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ユスラウメ(梅桃)は、梅雨頃になると赤い1cmほどの実が生り、酸味があるジャムに用いられます。ユスラウメの若葉や枝は柔らかい毛でおおわれていて、よく似ているニワウメの葉や枝には毛がありません。原産地は中国北部や朝鮮で江戸時代に日本でも栽培されていました。寒さに強く、比較的育てやすい、1~3mほどの落葉低木です。
そんなユスラウメの育て方をご説明します。
ユスラウメを育てる場所は、日当たりがよく水はけがよい土地が適しています。日当たりが悪いと実がなりにくいので、枝が茂ったり他の木で隠れたりしないように注意が必要です。
寒さに強く初心者でも比較的育てやすい木ですが、湿った場所は適しないので土は乾燥気味の方がいいでしょう。
ユスラウメを地植えする場合は、根がついたら雨水だけで十分です。多湿になると木が弱るので、水のやりすぎには注意しましょう。
ユスラウメを鉢植えする場合は、土が乾燥したら水をたっぷりと与えます。ユスラウメは乾燥気味の方がよく育ちます。湿度が高くなると、病気や害虫の被害にもあいやすいので、注意しましょう。
ユスラウメは、地植えなら乾燥気味の土壌ならどこでも育ち肥料もそれほど必要ではありません。肥料をやる時期は、落葉したころの2~3月に化学肥料や堆肥を与えます。チッソ分が多い肥料は実の付き方を悪くなり枝や葉が茂りため、リン酸やカリが多めの緩効性化学肥料が適しています。
鉢植えは、8月ごろにも化学肥料を施肥します。
ユスラウメの木の地植え栽培には、水はけのよい土地が適しています。腐葉土や堆肥を土に混ぜ込みましょう。鉢植え栽培のときは、鹿沼土か小粒の赤玉土7割ほどに対し、腐葉土を3割ほど混ぜ込みます。川砂を少し混ぜてもいいでしょう。
ふくろみ病はユスラウメ特有の病気で、花が咲いたあとに実がふくらみ、薄緑色のソラマメの鞘のような形になります。その周りがしわになり、白い粉の胞子に覆われて 5月の下旬ごろには黒褐色に変わり小さくなって落ちます。実になることが多いですが、たまに葉が丸くなって発生することがあります。
この病気になると、胞子がほかのところへ飛んでしまうので、ふくろみ病ができたらすぐに取ってから焼却します。病気にかかったら手袋やマスクをして、発芽前に石灰硫黄合剤の10倍に希釈した液を散布します。必ず発芽前に散布しましょう。
ユスラウメはあまり害虫がつくことはありませんが、たまにカイガラムシがつくことがあります。枝や葉に1~3mmほどの白い虫がいたらカイガラムシの可能性があります。カイガラムシは汁を吸って木を弱らせるので、見つけたらすぐにブラシなどでとりましょう。
風通しが悪いと葉の裏にびっしり発生することもあるので、こまめにチェックして早めに駆除することが大事です。成虫になって移動するものは殺虫剤が効きますが、殻が固く効かないものもあるので、枝が茂ってきたら剪定して、風通しをよくしましょう。
実をたくさん採りたいなら、赤実種のユスラウメが適します。花だけを楽しみたいなら、赤でも白でもどちらでもいいでしょう。
ユスラウメの休眠期である2~3月に、日当たりがいい水はけがいい場所に植え付けます。腐葉土や堆肥を混ぜた土に根鉢の倍くらいの大きさに穴を掘り、ウスラウメの苗を入れて土を戻します。水をたっぷりとかけて、根がつくまで水やりをします。
ユスラウメの鉢の植え替えは、植え付けと同じ時期の2~3月に行います。小粒の赤土を7割、腐葉土を3割混ぜて土を水はけをよくします。
そして、根鉢の倍くらいの鉢に土を入れて、根鉢よりひとまわり大きい穴に苗を入れます。苗の根が固まっているなら、ほぐしてから穴に入れます。水をたっぷりと下の皿まで通るようにかけます。
ユスラウメの増やし方は、「種まき」と「挿し木」と「取り木」の3つです。
ユスラウメの種は市販されていないので、6~7月に果実が熟してから採取し、それを洗って種を取り出します。種が乾かないように、湿気があるミズゴケと川砂に入れて冷蔵庫で春まで保存します。
新しい小粒の赤玉土を入れた育苗ポット1つに対し、1つの種を巻きます。乾かないように水やりをし、苗が10~15cmほどの高さに成長したら地植えや鉢に植え替えます。
挿し木の方法は、その年の新しい枝を10~15cmほどにカットし、挿し穂をつくります。
それを1時間ほど水につけて水揚げします。そして、上についている葉を2枚ほど残し下の葉はとります。その後、赤玉土や鹿沼土(市販の挿し木用の土でもよい)に植えて、根が出るまでは水やりをたっぷりとします。根がでにくいので、カットしたところに発根促進剤を塗ってもいいでしょう。
取り木の方法は、4月ごろに株からたくさん出てくるヒコバエを用います。ヒコバエの株元に土を盛り上げます。すると、ヒコバエから根が出るので、それをカットして土に植え付けます。苗の植え付け方法と同じです。
ユスラウメの木はそれほど剪定の必要はありませんが、株が混みあっている場合は10月中旬から3月中旬の落葉期に行います。重なり合っている枝や株が詰まっている枝を間引きして、日当たりや風通しを中までよくします。
剪定せずにそのままにすると、日陰になり枝が枯れてしまいます。ヒコバエや枯れた枝は根元からカットし、伸びすぎた枝は根元から3分のほどのところで切落し、木の形を整えます。
ユスラウメの実の収穫時期は、5月中旬から6月中旬頃です。赤い実の種類は、実がたくさんなります。皮が薄く、熟しやすいので手でつぶさないように収穫しましょう。
すぐにジャムや果実酒などに加工するか、生のまま食べます。鈴なりに酸味がある実がなるので、鑑賞しても収穫しても楽しめます。
ユスラウメは、春の時期(3月中旬から4月上旬)になると、梅のような5枚の花弁を持つ梅のような花を咲かせます。花色は白や薄紅色などあります。
ユスラウメの花言葉は「郷愁」「輝き」「喜び」「ノスタルジー」です。
ユスラウメは4月28日の誕生花で、「郷愁」は遠いところに住む知り合いに送る花言葉にふさわしい言葉です。
ユスラウメ(梅桃)は、風に揺れるさまや梅の花に似ていることから、ユスラウメという名前がつきました。
サクランボのような赤い実や白い実をつけるユスラウメは、日当たりがいい場所であれば庭木や鉢植えでも比較的育てやすい樹木です。ジャムや果実酒などの実を食べられる樹木として昔から親しまれています。初めて実をなる樹木を育てるなら、ユスラウメを植えてみませんか。
※トップ画像は☆*:Yoo:*☆♪さん@GreenSnap
GreenSnap編集部