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カタバミはカタバミ科カタバミ属の多年草の植物のひとつで「オキザリス」と呼ばれることもあります。雑草のような繁殖力があり、日本全国に分布しているため、珍しくない植物です。今回はカタバミの育て方と、扱い方の注意点についてみていきます。
カタバミを育てるまえに、注意してほしいことがあります。世界にひろがる350種類ほどのカタバミのうち、日本古来のカタバミは6種ほどです。確認されているだけで外来種のカタバミは7種ほどあるといわれています。
なかでもキキョウカタバミ(ムラサキカタバミ)は、『外来生物法』という法律に基づき、「要注意外来生物」に指定されています。
「要注意外来生物」とは、飼育や栽培が規制される特定外来生物には指定されていないものの、日本の生態系に影響を及ぼしている、として”適切な取り扱い”が求められるものです。
そのほかオオキバナカタバミ(キイロハナカタバミ)も、「総合対策外来種」に指定されています。
「総合対策外来種」とは、外来種のうち国内に定着が確認されていて、かつ生態系に被害を及ぼしている(おそれがある)ためにこれ以上の繁殖や定着を防ぐ(防除、遺棄など)総合的な対策が必要とされるものです。
育てようとするカタバミが自分の庭だけではなく周囲、ひいては日本の生態系や環境に良くない影響を与える品種でないか、事前にじゅうぶん確認する必要があるでしょう。
カタバミは日当りのよい場所を好みます。一定以上の気温を好む植物のため、低すぎる気温ではうまく育たないでしょう。品種によっては耐寒性の高いものもあるので、秋から冬にかけてもカタバミの花を楽しみたい場合は、耐寒性のある品種がおすすめです。
カタバミは繁殖力の強い植物です。地植えすると思わぬ速さと強さで生長し、他の園芸植物などに影響を与えるかもしれません。カタバミで庭が埋まっても構わない、という状況でなければ「鉢植え」にしておきましょう。
カタバミは水はけのよい土で育ててあげましょう。繁殖力が強いといわれるカタバミでも美しい花を楽しもうとおもうなら、環境を整えてあげる必要があります。
また、カタバミの根は細いため、鉢植えする場合はじゅうぶんに根を伸ばせるよう、腐葉土を3割ほど混ぜた培養土を用意しましょう。
カタバミを植え付けたあとの1ヶ月は、根が成長する時期になるので、たっぷり水を与えましょう。水やりのタイミングはカタバミを植えた表面の土が白く乾いてからです。
晴れた日にはたっぷりを水やりをしますが、雨が降っている日にわざわざ水やりをする必要はありません。
カタバミは、逆に肥料を与えすぎると花のつきが悪くなります。そのため、肥料の与えすぎには注意しましょう。
カタバミにとっての適量の肥料とは芽が出たあとに化成肥料を土の上に置き肥することと、葉が青々と茂って緑色をしている間は、2週間に1回、液肥を与えることです。
カタバミには秋植えと春植えの品種があります。品種によって8月から9月に植えて10月以降に花を楽しめるものや、3月から4月にかけて植えて初夏以降に花を楽しめるものです。
カタバミを球根で植える場合は、球根の形によって植え方が変わります。ラグビーボールのような楕円形や、ごぼうの切れ端のような形をしたカタバミの球根を植えるときには、土の表面から1cmほど穴を掘り、球根を横にした状態で植えましょう。
たまねぎのような形やしずくの形をした球根を植える場合は、細いほうが上です。やや深めに土に穴を開け、土の表面からだいたい2cmくらいの深さに球根を植えます。
カタバミは繁殖力が強いため、鉢植えした場合2年から3年に一度、植え替えが必要になります。
根を傷めないように優しく掘り起こし、古い土をよく落としてからこれまでより一回り大きい鉢に、新しい培養土を入れて植え替えましょう。
きれいにカタバミを育てたいなら、花の時期のこまめな剪定が必要になります。品種ごとに異なりますが、剪定のタイミングは花が咲いている時期。葉が重なりすぎて風通しが悪くなっている部分や、伸びすぎた茎をていねいに剪定バサミで刈り取ります。
繁殖力が強いカタバミは、意識して増やそうとしなくても、自身のもつ生命力によって自然と増えていきます。これはカタバミの種子の特性によるものです。
カタバミの種子は筒状の袋のようなものに入っていて、種が熟すとその袋が破れて種が弾け飛びます。種が弾けるのを待っていると思い通りの場所にカタバミを増やすことはできません。
カタバミの増え方をコントロールするなら、種が弾けるまえに袋ごと摘み取りましょう。
病害虫にも強いといわれるカタバミでも、環境によっては虫がつくこともあります。とくに風通しが悪くなるとアブラムシが付くので、注意が必要です。カタバミにアブラムシがついているのを見つけたら薬剤を散布して対応しましょう。
明るいビビットな色の花を咲かせるカタバミの花言葉は、明るい言葉であふれています。「輝く心」「ハレルヤ」「喜び」などです。カタバミの花言葉を借りておもいを伝えるなら、丁寧に育てた鉢植えがベスト。きっと喜ばれるでしょう。
カタバミはもともと自生していた植物、ということ、繁殖力が強い植物であることなど、園芸初心者にとっては育てやすい植物といえます。庭を花で埋め尽くしたい人にも、キレイな鉢植えを楽しみたい人にも向いていますよ。
ただし、強く根が張るため、抜くだけではすぐに再生してしまいます。カタバミが増えすぎてしまって困った…という場合には、除草剤で駆除するようにしましょう。早めに駆除しておくことで、綺麗なお庭が維持できますよ。
ぜひカタバミをご家庭で育ててみてくださいね。
GreenSnap編集部