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ライラックは人気の高い花の一つです。房状になった花はライラックの最大の魅力です。また、ライラックは寒さにも強いので寒冷地に住んでいる人にもおすすめでしょう。
そんなライラックはどうやって育てたら良いのでしょうか。育てる際の注意点などはあるのでしょうか。ここではこうした重要ポイントについて解説していきます。
ライラックはモクセイ科ハシドイ属のヨーロッパ原産の落葉高木です。開花時期は4〜5月ごろで、ピンクや白、赤、紫色の芳香のある花を咲かせます。花弁の枚数は基本は4枚ですが5枚のライラックも存在します。
ライラックの花はいい香りから生花もとしても人気が高いです。
ライラックの苗を選ぶ際は、虫がついていないか、苗や花色、花の形などに問題がないかを確認して苗を選ぶとよいでしょう。
ライラックはの植え付け時期は11〜3月ごろで、寒冷地では春か秋に植え付けるとよいです。植え付けたあとに、台木になっている木がかなり枝を伸ばすことがあるので、この場合には枝を付け根からカットします。
ライラックは日当たりが良いところで育てましょう。日にしっかり当てることによって、花付きがよくなります。ただし、夏場は日差しが強すぎるので、半日陰に移動させます。
ライラックは品種によっては鉢で育てることができるものもありますが、背丈が軽く3メートルを超える大きな品種もあります。やはり大きな品種は庭土に植えるようにすると良いでしょう。
また、ライラックは耐寒性が高いです。このため、北海道などの極寒地を除いて寒さ対策は不要です。逆にライラックは暑さに弱いので夏場の直射日光には当てないようにしましょう。
ライラックを地植えしている場合、夏以外の季節は水やりの必要はありません。夏にカラカラに乾いているならば、水を与える程度で大丈夫です。
一方、ライラックを鉢植えしている場合には、表土が乾いたら水をやります。
ライラックはあまり肥料を必要としませんが、冬に寒肥する必要性があります。冬になったら肥料を与えておけばそれで十分です。
ライラックを庭に植える場合、用土がやせ細っているようであれば肥料を用いても良いでしょう。
ライラックを育てるときは、水はけが良い用土を用います。
鉢植えの場合には赤玉土と腐葉土を混ぜて用土にします。庭植えの場合、庭土に腐葉土を混ぜるだけでも十分です。それくらいライラックはあまり土質を選びません。
ライラックで注意する病気は、うどんこ病にかかると葉がうどんこがかかったみたいに白くなります。、うどんこ病は梅雨前及び秋先に発生しやすいです。また、カイガラムシなどの虫の排泄物が原因で生じることで、すす病も発症する可能性があります。どちらも感染が早いので注意しましょう。
注意する害虫は、アブラムシはライラックを植えて間もない頃に発生しやすいです。風通しが悪いとカイガラムシが発生することがあります。カイガラムシは、成虫になると殺虫剤も効きにくくなるので早めに駆除しましょう。成虫になったらブラシなどで強引に擦り落とします。
また、テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)が、幹の内部を食い荒らしていきます。幹に穴が空いていたりしたらテッポウムシが内部に住み着いている可能性があります。テッポウムシは薬剤を撒いて対処します。
ライラックの植え替え時期は10〜3月が適しています。ライラックは成長がかなり早い園芸植物です。そのため、2〜3年に1回程度植え替えをして根詰まりを防ぐ必要性があります。
ライラックの増やし方は、「挿し木」、「接ぎ木」、「種まき」、「取り木」、「株分け」など、さまざまあります。
ライラックの元気な枝を10数センチほど切り取って、挿し木にします。この際、枝に数枚程度葉っぱがついているものを選びます。これを水に浸したのちに、用土に挿し込みます。用土は赤玉土などを用います。
植え付けたら乾かないようにしっかり水やりしておきましょう。挿し木は春に行うのがおすすめです。
接ぎ木とは、簡単にいえばほかの植物にライラックの枝を差し込んで育てる方法です。ライラックの場合、基本的にはイボタノキを台木にします。イボタノキは病気などにも強く生命力が強いので台木にうってつけです。接ぎ木は3月頃に行うとよいでしょう。
まず台木を用意します。台木用のイボタノキを購入するほか、イボタの木を切り落として用意します。これに切り込みを入れてその切れ込みにライラックの枝を挿しこみます。挿しこんだらテープで巻いて補強しておきます。あとは台木を土に植えて、おしまいです。
ライラックの種が手に入ったら種まきしても増やせます。植えるまえに水に一晩浸しておくと、発芽しやすくなります。あとはポットなどにまいていきます。
撒いたら土を多少かぶせて日陰で管理します。芽が出て成長してきたら新しい鉢に植え付けます。種まきは大量に増やしやすいものの、花が咲くまでに大変時間がかかります。
取り木は春に行います。枝の表皮を数センチほどはぎとったら水苔をまきつけます。少し経つと根が出てくるのでこれを切り離して植え付けましょう。ライラックは取り木のほうが増やしやすいです。
4月もしくは10月ごろに行います。接ぎ木などになれていない場合には株分けで増やしてみてください。まず、ライラックを掘り起こしたら根についた土を取り除きます。その後、株を分けて、用土に植え付けていきます。
最も簡単で成功しやすいので、初心者には株分けがおすすめです。
ライラックの剪定は6月頃に行います。剪定をして不要な葉を切り取るなどし、樹形を整えましょう。
また、初冬に剪定をして枯れた葉を落とすのもおすすめです。とはいえ、あまりにも剪定すると成長に影響を与えるので控えめにしておきます。
一般的にライラックは暑さに弱い植物ですが、品種改良によって暑さに強い品種もつくられてきています。住んでいる地域に適した品種を、選んでみてください。
また、ライラックの大きさも品種によって様変わりします。高く育つもの、低く生い茂るものなどいろいろあるので用途によって使い分けましょう。
有名な品種の一つです。庭植えに向いています。樹高は1mほどになります。このライラックは寒さに強いだけでなく暑さにも耐性があります。比較的育てやすい品種の一つです。
フランスで開発された品種です。サイズは大きいものだと4mほどにもなります。花は白色で八重咲きします。香りも豊かな品種です。とにかく大きいライラックが欲しいならばこのマダムレモイネで決まりでしょう。
ピンク色の花を咲かせます。大きさは3メートルほどです。サイズ的に多きので庭に植えると良いでしょう。
紫色の花を咲かせます。背は高めです。
ヒメライラックと似た品種です。大きさは1.5メートルほど。花はピンク色ですが、蕾は紫です。
ライラックの名前は、フランス語のリラ(lilas)にちなんでいます。これはサンスクリット語のニラ(nila)が由来という説が有力です。日本語ではライラックは紫丁香花(ムラサキハシドイ)や花丁香花(ハナハシドイ)とも呼ばれます。
ほかにも、ライラックはシリンガとも呼ばれます。これはギリシア語のsyrinx(パイプの意味)にちなみます。かつてギリシャでは羊飼いがライラックを用いた笛を吹いていたためです。
ライラックは寒さに強くて育てやすく、香りのいい花を長く楽しめるので人気の花木のひとつです。ライラックはいろいろな方法で増やせることも特徴。ライラックを鉢植えで育てる際は、ヒメライラックがおすすめですよ。
※トップ画像はモズRさん@GreenSnap
GreenSnap編集部