池に浮かぶじゅんさいは、全国各地で育てられている野菜のひとつです。人間との関わりも深く、その時代に生きる人々の生活を支えてきました。
今回はじゅんさいについて、花や葉の特徴、野菜としての栄養から体に嬉しい効能までご紹介します。
じゅんさいとは?日本人と切っても切り離せない関係?
じゅんさいは東アジアを原産とする、スイレン科ジュンサイ属の多年草です。
全国各地の沼地や池に広く分布しており、水深1〜3mにわたって根茎を這わせます。
万葉集にて夏の季語「沼縄(ぬなわ)』と詠われているように、千年以上前には既にじゅんさいの収穫風景が夏の風物詩とされています。さらに江戸時代に刊行された日本最古の農業書「農業全書」を通じてじゅんさいの名が全国に広がると、吸い物や酢物として楽しまれ、名実ともに歴史ある野菜となりました。
じゅんさいの花や葉の特徴
じゅんさいは初夏から夏にかけて、水面に上に伸びた花茎から暗紅色の花を咲かせる草花です。花径1.5cmと小さいながらも美しく輪生した花からは気品すら感じます。花後には水没して結実するのも面白い点です。
楕円形をしたじゅんさいの葉は地上部だけでなく、水面下にもひとまわり小さいサイズのものが存在しています。葉裏をはじめ、じゅんさいの各部位は外的要因から身体を守る粘液で覆われていることも特徴のひとつです。
じゅんさいは天然の健康食品?栄養や効能とは?
じゅんさいは『食べるエメラルド』と呼ばれることもあり、食べると身体の中を宝石のように若々しくし保つ効果が期待できる食材です。とくに血液凝固の働きをもつビタミンKを多く含んでおり、カルシウムの骨への沈着を助けます。血中コレステロール値の改善や腸内環境を整えてくれる水溶性食物繊維が豊富なため、身体の調子がなんとなく悪い時に口にしたい野菜ですね。
じゅんさいの簡単な収穫・下処理方法
- 水面下にある根茎を整理しつつ、若い芽や新芽のついた茎を探す
- 芽の根元を親指の爪で切り取って収穫する
- じゅんさいを水に入ったボウルにいれて軽く洗う(ぬめりが落ちすぎないように気をつける)
- 沸騰したお湯に入れて30〜60秒下茹でする
- 下茹でしたじゅんさいを調理するか、パックにいれて冷凍保存する
じゅんさいの代表的なレシピとは?
じゅんさいのなかでもポピュラーな、酢の物のレシピをご紹介します。
- 下茹でしたじゅんさいを氷水にひたす
- 予め冷やしておいただし汁『かつおだし(大さじ2杯)+お酢(大さじ1杯)+醤油(小さじ1杯)+みりん(小さじ1杯)』を器に入れる
- じゅんさいを盛り付けて完成
じゅんさいは人間との関わりが深い野菜
じゅんさいは日本人と関係の濃い野菜です。あの先人たちも栄養豊富できれいな清流の恵みを受けたじゅんさいを収穫し、食べていたかもしれないと考えると歴史の深みを感じますね。
この記事を書いた人
GreenSnap編集部
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