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マンデビラ(デプラデニア)は、メキシコ~アルゼンチンの熱帯原産で、キョウチクトウ科のつる性植物。夏に咲く、直径8㎝ほどの赤・ピンク・白などの派手な花が特徴です。
以前はデプラデニア属に分類されていたので、デプラデニアの名で出回っていましたが、今はマンデビラと呼ばれることが多くなりました。ジャイアントデプラ、チリソケイの別名もあります。また、サントリーフラワーズが開発した品種「サンパラソル」が有名で、この商標名で認知している人も多いでしょう。
今回は、マンデビラの育て方のポイントと種類、花言葉をご紹介します。暑い夏でも元気に花を咲かせる貴重な植物で、トレリスに絡ませたり、グリーンカーテンにしたりと、さまざまな仕立て方で楽しめます。ぜひ、マンデビラで夏のお庭を彩ってみてください。
太陽の光を好む植物です。半日以上日光が当たる、風通しのよい戸外で育ててあげてください。日光が不足すると花が少なくなったり、生育不良で葉が黄色くなることもあるので注意してください。
熱帯植物のため耐暑性はありますが、寒さには弱いです。冬越しには5℃以上必要なので、冬場は室内管理がおすすめ。庭植えで育てることもできますが、越冬させることを考えると鉢植えのほうが便利ですね。
過湿を嫌い、水はけのよい環境を好むので、庭植えにする場合は周囲より少し高い場所に植え付けるとよいでしょう。
土の表面が乾いてから、たっぷりと水をやります。マンデビラは乾燥気味の環境を好む植物です。過湿になると根腐れを起こして枯れることがあるので、水の与えすぎには注意しましょう。
そうはいっても、真夏でひどく乾燥している時の水切れには気を付けてあげます。
庭植えで育てるなら、水やりはほとんど必要ありません。
植え付け時に元肥として緩効性肥料を施します。生育期間中は肥料を切らさないようにしましょう。月2~3回液体肥料か、月1回固形肥料を追肥として与えてください。
マンデビラは窒素を好む植物です。窒素が多めの肥料が適しています。花が終わった秋以降は追肥をストップさせましょう。
水はけ・水もちのよい土が適しています。赤玉土小粒7:腐葉土3とします。
病気に強い植物ですが、アブラムシやカイガラムシ・ハダニ・ヨトウムシなど害虫の被害に気を付けてあげてください。アブラムシは新芽に発生しやすいので、発見したら手で取り除くか薬剤散布で予防・駆除しましょう。
植え付け・植え替えは4月から5月に行います。鉢植えで栽培する場合、6号以上の大鉢に植え付けてください。つるが伸びるので、あんどん仕立てやフェンスに這わせるように仕立てると良いでしょう。
冬越しした株は、4月から5月に新しい用土に植え替えます。根がよく伸びる植物なので、小さな鉢で育てる場合は1年に1回は大きな鉢に植え替えましょう。
マンデビラの苗は、3月から8月または11月に流通します。さまざまな品種があるので、お気に入りの株を見つけてくださいね。葉の緑色が濃く、徒長していない健康な株を選ぶようにしましょう。
マンデビラは挿し芽で増やせます。7月から9月が適期です。2~3節ほど茎を切り取り挿し穂にし、清潔な挿し木専用用土に挿します。マンデビラは、茎の切り口から白い乳液が出るので、これをしっかりと洗い流すのを忘れずに。
発根したら鉢上げします。茎が伸びてきたら摘芯し、脇芽を増やして大きくしましょう。
摘芯すると脇芽が増え、花数も多くなります。ただし、日光や肥料が不足していると摘芯の効果が発揮されない場合があるので注意してください。
冬越しには5℃以上必要です。寒い地域では、10月下旬ごろより室内で管理するようにしましょう。室内で管理する間も、日当たりの良い場所に置いてくださいね。
花が咲き終わったら、霜が降りる前に3分の1ほど株を切り戻します。寒くなると落葉しますが、春になると新芽が出てきます。冬の間の水やりは控えめにし、乾燥気味に管理します。
多くの品種が出回っているマンデビラ。花の大きさやつるの伸び具合など、それぞれ個性がありますよ。
主に栽培されているのは、マンデビラ・ボリビエンシス種やマンデビラ・サンデリ種、その他の交雑種です。ここでは、メジャーな品種をいくつかご紹介していきます。
気になる品種があったら、ぜひ苗の出回る春~夏にチェックしてみてください。
サントリーフラワーズが展開する品種。「サンパラソル」は商標名です。
花付きがよく、早くから花を楽しめるのが特徴の初心者向け品種となっています。コンパクトにまとまります。
カラーも豊富で、赤系のスカーレット、クリムゾン、ピンク系のルージュ、ミルキーピンク、白系のクリアホワイト、黄色系のアプリコットがラインナップされています。
つるの生長が旺盛で、トレリスなどでさまざまな仕立て方ができるのが魅力の品種です。まずつるが伸び、後から花が咲きます。
花姿は、丸みがあって優しい印象です。
花径が10㎝~11㎝と大輪の品種です。次々と咲く、大きく豪華な花は迫力があります。
花も葉も大きいので、グリーンカーテンとしても楽しむことができます。
多く出回っている大輪の品種です。華やかで大きな花は、時間が経つとピンクから赤へと色が濃く変化していくのが特徴です。
コスタリカやブラジルに分布している、純白の花が美しい品種です。花の中心部は黄色なのが特徴。マンデビラの中ではつるが伸びない品種なので、コンパクトに仕立てたい人におすすめです。
ブラジルに分布するマンデビラです。濃いピンク色と中心部の黄色のコントラストが美しい花を咲かせます。寒さに強く花期が長いのが特徴。古くから出回っていた品種で、小鉢仕立てが向いていますよ。
つるの伸びが旺盛です。大輪の花は、薄ピンクから白に色が変化します。暑さに強い品種となっています。
5月から9月ごろ、赤・ピンク・白などの大きな花を咲かせるマンデビラ。開花期間が長いのが特徴です。
マンデビラの花言葉は「情熱」「固い友情」「危険な恋」。熱帯の花らしい花言葉が並びますが、「固い友情」はつるが互いにしっかりと絡みつきながら伸びていく性質にちなんでいます。
白い花を咲かせるマンデビラ・ボリビエンシス(サマードレス)の花言葉は「歓喜」「繊細」となっています。
旧属名である「デプロデニア」の由来は、ラテン語の「diplos(二重)」と「aden(線)」です。子房の上に2つの線があるため、こう名付けられました。
一方、「マンデビラ」は、ブエノスアイレスに駐在していたイギリス公使の名前「マンデビル」にちなんでいます。
夏の花として人気のマンデビラ。うまく冬越しさせれば、毎年豪華な花を楽しむことができますよ。
マンデビラは、熱帯植物らしいトロピカルな雰囲気が暑い夏にぴったり。水のやりすぎと日光不足には注意して、マンデビラの栽培を楽しんでくださいね。
※トップ画像は雷神さん@GreenSnap
GreenSnap編集部