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兵庫県神戸市の六甲山上にある「六甲高山植物園」は、絶滅危惧種をはじめとしたさまざまな希少な植物を、野生に近い状態で楽しむことができる人気の植物園です。ここでは、そんな六甲高山植物園内で季節ごとに見られるおすすめの植物を、写真付きで詳しくご紹介していきます。
海抜865mの六甲山頂付近に位置する六甲高山植物園では、北海道南部に相当する冷涼な気候を利用し、世界の高山植物や寒冷地植物、六甲山自生植物やその他山野草など、約1,500種を栽培しています。
50,000㎡ほどある園内には、高山植物を収集したロックガーデンや渓流沿いの湿地、ブナの木陰など、それぞれの植物を環境にあわせて野生に近い状態で植栽しています。
六甲高山植物園では、四季を通してさまざまな高山植物や花木を見ることができます。
また、園を訪れる時期や時間帯、天候によって、霧が出ていたり、雪が降っていたり、夕日に染まっていたりと、植物のさまざまな表情を楽しむことができるのも魅力となっています。
ここでは季節ごとにわけて、園内で見られるおすすめの植物たちをご紹介していきます!
まだ肌寒さ残る早春の季節には、バイカオウレンやフクジュソウ、セツブンソウ、ザゼンソウ、ヘレボルス・チベタヌス、コバイモの仲間などを見ることができます。
雪が積もった日にしか見られない雪化粧の表情は、六甲高山植物園が冷涼な土地にあるからこそ見られるものなのかもしれませんね。
春には、カタクリやキクザキイチゲ、ミズバショウ、オオヤマザクラ、アカヤシオ、シラネアオイ、サンカヨウ、チングルマ、ユキモチソウ、ロードデンドロン・アルボレウム(ヒマラヤのシャクナゲ)などを見ることができます。
サンカヨウの花びらは、普段は白色をしていますが、雨に濡れると透明になるのだとか!雨の日にしか見られない、不思議な表情です。
チングルマは北海道本州の湿性を代表する高山植物ですが、六甲高山植物園でも200株ほど栽培しています。
ユキモチソウは、絶滅危惧ll類に指定されているとても希少な植物で、六甲高山植物園の中でも人気が高いものの一つだそう。丸いお餅がのっているかのように見える、かわいらしい姿が印象的です。
初夏には、珍しいヒマラヤの青いケシやコマクサ、エーデルワイス、クリンソウ、ゲンチアナ・アコーリス(アルプスのリンドウ)、アリマウマノスズクサ、シチダンカほかアジサイ各種、ササユリなどを見ることができます。
青いケシは、ヒマラヤの奥地にしか咲かないという幻の花です。屋外で咲くたくさんの青いケシを見ることができるのは、西日本では六甲高山植物園だけなのだとか!
日本の高山植物の女王ともいわれるコマクサ。高山地帯でしかみることのできない貴重な花です。
エーデルワイスは、歌でも有名な花ですよね。その有名さとは裏腹に、人がなかなか近づけないような岩の裂け目などに自生することから、花の姿を知っている人は少ないかもしれません。
ゲンチアナ・アコーリスは、ヨーロッパアルプス三名花の1つです。園内には約60株が植栽されていますが、晴れた日にしか花は咲かないので見られたらラッキー!
シチダンカは江戸時代にシーボルトの「日本植物誌」にて紹介されたものの、それ以後一度も発見されず、本当に存在するのか疑問視されていた幻のアジサイ(ヤマアジサイ)です。その後、1959年に六甲山にて偶然発見されたそうですよ。
本格的な夏になると、日本固有種のヤマユリやニッコウキスゲ、キレンゲショウマ、レンゲショウマ、ヒゴタイ、ユウスゲ、カノコユリなどの植物を見ることができます。
ユリの女王ともいわれるヤマユリは、日本固有種です。
ニッコウキスゲは、関西より西側の地域には自生していない高山植物です。六甲高山植物園では約2,000株が植栽されていて、見頃の季節には美しい黄色の絨毯のような景色を楽しむことができます。
レンゲショウマはキンポウゲ科の多年草で、1属1種という日本の固有種です。絶滅危惧種にも指定されている、これまたとても希少な花です。
秋になると、キイジョウロウホトトギスやアケボノソウ、リンドウ、ヤマトリカブト、シクラメン・ヘデリフォリウム、紅葉風景などを楽しむこともできます。
キイジョウロウホトトギスは、和歌山県紀伊半島南部にのみ自生します。こちらも絶滅危惧Ⅱ類に分類される希少な植物で、その美しさから「山里の貴婦人」とも呼ばれています。
シクラメン・ヘデリフォリウムは、園芸でもお馴染みのシクラメンの原種です。六甲高山植物園では、約500株の原種の群落を楽しむことができます。
また、珍しいチングルマなどの高山植物の紅葉も見ることができますよ。
早春には、小さな花を探しながら散策してみてください。園内の至るところに、春の訪れを見つける楽しみがありますよ。まだ雪の降る日もあるそうですが、雪化粧をした花々の姿もなかなか珍しく、それもまたとても美しいものです。
春にはカタクリやキクザキイチゲのお花畑をぜひ見ていってください!また、草木の芽吹きを観察するのも楽しいですよ。
初夏には、ロックガーデンでたくさんの高山植物が咲き誇ります。クリンソウの群落や新緑の樹林区もおすすめです。
また、六甲高山植物園は神戸の市街地よりも約5度気温が低いため、夏の避暑にぴったり!開園当時からある大きなブナの木陰は、真夏でも30℃を超えることがめったにないので、ぜひ涼みに来てみてくださいね。
秋には、カエデ類やツツジ類のほか、シロモジやコアジサイ、カラマツなどが色づき、赤~黄の錦絵のような景色を楽しめます。
この期間の夜間は、特別に美しいライトアップも開催しています。とても幻想的で人気のイベントなのでぜひ!
六甲高山植物園では、無料の「花のガイド」を毎日開催しています。園の解説員さんが植物の生態や名前の由来などを解説してくれながら、見頃の植物を見てまわることができるツアーです。所要時間は約30分で、予約や申し込みは不要。
誰でもいつでも気軽に参加できるそうなので、高山植物についてもっと詳しく知りたい!という方は、ぜひ参加してみてください。
※開花状況や天候、新型コロナウイルスの影響により、開催日程や時間など、予期せず変更する場合もございます。
冷涼な地だからこそ見られる珍しい高山植物たちを、ぜひ皆さんも実際に足を運んで見てみてくださいね♪
※画像提供:六甲高山植物園
GreenSnap編集部