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マンデビラは、原産地が中南アメリカで約100種が分布していると言われているつる性の植物のことです。キョウチクトウ科のチリソケイ属(マンデビラ属)に分類されています。つるがよく伸びるので、支柱やフェンス仕立てで育てるのが向いています。
そんなマンデビラの育て方を説明します。
マンデビラは元々が熱帯性の植物であるため、日光が好きな性質を持っています。お日様の光が良く当たるような場所で育ててあげましょう。
半日以上でも日光が当たらない場所で育ててしまうと、醍醐味でもある綺麗な大きな花が咲かなくなってしまうので注意してください。
マンデビラの生育期というのは、春〜秋頃です。この時期には、戸外の日当たりが良い場所を選んで育ててあげましょう。これは鉢植えでも、庭に地植えする場合でも同じです。
マンデビラを鉢植えではなく、庭に地植えして育てる場合には、水はけが良い場所であることが重要となります。周りよりも少し高くした場所などに植え付けるようにすることが、ポイントとなりますのでぜひ覚えておくようにして下さい。
マンデビラは耐暑性はありますが、耐寒性は低いため、気温が10℃を下回ってしまうと生育が悪くなってしまいます。朝晩に冷え込んでくる11月頃には、室内へ移動させ、窓辺などの日当たりが確保できる場所に置いて育ててあげると良いです。
ただし、冬場でも15℃以上の気温があって、かつ日当たりも良い環境では、花が咲くということも稀にあります。
マンデビラは乾燥には比較的強い性質を持っていますが、逆に過湿の環境には弱いため、夏場であっても水やりのし過ぎには注意しましょう。
水やりの目安としては、土が乾いて白っぽい色になってきたらタイミングです。
また、マンデビラというのは、根よりも葉っぱの部分からの蒸散が多いのが特徴です。それゆえ、土への水やりの回数は減らし、霧吹きを使って葉の表や裏面に水をかけてあげる「葉水」という作業が大切となります。
ただし夏の時期以外では、この葉水は特には必要ありません。
マンデビラの冬の水やりは、控えめに行うようにします。冬場でもつるは生長するのですが、水やりをし過ぎると腐る原因となるので、乾燥気味を意識するように注意します。
土が乾いていてさらに数日経ってからの水やりで大丈夫です。目安としては1ヵ月に1回程度となります。
マンデビラの生育期である春〜秋頃には、肥料が必要となります。植え付けを行ったあとに、週に1回程度を目安として肥料を施してあげるようにします。肥料は液体肥料を使うといいでしょう。
また、マンデビラは培養土の中に元々含まれている肥料だけでは、生育途中で肥料切れを起こしやすくなります。葉の部分に黒い点が出てきたら、肥料不足の可能性があります。肥料が不足すると、花が咲かなくなってしまう原因となるので気をつけて下さい。
またマンデビラというのは、普通の植物とは違った性質があり、窒素分が多い肥料が向いています。そのため、窒素分が多い肥料をあげるようにします。
マンデビラを育てるときは、水はけに優れた土を用いましょう。
市販の土のみでは少し水はけが悪いため、バーミキュライトなどを混ぜ込んで水はけが良くなるように改良してから使うようにします。
自分でつくる場合には、「赤玉土の小粒7:腐葉土3」の割合で配合してつくった土がおすすめです。
マンデビラは根っこが非常によく張ってくる性質があり、生育も旺盛です。小さなサイズの鉢の中ではかなり窮屈になりますので、1年に1回は植え替えが必要となります。
植え替え時期の適期は4〜5月頃です。新芽が伸びて、気温が10℃〜15℃くらで安定して確保できるようになったタイミングで行うといいでしょう。
古い土を軽めに落とし、一回り大きなサイズの鉢の中に、新しい用土を使って植え替えます。マンデビラは、植え替えをすると根っこが鉢の中に回るまではつるが生育しない特徴があるので、つるの生育が遅いからといってあまり心配する必要はありません。
買ってきた苗から植え付ける場合には、芽の先端部分は摘んで、わき芽を出させるようにするのがポイントです。
