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月桂樹は、果実からローレルオイルを搾り取ることができるクスノキ科の植物です。葉を乾燥させることで、ローリエと呼ばれる香辛料にもなります。カレーやシチューのスパイスの一つで、ハーブの一種です。今回は、そんな月桂樹の育て方や増やし方などについてご紹介していきます。
月桂樹は鉢植え、地植えのどちらでも育てることができ、生垣として楽しむこともできれば、収穫用として楽しむことができます。
月桂樹は日当たりの良い場所で育てましょう。少し暗い場所でも育てられるので、やや日陰となる場所でも大丈夫です。ただし、日陰だとやや徒長(間延び)して葉の数が少なくなります。
月桂樹は耐寒性には優れていますが、-8度に近づいてきたら防寒するようにしてください。特に冬場であれば、寒風に当たらないような環境を確保してあげましょう。宮城県辺りまでであれば、地植えで問題ありません。
月桂樹を育てるときは、地植え・鉢植えともに水はけの良い土が適しています。それ以外の土質にはこだわりはありません。
月桂樹を鉢植えで育てるのであれば、自分で土作りにも力を入れてみましょう。用意するものは、小粒か中粒の赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜてください。また、樹皮堆肥を1割加えても良いでしょう。
月桂樹の植え付けは、5月頃にするようにしてください。植え付けあとは、水やりを欠かさず行います。
月桂樹の根付きを早くするためには、植え付ける前に余分となる枝葉を切り除いておくと良いでしょう。これにより、水分の蒸発を防ぐことができます。
月桂樹を地植えにする場合h、根付いたあとであれば水やりは必要なくなります。苗を植え付けてから根付くまでの期間は、水を与えてあげてください。
鉢で植えているときもジャブジャブあげるのではなく、控えて与えると上手く生長してくれます。大体タイミングとしては表土が乾いてきたら水やりを行うようにしてください。
冬の水やりは控えめのほうが、月桂樹が育ちやすくなります。土の表が乾いていると分かったら水をあげましょう。
地植えは根付くまでといいましたが、2年間は水をあげるようにしてください。2年以上になった株には、冬の水やりの作業は不要となります。
月桂樹へは、8〜9月と1〜2月の間に肥料を施す必要があります。月桂樹は冬場に有機質の肥料を寒肥として施します。
夏は油かすと化成肥料を混ぜたものを使いましょう。化成肥料は粒状になっているものを使い、油かすと同じ量を混合させます。どちらも1度ずつ施肥するようにしてください。
地植えの月桂樹に与えるのであれば、片手づかみで2回分にし、株元の周囲に撒いていきましょう。鉢植えの場合は、鉢の大きさを見ながら量を調整して株元に注いでおきます。
鉢植えの月桂樹を植え替えするのであれば、植えている鉢が根づまりを起こしそうなほど多くなっていたらワンランク上のサイズの鉢に植えていきましょう。
植え替えるときのポイントとして、「根」に傷を付けないことです。根を傷つけることで菌が入り感染病や根腐れになる可能性があります。月桂樹は移植を嫌う植物なため、大株になると植え替えしづらくなるので慎重に行いましょう。
できれば同じ場所で長年育てられるところに植えることをおすすめします。
月桂樹の剪定時期は3〜4月頃が最も適期です。剪定をするときは、厳しい寒さの時期だけは必ず避けて行ってください。
月桂樹は横には広がりにくいですが、樹高が高くなるので、樹形を整える剪定は年に1回、刈り込む場合は1,2回行いましょう。
月桂樹は常緑樹であるため、通年葉っぱを収穫することができます。ただし、苗が小さいときには収穫せず、生長させるように栽培してください。
収穫する葉っぱは、若い葉ではなく最低でも半年を経過している葉にしましょう。半年過ぎていれば良いので、昨年や一昨年の葉っぱでも問題はありません。剪定を行ったときに切り落とした枝から、葉を摘み取ってもよいでしょう。
ローリエをつくるのであれば、取った葉っぱを水洗いして表面に付着した汚れをきれいに取り除きます。ざるなどの乾燥させやすい容器に移して乾かします。乾燥したら空き瓶な度に入れて保管しておけばいつでも使うことができます。
月桂樹は挿し木で増やすことができます。初心者の方でも簡単に行うことができますよ。
挿し木は6月〜8月を適期とします。その年に伸長した枝を切っていきます。虫が付いていない元気な枝を、10cm〜15cmにカットしていきましょう。切り取った枝は1時間程度水に挿しておきます。
鉢に小粒サイズの赤玉土を入れて、水につけていた枝を土に挿します。乾かさないようにしながら日陰で育てるようにしましょう。根が出てきたら小さめの鉢やポットに移して育てていきましょう。
月桂樹はハーブの一種ですが、よく害虫がつく植物でもあります。月桂樹には、カイガラムシ・ハマキムシ・テッポウムシが発生することが非常に多いです。
カイガラムシは葉っぱに付くと樹液を吸って株自体を弱くさせます。また、カイガラムシの排泄物が蓄積されると「すす病」というカビの病気を誘発させるので厄介な虫なのです。
すす病は黒いすすのようなカビを葉っぱや枝に付いてしまいます。5〜7月にかけて発生するので幼虫の間に始末しておきましょう。始末には殺虫剤などを撒いておくと効果的です。
成虫になっていると殻のような硬いもので覆われて取れにくくなってしまいます。木べらやブラシでこそぎ取って駆除しておきましょう。幼虫の多く減少させることが可能です。
品種改良により、葉っぱの色などが異なるものがあるのでいくつか紹介していきます。
黄色い葉が特徴的な品種です。日当たりが悪いと綺麗に発色しないことがあるので気をつけましょう。
葉にクリーム色の斑が入っている品種で、斑の入り方は様々です。
ウィロウリーフベイとも呼ばれる葉が細い品種です。葉の大きさは一般の月桂樹と比べ2/3の大きさです。
月桂樹は、春になるとポンポンのような黄色い花を咲かせます。薄い黄色の花も咲かせるので、鑑賞にも適しています。
香辛料としてよく使用されるローリエの元である、月桂樹の育て方についてご紹介しました。
月桂樹は勝利者を讃える際に使われる植物です。耐寒性も耐暑性もあるので、育てやすく、料理にも活用できる植物です。苗木から栽培してみたり、挿し木で枝を増やすのに挑戦してみてはいかがでしょうか。
七尾びび
GreenSnap編集部