用して増やしていきます。
分球のために剥がした球根は、それぞれが重ならいように、数センチの間隔をあけて植えていきます。土は軽く覆いかぶさる程度にかけます。球根が大きくなるまで、5~6年ほど植え替えを繰り返します。植え替えの時に、固形の有機肥料を与えます。
クロユリは、花のあとに種をつくります。しかし、発芽率はよくないので、クロユリを増やしたい場合は、分球をしてあげるのがおすすめです。
クロユリの手入れについて説明します。まずは植え付け後の手入れですが、芽が出るまでは日が当たる場所で育てます。これは球根を十分に太らせてあげるためです。
クロユリの日頃の手入れは、生育環境、サイクルに注意します。みずやりと肥料を与えるタイミングが大切です。花が終わったあとは花がらを取り除き、掃除してあげます。
花がらがあると種がつくるため、球根を十分に太らせるための養分がとられてしまいます。毎年きれいな花を咲かせるためにも、球根を肥やすことは大切ですので、花がらを摘み取ります。
クロユリは、涼しい気候のほうが育ちやすいので北海道型のクロユリは栽培しやすく、手入れも楽です。
クロユリの花言葉は「呪い」、「復讐」、「愛」、「恋」があります。
クロユリと名前がつけられた山野草ですが、よく見ると花の色は漆黒ではなく紫色に近い色をしています。本州型よりも、北海道型のクロユリのほうが栽培がしやすいといわれています。夏の暑さが苦手なので、気温が高くなりがちな地域で栽培する場合は、温度管理と水やりに気をつけてあげるとよいでしょう。夏越しさせうまくいくと、毎年花を咲かせ愉しむことができますので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょう。
※トップ画像はヒッキーさん@GreenSnap
GreenSnap編集部