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多肉植物はもともと乾燥地帯に分布している植物なので、水をあまり必要としない種類も多いです。でもそんな多肉植物だからこそ、たまに与える水やりのタイミングや頻度は大切。
ここでは、種類ごとの多肉植物の水やり頻度や正しい水やり方法などについてご紹介します。
多肉植物の水やりは控えめにするのが基本中の基本です。
そもそも多肉植物のほとんどは乾燥地帯や高山地帯に自生しており、過酷な環境を生き抜くために、葉に水を溜めたぷっくりとした姿になりました。
つまり、一般的な草花や観葉植物に比べてより乾燥を好む性質があるので、水やりは控えめにして育てるのが基本なのです。
また、毎日ルーティーンのように水やりをするのではなく、季節に合わせた水やり頻度で管理しましょう。
多肉植物の水やり頻度は「生育期は多めに、休眠期は控えめか断水」ということを念頭に置いておきましょう。
多肉植物はどの季節に生育期を迎えるかによって「春秋型」「夏型」「冬型」の3タイプの生育型に分けられます。
とくに人気のエケベリアやセダム、グラプトペタルムなどの多肉植物は春秋型です。アガベなどの葉が固めで力強い多肉植物は夏型、丸く石のような形をしたコノフィツムなどは冬型です。
それぞれの生育型の多肉植物の水やり頻度は、下記を目安にしてみてください。
春秋型 | 夏型 | 冬型 | |
春 | 2〜3日に1回 | 2〜3日に1回 | 10日に1回 |
夏 | 10日に1回 | 2〜3日に1回 | 断水 |
秋 | 2〜3日に1回 | 2〜3日に1回 | 10日に1回 |
冬 | 月に1回、もしくは断水 | 月に1回、もしくは断水 | 5日に1回 |
また、季節の変わり目は、急に水やり頻度を増減するのではなく、徐々に水やり回数を増やしたり減らして、水やりの回数が山なりに変化していくようにしてください。
自分が育てている多肉植物の生育型がわからないという方は、こちらの記事で確認してみてくださいね。
先述した水やり頻度はあくまで目安であり、多肉植物に水やりをするときは、植物の状態をみて判断することが大切です。多肉植物の水やりサインを見極めて、適切なタイミングで水やりをしましょう。
多肉植物の水やりは、葉がしわしわ・くったりとになった頃が一つのサインです。
多肉植物は雨が少ない砂漠地帯など乾燥地に多く生息していることから、植物自体が水分をため込み、生き延びられるように進化したと考えられています。
そのため、多肉植物の葉にしわが寄っているということは、植物の内部から乾いてきているということになります。
もうひとつの水やり目安に、土が乾いてから数日後に水やりをする方法があります。数日後がどのくらいかは季節によって変えます。
この方法で水やりするときは、たとえば竹串を土に挿しといて、土が乾いたかなというときに引き抜いて、竹串が8割がた乾燥しているなら内部の土も乾燥しているということになります。
そのほか、表土に鹿沼土を使うと、土が濡れているときは色が濃くなり、乾くと色が白くなるのでわかりやすいですよ。
また、市販の水分計を土に挿しておいて、水やりの目安にするのも簡単でおすすめです。
多肉植物への水やりは、鉢の底穴から流れ出るまでたっぷり与えてください。土が乾ききるまでしっかり乾かす、与えるときはたっぷり与える、とメリハリをつけることを心掛けるとうまく育てられます。
鉢の中にまんべんなく水がいきわたるようにたっぷりと水やりし、鉢底から水がぽたぽたと出るまで与えます。こうすることで、土の中まで水が染みわたるだけでなく、土中の酸素も入れ替えることができ、根が順調に伸びやすくなりますよ。
なお、多肉植物に水やりをするときは、葉には水をかけないようにしましょう。しっかり株元の土に水差しなどを使って水やりする方法がおすすめです。
葉に水がかかって、長時間葉の間に水が溜まったままだと、そこから腐ったり過湿状態によって病害虫が発生する可能性が高まります。日差しが強ければ、虫眼鏡状態で葉焼けが起きることもあるのです。
そのため、葉の間の水が入り込んでしまった場合は、とくに夏場はスポイトエアーなどで吹き飛ばすか、ティッシュでこよりをつくって染み込ませて取り除いたほうがいいです。