マンデビラは庭に植え付けることもできるのですが、8℃〜10℃以上の気温がないと枯れる原因となるので、地植えよりも鉢植えで管理する方が安全でしょう。特に、長期間にわたって育てたいという方には、鉢植えをおすすめします。
鉢植えする場合には、苗よりも一回りサイズの大きな鉢の中に植え付けをします。地植えの場合には、苗よりも1回り程度大きな穴を掘って植え付けます。どちらであっても古い土は軽く落とすようにします。
マンデビラは「挿し木」で増やすことができます。ただし活着率に関してはあまり良くはありません。挿し木を行う適期は、5〜9月頃の気温が15℃以上ある時期となります。
茎の頂点から葉が4枚程度あるところで丁寧にカットします。葉からの蒸散を抑える目的で、大きな葉の半分程度まで切り取ります。切り口から出てくる乳液はよく水で洗います。
このあとで、植物成長調整剤のルートンを薄くまぶしても良いでしょう。その後、赤玉土もしくは川砂の中に挿します。バーミキュライトを使ってもOKです。
約20日前後くらいで根が出てき始めますので、そのあとは鉢に植え替えて育ててあげるようにします。
ただし、マンデビラは品種登録がされているものが多くあります。個人で楽しむ範囲では大丈夫ですが、営利目的で増やすことに関しては禁止されていますのでくれぐれも気をつけて下さい。
マンデビラというのは、元々病気には強い性質を持っています。しかし害虫に関しては、ハダニ、アブラムシ、ヨトウムシ、コナジラミなどが付いてしまうことがあります。
特に花が咲く時期(春〜秋頃)には、2回程度を目安として薬剤の散布を行って対策するようにしましょう。薬剤散布の1回の分量ですが、葉っぱから垂れてくるくらいまで十分にかけてあげるようにします。
マンデビラを越冬させる場合は、だいたい5℃くらいの気温が必要となります。気温が10℃を下回ると生育が悪くなってしまいます。
霜が降りる前には、地上部分を20〜30cm程度残してから、切り戻し作業を行って室内で管理するようにしましょう。
気温が低くなってくると葉っぱが落ちてしまいますが、また翌年暖かい春頃には、新しい芽が出てきます。11月頃の冷え込んでくる頃には、室内に移動させて日当たりが良い窓辺に置いて管理してあげるようにしましょう。
また、土の中には肥料が残っていない方が良いため、9月以降には液体肥料を与えるのはストップするようにしましょう。
マンデビラには、いくつかの種類が知られています。
まず「マンデビラ・サンデリ」「マンデラ・ボリビエンシス(サマードレス)」「ホワイト・デライト」「アマビリス(ローズ・ジャイアント)」「サンパラソルシリーズ」です。
花の色やその大きさ、葉の形などがそれぞれ違っています。この中でも、サンパラソルシリーズというのは、日本の会社が開発した園芸品種となっており、
トロピカルカラーやピンクや深紅色などの花色が豊富にあることでも有名で、よく普及して日本ではこの名前でも広く認知されるようになりました。「サンパラソル・トロピカル・ピーチ」などがあります。
マンデビラの花は、種類によって違っていますが、一般的にはピンク色の花が有名です。それ以外にも、白色や赤色などもあります。
マンデビラの花の開花時期は、春〜秋にかけての5〜10月頃となっています。
花のサイズに関しては種類によっても少し違っていますが、10cm前後ほどでラッパ型をしているのが特徴です。また花の先端部分は大きく開いて5枚の花びらとなっています。
マンデビラの花言葉には、「情熱」「危険な恋」「固い友情」があります。
今回は、つるが長く伸びて、美しい花の時期も長期間楽しめるマンデビラの育て方についてご紹介してきました。
寒さには気をつけてあげて、日当たりと風通しの良い場所で管理すれば、病気にも強く丈夫なため、元気に育てることができます。
根が張りやすいので植え替えは忘れずに行ってあげて下さい。つる性の特徴を生かして、支柱やフェンスなどに上手に絡ませて育てるのがおすすめです。
冬越しさせたい場合には、9月以降には液体肥料はストップして、冷え込んでくる11月頃からは戸外から室内へ移動させるのも忘れないようにして下さい。
※トップ画像はPhoto by かーさんさん@GreenSnap
GreenSnap編集部