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食中毒事件にも利用されるトリカブトの葉っぱとよく似ているニリンソウは、非常に小さく可愛らしい花を咲かせます。ニリンソウの根を漢方薬に使用されたり、新しく出て来た芽は料理にも利用されています。
山菜の一種であるニリンソウの育て方をご紹介します。
ニリンソウはあまり強い日差しには勝てません。葉焼けを起こす可能性もあるので、直射日光は避けるのが良いでしょう。春や秋の穏やかな日差しであれば、葉が焼けることはありませんので心配ありません。
夏の期間は、半日陰になるような場所で管理するようにしてください。一方日陰耐性はあるので、一年中半日陰での管理でも構いません。
耐寒性に優れているニリンソウですが、土が凍ると枯れる原因になりますので注意しましょう。
庭でニリンソウを地植えしている場合、腐葉土を上からかぶせて防寒するようにしてください。鉢植えで育てているのであれば、室内に取り込んでしまいましょう。
特に夏は湿気が多くなる時期で、ニリンソウにとっては苦手な季節です。風通しのよい環境であれば夏も越しやすくなります。腐葉土を多めに混ぜ込んで水のはけ具合を良くしておきましょう。
ニリンソウは乾燥に弱いため、若干湿っている程度の環境にしてあげると快適です。ただし、湿らせすぎても根腐れになるのでご注意ください。
ニリンソウの冬の水やりは控えめにしますが、乾燥しすぎても弱ってしまいます。土が乾いたらたっぷりと水分をあげるようにしてください。
春ごろに花を咲かせるニリンソウは、花が咲き終わったときに油かすを、1割か2割程度混ぜて与えましょう。
油かすは、肥料の三大要素である窒素とリン酸とカリウムを取り入れている、有機質の環境に優しい肥料です。原料には、菜の花や米ぬか、ごま油などの植物を使用し、植物の種や花にある油を絞り出して残った部分も利用しています。
油かすは特に窒素分が多いので、葉っぱや茎を増やしたいときに用いられます。そのほかにも、芽を出してから花後までに1週間に1度のペースで、液体肥料を施すのも良いでしょう。
ニリンソウの栽培には、一般的には赤玉土を7割で腐葉土を3割にして配合します。
涼しい地域では、赤玉土を3割にして腐葉土を7割にしてつくります。寒冷地になるほど腐葉土の量を増やすようにしてください。
また、排水性と通気性が良い土を使うようにしましょう。もしくは山野草用の土を使うのも良いでしょう。
ニリンソウの植え付け、植え替え時期は、ともに秋の9月〜10月が適期です。
鉢から丁寧に取り出して、根についた古くなった土を50%ほど取り除いて、一回り大きい鉢に新しい用土を入れて植えていきます。鉢から取り出したときに、根を傷めつけないように移し替えましょう。
ニリンソウは、花が咲いたあとに種子をつけます。種子を採っておいて、のちに蒔けば新たに芽が出てきます。5月の終わりになると、手で種子を触ってもほぐれるぐらいになりますので、そのころに収穫し、種まきを行いましょう。
ただし、種まきを行っても発芽するのは翌年の春で、最も早い開花でも4年か5年の年月を要します。種から育てるとかなりの時間がかかることになります。
ニリンソウは、植え替えのときに「株分け」をして増やすことができます。
株分けは、親の株(今育てている株)から根・茎などをいくつかに分離させて新たに株をつくる方法です。株分けをすることで、老いてしまったニリンソウの株に若さを取り戻させるためにも有効的です。
用意するものは、植え替えのときと同じで、一回り大きいサイズの鉢や容器・スコップ・新しい用土・鉢底ネット・軽石・棒・はさみまたはナイフです。
植えていた鉢から取り出して、古土を半分程度取り除きます。取り除く際は、根を傷つけないように注意しましょう。細かく分けるのではなく、塊で分けるように手でほぐすようにしておくといいです。
「種まき」でも増やすことができますが、長い日数を要するため、ニリンソウを簡単に増やしたいのであれば「株分け」を行うのがおすすめです。
ニリンソウには特にかかりやすい病気はありませんが、根腐れに弱いので注意してください。
根腐れを放置すると、幹部分も腐って枯れてしまいます。早めの段階で腐っている根の部分を切り落とし、新鮮な用土に移し替えましょう。
また、ニリンソウはアオムシやなめくじ、アブラムシなどの害虫被害に遭う可能性もあります。
アブラムシは専用の薬剤を散布すると効果的でしょう。
なめくじは、春と秋によく発生する虫です。なめくじがついていると、新芽や葉っぱを食べて生長不良を起こさせてしまいます。湿気の多い場所を好みますので、鉢下や葉の裏側を夜の時間帯にチェックしてみましょう。
なめくじ専用の薬剤もありますし、農薬を使いたくないという方は熱湯をかけてみてもいいでしょう。塩と同じ効果を発揮するので、土壌にも安全なやり方となっています。
アオムシに食べられてしまった葉っぱは、光合成をする力が衰え、株自体の生長も停止してしまいます。被害に遭わないためにも、幼虫の時点で殺虫剤をを散布して駆除しましょう。
ニリンソウを育てるときは、直射日光の当たる場所での管理は避けましょう。15度〜25度が快適に過ごせる気温です。
ニリンソウは寒さに強いわけでも弱いわけでもありませんので、雪が積もる地域ではよく生長するとはいえないでしょう。ガーデニング
ニリンソウの花言葉は「ずっと離れない」・「友情」・「協力」です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回は、ニリンソウの育て方についてご紹介しました。
そんなニリンソウは、草丈が20cm〜25cmと低いので「グランドカバー」としても利用される機会が多いです。グランドカバーにすれば、庭先などガーデニングをするときに、地面を覆って隠すことができたりします。
ニリンソウが食べられる山菜ということで、山に出かけた際は、探してみるのも良いかもしれません。ただし、山菜採取に詳しい方を必ずお連れして採りに行きましょう。トリカブトと間違えて、食べては大変です。
育てるのも日本で自生しているぐらいですから、栽培しにくいということはないですので、挑戦してみてもいいかも。食事に出すときは、和物やおひたしなどにして美味しく頂きましょう。
※トップ画像はPhoto by shigeさん@GreenSnap
GreenSnap編集部