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アツモリソウ(敦盛草)は単子葉類ラン科の山野草です。大きな紫色した唇弁が、平敦盛が武士が七つ道具を入れるために用いた母衣のようだということから、この名前がついたといわれています。見た目が美しいアツモリソウは、環境庁が発表しているレッドリストに載る絶滅の危機に瀕している植物の一つでもあります。今回は、そんなアツモリソウの育て方、増やし方をみていきましょう。
アツモリソウが自生している環境は、低山や亜高山と呼ばれる場所です。そのため、アツモリソウは涼しい環境を好みます。
地植え、鉢植えどちらでも可能ですが、寒さに強い代わりに耐暑性がありません。夏場に高温になりやすい地域で栽培を考えているならば、鉢植えで環境を管理してあげながら栽培します。鉢は発泡スチロールでつくられたものを使うのが良いでしょう。
アツモリソウmp花が咲くまでの成長期の間は、水やりはとても大切です。特に夏場の水切れには注意して、たっぷりと水を与えてあげます。
アツモリソウへは、液体肥料を与えましょう。蘭むけの液体肥料が市販されていますので、それを春先と秋に与えます。
アツモリソウを育てるときは、クリプトモスと呼ばれる水の管理がしやすい土がおすすめです。これは杉と檜の樹皮から作られた土で、水はけ、通気性にきをつけないといけないアツモリソウのような山野草にぴったりです。
アツモリソウが自生している環境は、山野の涼しい風通しの良い場所ですので、地中の温度が高くなりすぎると株が腐ってしまいます。それを抑えるのにもクリプトモスはおすすめの培養土です。園芸店に行くと、蘭むけの用土が販売されています。
アツモリソウの植え付けですが、ヤシの木から作られたコンポストである「ベラボン」とクリプトモスを混ぜた用土を準備します。植え付け時期は、春か秋が適期です。10cmほどの深さの穴をつくり、根を傷つけないように広げて植え付けます。
アツモリソウの植え替えは、2年ごとを目安にして行います。植え替えのタイミングは3回あり、「花後」「春の新芽前」「秋頃」です。その中でも最もおすすめな時期は、11月の秋頃です。
鉢もしくは庭から取り出したアツモリソウは、株についた土を洗い流します。植え替える時に、古くて枯れていたり、腐ったりしている根を見つけたら取り除きます。植え替えのときの注意点は、根が乾かないようにすることです。
アツモリソウの増やし方は「株分け」が一般的です。株分けを行うのに良い時期は、花が終わった頃です。
アツモリソウの手入れですが、育てる環境場所によって異なります。耐寒性のある山野草のため、寒い地域で育ちやすいやすい性質があります。暑い地域で育てるときは、地中の温度管理に注意が必要となります。遮光、風通し、そして適した用土に注意してあげるのが大切です。
アツモリソウは耐暑性がないために、鉢植えの環境が暖かくなりすぎたり、地植えでも水はけが悪い用土だと軟腐病にかかりやすくなります。これは地中で根が腐っていく病気です。
防ぐためにも、水はけのよい用土で育てることはもちろん、通風、遮光に気を配ることです。また、環境が悪いとハダニも出やすくなるので、殺虫剤を塗布します。
アツモリソウの花は、4月上旬から6月下旬にかけて開花します。花の大きさは7cmほどのサイズになるため、豪華で鑑賞向きです。
アツモリソウの花言葉は、「移り気」「気まぐれ」などの愛情が変化しやすいことを意味する言葉と、「君を忘れない」という意味があります。
移り気な気持ちや愛情という意味の花言葉から考えると、「君を忘れない」という花言葉は、ロマンチックな響きを持っていると感じます。しかしながら、別れる時の謳い文句のようにも聞こえます。
ラン科のなかでも花がひときわ大きく美しいアツモリソウには、「レブンアツモリソウ」「ホテイアツモリソウ」「キバナアツモリソウ」「クマガイソウ」「コアツモリソウ」と異なる品種があります。
花は豪華で美しいですが、栽培が難しくガーデニング上級者向けの植物です。ぜひ諦めずに何度かチャレンジして、ぜひアツモリソウを育ててみてくださいね。
※トップ画像は楓さん@GreenSnap
GreenSnap編集部