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変わった花の形が特徴的なイカリソウ。中国名、淫羊藿(いんようかく)といい、滋養強壮効果のある生薬として有名な植物です。日本では、観賞用の品種が多く、花の形が船のイカリに似ていることからイカリソウの名が付いたといわれています。日本各地で自生する品種もあり、寒さ、暑さにも強く、育てやすい山野草の仲間です。今回は、そんなイカリソウの育て方をご紹介します。
イカリソウは、春と秋には日当たりがよく、夏は強い日差しを避けた明るい場所が適しています。
この条件を満たす場所は、落葉樹の下です。落葉樹は、冬~春の間は葉がないので、よく日が当たります。春から徐々に葉が増え、夏は葉が生い茂り、明るい日陰になります。秋になると葉が落ち、再び日当たりが良くなるのです。
そのため、地植えするなら落葉樹の下が最適です。鉢植えの場合は、季節ごと移動させましょう。
イカリソウは乾燥に強い植物です。そのため、地植えの場合は、基本的には自然の降雨のみで十分で、水やりの必要はありません。降雨がない日が続き、乾燥しているときだけ水やりしてください。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、たっぷり水やりをしましょう。
イカリソウへは、春(4月~5月頃)と秋(9月~10月頃)に緩効性の化成肥料を施します。それと同時に、春~秋の間は月1回のペースで、薄めた液体肥料を施しましょう。
イカリソウを育てるときは、水はけのよい土が適しています。赤玉土と軽石を同比率にし、赤玉土、軽石の半分くらいの腐葉土を混ぜた用土を用いましょう。市販されている山野草の土を使うのもおすすめです。
イカリソウは、5月下旬~7月上旬に植え付けます。赤玉土に軽石、腐葉土を混ぜた用土を用い、元肥として緩効性の化成肥料を施して植え付けましょう。
イカリソウを鉢植えした場合は、植え替えが必要です。根のまわり具合を確認し、根が鉢にまわっていたら、ワンサイズ大きな鉢に植え替えてください。少なくとも、年に1回は植え替えましょう。植え替え適期は、春か秋の暖かい時期です。
乾燥に弱いため、5月に採取したタネを、すぐに種まきします。
植え替えと同じタイミングで、株分けして増やすことができます。根茎が自然に分岐しているところで分けましょう。
5月にイカリソウの種を採取する際に、放っておくと果実は緑色のまま熟して落ちてしまいます。そのため、果実や種が落ちないように袋をかけておくとよいでしょう。
雪国イカリソウ:上信越地方に分布する大型のイカリソウで、花色は、桃色~赤紫色、鮮やかな赤などがあり、花色が魅力的なものが多いです。
白花梅花:イカリソウ特有の花の形ではなく、梅の花のような小さな白い花を咲かせるのが特徴の品種です。
紫小町:梅花イカリソウ系の交雑種で、濃い紫色の小さな花が魅力の品種です。
夕映:花は大きめで、色は濃い赤紫色の見栄えのよい品種です。
エピメディウム・レプトリズム:中国原産の品種で、桃色の大きな花を咲かせます。
イカリソウがかかりやすい病気は特にありません。
イカリソウは、害虫も少ないですが、アブラムシには注意しましょう。アブラムシは、葉裏に寄生し、汁液を吸い、植物の生育を妨げたり、病気を媒介することもあります。また、繁殖力が旺盛なので、早めに見つけ取り除きましょう。数が多い場合は、殺虫剤を散布して駆除します。
イカリソウは、開花時期の4〜5月になると、船のイカリのような変わった形の花を咲かせます。花色には、ピンクや白のほか、赤紫や黄色などがあります。
イカリソウは、昔から滋養強壮の生薬として用いられてきました。また、抗ウィルス・抗菌作用などの効果があるともいわれています。
イカリソウの育て方をご紹介しました。イカリソウは滋養強壮の生薬として有名ですが、船のイカリのような変わった形の花を咲かせるため、観賞用として人気があります。寒さ、暑さにも強く丈夫で育てやすいので、初心者でも気軽にチャレンジできるでしょう。
あなたもイカリソウを育て、イカリソウの変わった花を生で見てみませんか?
※トップ画像はまるちゃんさん@GreenSnap
GreenSnap編集部