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オオデマリ(大手毬)は日本原産の花で、名前の通り、コデマリよりも花が大きいので華やかです。花は一白が多いですが、中にはピンクやロサケのように薄いピンク色をしているものや満開になると白から濃いピンクに変わるヤマデマリ・ピンクビューティなどもあります。今回は、そんなオオデマリの育て方をご説明します。
オオデマリの栽培に適している場所は、日当たりがよく、水はけはいいが適度に湿気があるところです。乾燥に弱いので、夏の日照りや西日は避けられる場所がいいでしょう。寒さにも弱いので、寒い時期は株元にわらや腐葉土を置くといいでしょう。
また、オオデマリは枝が横に広がり、その太い枝から細い枝が広がってきます。細い枝にはたくさんの花が咲くので、広い場所が必要です。すると、枝を張り広がった枝から花芽がたくさんでてきます。
そのため、オオデマリは鉢植えよりも地植えに適する花といえます。
オオデマリは地植えで根がついたら、その後は自然の雨水のみで生育できます。ただし、真夏の乾燥する時期は、水をたっぷりと与えましょう。葉が落ちたあとの時期にも水を与えることで、新芽がでて花がつきやすくなります。
オオデマリは特に肥料を施さなくても大丈夫です。肥料を与えるならば、5月下旬〜6月の花が終わった時期に、きれいに咲かせてくれたご褒美としてお礼肥を与えましょう。
また、葉が落ちたあとの11〜12月にも寒肥を与えます。肥料は、ゆっくりと効き、効果が持続する緩効性肥料か、固形の油かすのような肥料が適しています。
オオデマリを育てる土には、腐葉土や堆肥などの腐植質が適しています。土に穴を掘り、2割から3割ほど腐葉土や堆肥を混ぜておくと、オオデマリが育ちやすい環境になり、花もつきやすくなります。かなり乾燥してやせた土地でなければ、どんな土でも育ちやすい花です。
水持ちを良くするために、2月ごろに株元に腐葉土や堆肥をすきこむと、木が育ちやすい良質の環境に変わります。
オオデマリの植え付けに適した時期は、3~4月の暖かいころです。寒い時期以外はいつでも植え付けができるので、落葉する時期の11~12月でも構いません。
根鉢より大きめに穴を掘り、乾燥しないように腐葉土や堆肥を多めにすきこみます。そこへ根鉢を置き、土をかぶせます。苗が不安定なら支柱を当てて根がつくまで安定させます。
オオデマリは根が張ってくるので、鉢植えには適しません。地植えで植え替える場合は、植え付けと同じ方法で植え替えます。
オオデマリの花が咲いたあとに実がならないため、「種まき」ではなく「挿し木」や「取り木」で増やします。
オオデマリの挿し木は、3~6月の時期が適しています。その年に伸びた枝を10~15cmほど切って、下半分の葉を残します。挿し木の切り口を水に30分~1時間ほどつけて、水揚げします。小粒の赤玉用土などの挿し木用の土に、挿し木をさして水やりを与えます。根がしっかりと伸びてきたら地植えにします。
オオデマリは根がよく伸びるので、直接地面に挿す「路地挿し」にしてもつきます。あらかじめ、土に堆肥や腐葉土などの良質な用土を混ぜておき、水揚げした挿し穂を挿すだけです。あとは水の管理をきちっとすれば根付いてきます。
取り木の場合は、増やしたい枝の樹皮を数センチはぎとります。そこへ、湿った水苔をまいて、水苔をポリ袋で覆ってから上と下をひもでくくります。水苔がいつも湿った状態になるように水やりをします。根が出てきたら、その下で切り取り地植えにします。
オオデマリは剪定せずに育てるほうが、花がたくさんつきます。ただ、あまり株が増えすぎると風通しが悪くなるため、花が終わった5~6月ごろに混みあった株の古い枝を剪定しておくと良いでしょう。強剪定を行うと、花芽ができにくく芽吹きが遅くなります。
花芽は、伸びすぎた枝にはつかず短い枝につくので、短い枝は剪定しません。枝を切るのは、枝の付け根部分か枝分かれしている部分から切ります。その際に、花芽と葉芽を間違えないようにしましょう。
オオデマリの樹形を横に広くしたいならば、枝の途中で切り戻しますが、大きくならないようにするには株元で剪定します。
うどんこ病は、白いカビがうどんこのように葉につく病気です。風通しが悪いことが原因なので、剪定して風通しを良くすることが大切です。
また、褐斑病は、褐色の斑状のものが葉につきます。病気にかかったら、早めに殺菌剤をまきましょう。
アブラムシは、冬以外に発生し枝や幹について栄養を吸い取ります。大量発生すると、排泄物がすす病の原因になるので早めに駆除します。
サンゴジュハムシは、春の新芽の頃に出てきて葉の裏について葉を食い荒らします。成虫になると、さらに葉を食い荒らすので幼虫のうちに駆除しましょう。
ハマキムシとは蛾の幼虫が葉をまいてさなぎになる虫すべてをさし、その幼虫は新芽や葉を食い荒らします。それらの害虫には、幼虫の時期にアセビ液や殺虫剤をまくと効果があります。成虫になると、殺虫剤の散布が難しく、直接に捕るしかありません。
オオデマリは開花時期の5〜6月頃になると、手毬のような丸い花がたくさん集まって咲きます。コデマリよりも花は大きめで、開花時期も少し遅めという特徴があります。
オオデマリの花色は白がほとんどですが、品種によってはピンク色をしているものもあります。
オオデマリの花言葉には、「約束」、「誓約」、「天国」、「品格」、「私は誓います」、「優雅なたしなみ」、「約束を守って」、「華やかな恋」といった意味があります。
オオデマリは、10cmくらいの丸くてかわいい花が枝にたくさんつきます。日本の風土に合っていて、暖かい地方では自生しています。場所があれば、自然に伸ばした方が多くの花がつき、庭を豪華にします。花をかごや花器に活けるなら、部屋が明るく彩りがきれいです。オオデマリは、あまり世話がいらない花なので、庭の低木としておすすめです。
※トップ画像はchacoさん@GreenSnap
GreenSnap編集部