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大切に育てている植物の葉が、白化とともになんらかの病気になってしまう、という状況になたとき、疑うべきは害虫”コナジラミ”の発生です。
今回は迷惑な害虫であるコナジラミから、大事な植物を守るための対策・駆除方法をご紹介します。
コナジラミはアブラムシと同じカメムシ類の仲間で、体調1.0~3.0mmの小さな虫です。乳白色の体と細長い羽をもつことから、”White fly (白い蚊)”とも称されており、葉を揺らすと白い粉が宙に舞うように飛び散ります。
コナジラミの被害でもっとも深刻なのは、葉裏に寄生し吸汁することで、ウイルスやモザイク病などの伝染病を媒介することです。他にも、排泄物によるすす病などの病気を誘発するなどの二次被害ももたらします。
また、葉の脱色など生育に著しい影響を及ぼし、被害を受けた植物は最悪の場合、枯死することがあります。
コナジラミの発生原因は、高温で乾燥した環境にあります。そのためビニールハウスなどの温暖な施設栽培はもちろん、屋外でも雨風のあたらない露地栽培などにも発生する可能性があります。
代表的な植物はトマトです。コナジラミがわくとトマト黄化葉巻病を発症するので気をつけましょう。その他の野菜、ハーブ、草花などは以下の通りです。
インゲンマメ、エダマメ、スイカ、ナス、パプリカ、ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、ミツバ、アシタバ、トウガン、キュウリ、セロリ、バジル、レモングラス、アオキ、ネズミモチ、ネンテン、サザンカ、サツキ、ツツジ、ツバキ、テイカカズラ、ヤツデ等
コナジラミが発生しやすいのは、高温かつ乾燥する4月から10月です。繁殖力が高いので、平均26℃の環境下では、卵の状態から成虫に至るまでの期間はわずか20日程度です。放っておくと大量発生につながりかねないので、しっかりと予防・駆除をしておきましょう。
コナジラミの発生を予防したいときは、植物にコナジラミを近づかせないようにするということが大前提です。
仮にコナジラミが媒介したウイルスにひとたび感染してしまえば、畑や庭全体の植物まで被害が拡大する危険性があるので、徹底した予防対策をしましょう。
体長1〜3mmのコナジラミの侵入を防ぐので、予防には0.4mm以下の目の防虫ネットを用意しましょう。
施設栽培の場合は、入り口にも防虫ネットを設置すると、高い効果を得られるでしょう。
コナジラミは太陽光を嫌います。そのためシルバーマルチなど、光を反射するシートを植物の周り、もしくは施設外周に設置することで、コナジラミの発生を抑制することができます。
対策はしていても、コナジラミの発生を完全に予防するというのは難しいです。
もし発見した場合は、以下の方法をとるといいでしょう。
コナジラミは黄色のものに集まる習性があります。この習性を利用し、黄色の粘着シートを植物の成長点の位置に設置することで捕獲します。
また黄色い粘着シートはコナジラミが施設に侵入するのを防ぐ効果もあるので、あらかじめ設置しておくのもよいでしょう。
駆除剤は、コナジラミが大量に繁殖してしまった段階で使用すると効果的です。おもに殺虫剤と気門封鎖剤の2つの種類が存在しますが、両方とも高温期は約7日ごと、低温期は約10日おきに散布すると効果的です。
コナジラミの成虫に対して直接散布することで死滅させます。卵の段階では効果はあまりないので注意してください。また、薬剤を土から葉に取り込ませることで葉自体に殺虫効果をあたえる、浸透移行性の殺虫剤も有効です。
虫の呼吸器官である気門を塞ぐことにより、コナジラミを窒息死させる駆除剤です。気門封鎖剤は残効性(農薬効果の持続性)がないため、家庭菜園などでも使用できるのがメリットです。殺虫剤と同様、卵には効果がないので、定期的に散布をしましょう。
コナジラミの幼虫や成虫を餌とする生物を意図的に放ち、駆除につなげることもできます。コナジラミの天敵は、オンシツツヤコバチです。幼虫に産卵管を刺して体液摂取することにより死滅させます。また、クロヒョウタンカスミカメムシやタバコカスミカメによる捕食駆除も効果的です。
コナジラミは繁殖力が高いため、発生する前の予防や、発生した際の迅速な対処が重要です。数匹の段階でも面倒がらずに駆除することで、安全に植物を育てることができます。。
大切な植物を守るためにも、こまめな管理をしてあげてくださいね。
GreenSnap編集部