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日本の九州南部以南から台湾・中国大陸南部におもに生息するソテツは、幹が太く立ち上がり、幹の上に濃い緑色をした羽のような葉っぱを大きく広げています。1枚の葉っぱの大きさは0.5~2mにもなります。
ここでは、そんなソテツの育て方や、種類などについてご紹介したいと思います。
ソテツの育て方のポイントはよく日に当てることです。とくに生育期である5〜9月の間は、直射日光があたるくらい日当たりのいい場所に置くと新芽がよく生えて元気に育ちます。耐寒温度は5度なので、関東以北では鉢植えにして育てましょう。とはいえ、寒さに慣らしながら大株に育てれば、関東の気温でも地植えにして冬越しできます。
ソテツの置き場所は、日当たりと風通しのいい場所です。基本的には屋外がおすすめですが、室内の日当たりのいい南向きの窓際であれば枯れることはないでしょう。
また、ソテツは乾燥に強い一方で過湿には弱いので、鉢植えのソテツは梅雨や台風時期は軒下にしまいましょう。冬は寒冷地なら室内の日当たりのいい場所に移動してください。
なお、ソテツを地植えにするなら大きく育つので家の壁や塀から1〜2m以上離れた、水はけのいい場所に植えましょう。
ソテツを育てるときは、鉢の土が乾いてから水やりをしましょう。このとき、なるべく土だけに水やりして、幹には水をかけないようにするといいです。
冬は土が乾いてから5〜6日経ってから水やりするなど、かなり控えめにしてください。冬は休眠期のため、この時期に水やりをしすぎると根腐れで枯れてしまいます。
地植えにしたソテツには、基本的に水やりの必要はありません。
ソテツに肥料を与える時期は、5〜9月の間です。観葉植物用の緩効性肥料を奇数月に施してあげるといいです。ただし、肥料の製品によっては効果持続期間がより長いものがあるので、その場合は施肥の回数を減らしてください。
ソテツを育てていると、どんどん古い葉が黄色く枯れていきます。そのままにしていると見栄えが悪い上に、新芽も生えにくくなるので、定期的に剪定をしましょう。
ソテツの剪定時期は5〜9月の間で、新芽が生え出した頃を剪定の目安としてください。
剪定方法は簡単で、水平よりも下に垂れ下がったような古い葉を幹の根本からカットするだけです。もしくは元あった古い葉を全て剪定して丸坊主にしても大丈夫です。
ソテツはもともとかなり丈夫で、丸坊主にしても幹のてっぺんにある成長点から新芽がどんどん伸びていきますよ。
鉢植えにしているソテツは、2〜5年に1度の頻度で植え替えをしましょう。大株ほど成長が緩慢になるので、植え替えの頻度を下げても大丈夫です。
ソテツを植え替えする時期は5〜9月の間です。市販されている観葉植物用の土と、通気性のいい素焼き鉢やテラコッタ鉢などを用意しましょう。
ソテツの増やし方には、「株分け」または「実生」などの方法があります。
ソテツを種から育てるのはかなりの時間と手間がかかりますので、ここでは「株分け」による増やし方をご紹介します。
株分け時期は5〜9月頃の温かい時期、もしくはソテツの根元に子株が出ているのを見つけたときがチャンスです。子株がこぶし大ほどの大きさになったら植え替えのときに手で切り離しましょう。
子株に長い根がついていたら、子株の大きさの3倍の長さになるように切って調整しましょう。その後は別の鉢植えして、たっぷりと水をやり、日当たりの良い場所に置いて育てます。
ソテツが枯れる原因には、日照不足・水やりしすぎによる根腐れ・寿命の3つが考えられます。
日照不足になるとソテツ全体がしなしなとハリがなくなっていきます。根腐れが起きると葉が黄色く変色します。また葉の寿命がくるときも同じように変色することがあります。
もし根腐れを起こした場合は、一度掘り上げて腐っている根元を剪定し、葉もすべて切ってしまいましょう。そして、切り口を充分乾かしてから大きめの鉢に植え、日当たりの良い場所で育ててみると、復活する可能性があります。
ソテツには、カイガラムシが付く場合があります。葉っぱが黒くすすけている場合などには、カイガラムシによる可能性が高いです。殺虫剤で駆除しましょう。取り切れない場合は歯ブラシでこすり落としてしまえばOKです。
また近年になって、昔はいなかったクロマダラソテツシジミが国内でも発生するようになり問題化しています。これは、台湾やフィリピンなどの熱帯アジアに生息する蝶なのですが、幼虫がソテツの新芽を食べてしまうのです。
今回は、世界の熱帯地域を中心に生息するソテツの育て方についてご紹介しました。
ソテツは、日当たりが良く風通しの良いところで育てれば、丈夫に育ってくれますので、育てやすい植物だと言えます。これならインテリアにグリーンを取り入れたい初心者の方にもおすすめです。
松原真理子
GreenSnap編集部