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ヒメウツギは日本の関東より西に広く分布するアジサイ科の低木です。梅雨頃に白くて美しい花を咲かせることから、古くから花材や庭木、観葉植物として親しまれてきた植物です。そんなヒメウツギの育て方をご説明します。
ヒメウツギは日光を好む植物です。元々日本に分布している植物なので、日光が当たりすぎることで弱ることはありません。背丈が60センチ程度とそれほど高い植物では無いため、地面を覆うグラウンドカバーとして活用することができます。
一方、ヒメウツギは日光不足にもある程度耐えることができます。1日に数時間日光に当てることができるのであれば、あまり日光に当たらない場所であっても育てることができます。
ただし日光の量が不足するため、室内で育てるのは避けたほうが無難です。
基本的に丈夫な植物であるため、どのような場所でも元気に成長することができます。ただし、冬から春にかけて出回っている株に関しては、温室で育てられたものである可能性があります。
そのような株をいきなり屋外に出すと、温室との温度差が大きすぎるために弱ってしまう場合があります。
冬から春に購入した株を屋外で育てるときは、昼間だけ室外に出して日光に当て、日が傾くと室内に入れるのを数日繰り返し、室外に置く時間を徐々に伸ばすことによって温度に慣らす作業を1週間程度行って、温度に慣れさせましょう。
ヒメウツギは水を好む植物です。鉢植えの場合は土が乾ききらないように普段から気をつける必要があります。庭植えの場合は土の中にある程度水分が蓄えられているため、基本的に自然に降る雨だけで水分を賄うことができます。
ただし乾燥に弱い植物であるため、土が極端に乾燥しやすい真夏などは注意が必要で、もし土が完全に乾燥している場合は水をたっぷりと与える必要があります。
冬場に関しては、夏場ほど水分を必要としません。鉢植えの場合は、完全に土が乾ききる少し前のタイミングで水をしっかりと与えます。庭植えの場合は、雨が当たる場所に植えている場合は基本的に水やりは不要です。
ヒメウツギは自然界ではどんな場所にでも分布する植物であるので、特に肥料を与えなくても育ちます。ただし栄養分が少なすぎると花の数が減ってしまうため、花をきれいに咲かせたい場合は肥料を与えましょう。
肥料は、それほど栄養価が高いものは必要とせず、緩やかに作用する有機肥料などで十分です。肥料を与える時期としては、春と秋が最適で、少し根本の土を掘り返して、肥料を混ぜ込みます。
鉢植えの場合は置き肥で十分です。
ヒメウツギは、それほど用土も選びません。
ヒメウツギは野原や山の中はもちろんのこと、河川や海岸付近、さらには火山付近や石灰岩質で普通の植物はあまり育たないような場所にも分布しています。
このため、庭植えの場合には、事前に少し土を耕しておいて、その際に腐葉土などの栄養分を混ぜ込む程度で十分です。
鉢植えの場合も特に用土を選びませんが、おすすめは赤玉土:腐葉土:ピートモスを7:2:1の割合で混ぜた土です。
植え替えや植え付けの時期としては、冬から春にかけてがおすすめです。
植え付ける前に、植え付ける予定の場所に穴を掘ってその中に肥料を加えてよくなじませ、1から2週間放置し、その後同様にコップ1杯程度の石灰を加えてよくなじませ、さらに1週間ほど放置してから植え付けるのがおすすめです。
種に関しては10月頃に実が熟すので、実ごとよく乾燥させた後に密閉して冷蔵庫にしまい、4月頃に冷蔵庫から取り出して植え付けると、発芽する確率が上がります。
ヒメウツギは種で増やすこともできますが、一般的には株分けや挿し木で増やす方法が簡単で成長も早いです。
株分けの方法としては、落葉した冬頃を見計らって、根が出ている枝を選んで剪定とし、新しい場所に植えます。
挿し木に関しては春から初夏にかけてが最適で、枝を10センチ程度剪定した後に発根剤などを塗って土に挿します。
病気としては、春から夏の温度が上がる時期にうどんこ病が発生しやすいです。うどんこ病は粉状の細かいカビが葉に生える病気です。
ヒメウツギの葉が密集するなど、湿度が高い状態が続くと発生する確率が上がるので、ある程度選定を行って葉が混み合いすぎないように管理し、風通しを良くすることが予防に効果的です。
同様に気温が上がるとさび病も発生しやすくなります。さび病は菌が葉に入り込むことによっておこる病気で、さび病にかかった葉は鉄サビのようなくすんだ色に変色します。
さび病ご原因になる菌は繁殖力が強く、冬の寒さにも耐えるため、さび病を発見した場合は葉ごと切り取って病気が拡大しないようにする必要があります。
害虫としては、アブラムシが発生しやすいです。特にアブラムシは新芽を好むため、放置すると生育に影響します。アブラムシを発見した場合には、殺虫剤などを用いて早めに駆除する必要があります。
日本に自然に分布する植物だけあって、基本的に気にしなくても大丈夫です。
夏の暑さで弱ることはありません。同様に寒さにも強く、冬場の温度管理に関しても特別な措置は必要ないので、年中室外に置いて問題ありません。
したがって温度管理よりも日当たりや水分など、他の条件を優先して育てた方が良いでしょう。
白く控えめな花を咲かせるヒメウツギの育て方を紹介してきました。ヒメウツギは昔から愛されてきた、園芸植物としてはとても歴史のある庭木です。
みなさんも多くの日本人に愛された庭木を育てることによって、日本古来の風情や情緒を庭先で愉しんでみてはいかがでしょうか。
GreenSnap編集部