セッコクは東アジアを原産とする、ラン科セッコク属の多年草です。
豊北地方以南の比較的涼しい山地や森林の樹木に生息する着生ランの代表種として知られています。江戸時代には、まだら模様の葉が特徴の班入り植物「長生蘭」として認知されて以降、現代でもインテリアプランツとして根強い人気を誇る植物です。
今回はセッコクの育て方についてご紹介します。
セッコクの育て方:栽培する場所
セッコクはラン科の他植物と比べて比較的風通しと日当たりのよい環境を好みます。
新芽が固まる春〜夏には遮光ネットや寒冷紗で40〜60%程度遮光をしつつ、秋〜翌年の新芽が固まる春にかけてはしっかり日に当てることが大切です。セッコクは着生ランである以上強風には弱いため、風の避けられる場所や麻ひもで着生先の植物や石に縛りつけて固定するなどの対策を取りましょう。
セッコクの育て方:水やり
セッコクは自生地では自然の降雨のみで生き抜けるほど乾燥に強い性質をもちます。生育期である春には表土が乾いたらたっぷりと水やりをし、休眠期前の秋〜冬には表土を軽く湿らせる程度の水やりに留めましょう。
いずれの季節も、水やり毎に表土の乾燥している期間を2〜3日設けることがポイントです。
セッコクの育て方:用土
セッコクは通気性と水はけのよい土を好みます。洋ラン用培養土や硬質鹿沼土など、土中の水分が比較的早く抜ける土質を選択しましょう。水苔に植える形でも問題ありません。
セッコクの育て方:肥料・追肥
セッコクは新芽が形成される春と花芽の充実する秋に肥料をあたえます。
規定量の3〜5倍に薄めた液肥を2週間に1回施してください。
セッコクの育て方:植え付け・植え替え
セッコクの植え付け・植え替え適期は春の芽出し前3〜4月です。土質や水苔の劣化をふまえ、1〜2年に1回の植え替えをおすすめします。
セッコクを土に植え付ける
- 植え付け2〜3日前から水やりを控え、土を乾燥させる
- 株より一回り大きな鉢を用意する
- 鉢底ネットを敷いた鉢に、鉢底石を入れる
- 容器の1/3〜2/3の高さまで用土を入れる
- 株を根を広げるようなイメージで植え付ける
- 根の上部がやや表土から露出する位置に土の高さを調節する
- 水やりをして株をしっかり土着させる
セッコクの水苔への固定や石付け方法
- 鉢の2/3ほどの長さの割り箸や木片を束ねてワイヤーで巻き、苔玉の芯をつくる
- 芯に水苔を巻いて苔玉を作る
- 苗の根を広げて、苔玉や他植物、石の上にかぶせる
- 根の周りに水苔を巻き、根全体を水苔で覆う
- 苗を鉢に入れて、周囲に水苔を足してしっかり固定する
セッコクの育て方:増やし方
セッコクは株分けや挿し木や高芽とり、矢ふせで増やせます。
株分け(3〜4月)
掘り出した株をナイフや手で2〜3つに割いて、植え付けと同じ手順で植えます。細かく割きすぎた株は生育不良に陥る可能性があるので注意しましょう。
高芽とり(花後の5〜6月)
花芽が成長しきれずに花が咲かなかった節を根元から外し、軽く水を含ませた水苔に包んで育てます。
矢ふせ
節から分岐した短い茎を切り取り、湿らせた水苔に横たえて高芽を発生させる方法です。ごろ石を敷いた浅鉢に湿らせた水苔を敷き詰め、花芽のない茎を並べます。水苔を常に湿らせた状態を保ち、発根を促しましょう。
セッコクの育て方:注意する病気や害虫
セッコクはハダニやカイガラムシの被害を受けやすい植物です。ハダニやカイガラムシは枝や葉裏に寄生して栄養を吸い取ることで、株の生育を阻害してしまいます。被害が拡大する前に殺虫剤を吹き付けるか、歯ブラシで擦り落とすなど駆除しましょう。
セッコクの育て方:どんな花を咲かせる?
セッコクは5〜6月にかけて、茎先の花茎から2〜3輪の花を咲かせる植物です。
大きいもので15cm以上にもなる唇形の大輪を複数つけるため、実に見応えのある姿となっています。
セッコクの花言葉
セッコクの花言葉は、『私を元気づける』です。
凛として咲く白〜薄桃色の花々からは、花言葉の通り元気をもらえそうです。
セッコクの育て方を覚えよう
セッコクは着生ランであるため、少々日頃の管理に気を遣わなければならない植物です。植え付けをはじめ栽培方法は多岐に渡るため、お好みの方法で栽培にチャレンジしてみると面白いですよ。
この記事を書いた人
GreenSnap編集部
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