多肉植物へ水やりをする時間帯は、夕方から夜にかけてがおすすめです。
多肉植物は昼間は蒸散を防ぐために気孔を閉じて、夕方から夜にかけて気孔を開いて呼吸を始めるため、夕方以降に水やりするそうすることで、体内にたくさんの水分をたくわえるのです。
連日続いた熱帯夜が急におさまるような涼しい夜や、1日の中でも特に凉しい夕方〜夜にかけてが、多肉植物の水やりにおすすめのタイミングです。
とはいえ、乾燥地帯で生きている多肉植物なので、水のやりすぎに注意してください。
多肉植物に霧吹きをすることは間違っていませんが、霧吹きは水やりの代わりにならないので、まったく別のお手入れだと理解しておくほうがいいでしょう
とくに夏場に霧吹きをして葉の隙間に水分が残ってしまうと、腐る原因や蒸れの原因になるので控えた方がいいです。
多肉植物に霧吹きするのは、冬場、室内に取り込んで空気が乾燥しているときのみにするのがおすすめです。
冬に多肉植物に霧吹きをすることで、乾燥を防ぐだけでなくカイガラムシやアブラムシなど病害虫の被害を防ぐことにもつながります。
多肉植物の水やりは、室内と室外では水やりの頻度などが少しずつ異なります。また、植えている鉢の素材によっても乾きやすいか乾きにくいかが異なるので、水やりサインに合わせて水やりするのが確実です。
とくに真夏の冷房、真冬の暖房がついている環境では、冷害や空気が乾燥しがちになったりするので、葉が萎れ気味ならたっぷりと水やりをして、霧吹きも併用するといいです。
多肉植物の水やりで注意したいのは、水やりの頻度が多すぎることです。
多肉植物に水やりをしすぎると、根が腐って栄養水分を吸収できずに枯れていってしまう、根腐れという生理障害を起こしてしまいます。
同じ多肉植物でも、水が好きな多肉もあれば、あまり水分を必要としない多肉もあるので、品種や株のコンディションによって水やりの頻度を調整することも大事です。
ここからは、春秋型の多肉植物を例に、季節ごとの水やり方法や置き場所などの管理方法についてご紹介します。
夏型、冬型の多肉植物でも、生育期と休眠期を適宜変えて参考にしてみてください。
春は多肉植物の生育が最も盛んになり、植物の根も活発に動きだすので、鉢の中の土も乾くのが早くなります。
1週間に1回を目安とし、土が乾いてからたっぷりと水やりをしましょう。とくに4~5月は初夏にむけて徐々に気温が高くなりますし、秋にさしかかる9月~10月はまだ残暑が少し残る時期ですから、最も気温が高くなる昼間の時間帯は避け、午前中のまだ涼しいうちに水やりを済ませるようにしましょう。
普段は日当たりのよい屋外に置き、しっかりと太陽の光をあてることで、葉色や艶がよくなり丈夫に育ちます。
また、水やりのタイミングで、2週間に1回ほど既定の倍率に薄めた液体肥料を与えましょう。
夏場は、早朝のまだ気温が低めの時間帯もしくは、夕方16時以降から夜の時間帯に水やりをするようにします。昼間は気温が上がるので、高温で株が蒸れる原因になりますので避けましょう。
冬場は、水やり自体もほとんど必要なくなりますが、もし水やりするなら気温が上がっている昼間に与えるのをおすすめします。
ただし多肉植物は気温が10℃を下回ると、生育がとまり、寒さに特に弱い種類は株自体が弱るので、水やりを完全にやめましょう。霜がついたり、冷気に当たると葉が傷み植物自体も弱ります。室内やハウスの中など、10℃以上の温度を確保できる場所に入れてあげましょう。
冬場に水やりを極力控えることで、植物内部にため込んだ水分濃度が濃くなり、結果的に寒さに強くなります。水やりはほとんど必要なくなりますが、鉢が小さいと長期間水を貯めておくことができないので、3週間ごとぐらいに鉢の中の土が湿っているかどうかを確認しながら、水やりしましょう。
冬場室内に置くことも多くなりますが室内の喚起や風通しをよくしましょう。また、暖房などの温風が直に当たらない場所に置くことも重要です。
多肉植物の水やり頻度は、季節や生育型、どんな鉢や土で育てているか、どこに置いているかの環境によっても変わります。
今回ご紹介した水やり頻度はあくまで目安なので、水やりをしてよいタイミングかどうか迷った場合は、葉っぱの状態を見て決めるのが確実です。
水やりサインを見極めて、正しい水やり頻度で多肉植物を育てましょう!
GreenSnap編集部