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切り戻しとは|樹木と草花の剪定方法は?失敗しないコツはなに?

植物を手頃なサイズで育て続けたり、四季咲き性の草花を長期間咲かせ続けるためには定期的に「切り戻し」剪定をすることが大切です。

今回は、剪定作業のなかでもより重要な「切り戻し」の目的や方法、時期についてご紹介します。

切り戻しとは、剪定作業のひとつ!

剪定は枝は茎を切って、大きさを整えたり、株の伸びをよくしたり、健康にするために行います。また、剪定は大きく「間引き(透かし)剪定」「株更新の剪定」「切り戻し(剪定)」の3つに分けて考えることができます。

なかでも、切り戻し剪定は、オリーブなどの庭木樹木や、開花期が長い一年草・宿根草に行います。それぞれ目的や方法が異なるので、樹木と草花に分けて詳しくご紹介します。

① 樹木の切り戻し剪定とは?

樹木類の切り戻しでは、「芽の位置をみながら枝を途中で切る」のがおもな作業です。

ウンベラータをはじめとしたゴムの木などの観葉植物や、オリーブやシマトネリコなどの庭木、キンモクセイや椿をはじめとした花木などは、以下にご紹介する方法で切り戻し剪定をしていきましょう。

樹木の切り戻し剪定の目的や効果とは?

樹木の切り戻しの目的や効果は、次の2つです。

  • 樹形を小さくし、一定の大きさを維持する
  • 新梢(新しい枝)の成長を促し、好みの樹形に仕立てる

切り戻しをすることで、手頃な大きさで育て続けることができたり、より頑丈な枝幹を伸ばすことができます。株の健康も保つことができるので、定期的に行いましょう。

樹木の切り戻し剪定をする時期はいつ?

落葉樹・常緑樹の切り戻し剪定をする時期

落葉樹と常緑樹の切り戻しは冬と真夏以外、ほとんどの時期で行えます。時期によって、切り戻し後の樹木の成長や強度が異なるので注意しましょう。

  • 春(3月下旬〜4月上旬) :新芽が早く伸びるので、切り戻し後の成長の勢いが早い
  • 初夏(5月中旬〜6月)  :新芽が充実しているので、切り戻し後、強度が揃った枝が伸びる
  • 秋(9月中旬〜10月中旬) :休眠前のため、とくに伸びすぎた枝を切り戻しする仕上げ

花木類の切り戻しをする時期

花木類は花後すぐに切り戻しするようにしてください。

花木類は花を咲かせるのに体力をつかうため、剪定次第で花がつかなくなる、デリケートな樹種です。咲き終わった状態でそのままにしていると、栄養分がとられてしまいます。そうすると新たな芽や花が出にくくなり、痩せた株姿になってしまいます。

ただし、モクセイ類、サザンカ、ツバキなどの秋〜冬に花を咲かせる花木類は、花後すぐに切り戻しをすると冬になって傷んでしまうので、暖かくなる3月中下旬まで待ちましょう。

樹木の切り戻し剪定の方法とは?

切るべき枝

切り戻し剪定をするときは、ヒョロヒョロと伸びすぎた徒長枝や、より勢いや太さを強くしたい枝を選びましょう。

切り戻し剪定には、好みの樹形に仕立てる意味合いもあるので、自分の理想の樹形をイメージして、伸ばしたいところ、伸ばしたくないところを、切り戻しによって調整します。

そのほか、株の内側に向かって伸びている枝や、下向きに生えている不要な枝は、根元から切り落としますが、これはまた切り戻しとは違った「間引き(透かし)剪定」の意味で行うので、ここでは言及しません。

枝を切る位置

樹木の切り戻し剪定をするときは、基本的に「伸ばす芽の上」です。切り戻し剪定をすると、「切り戻しをした位置の下の芽」が伸びていくので、中心の幹に対して外向きについている「外芽」を選ぶようにしましょう。

なお、切り戻しをするときは、「芽の頂点と同じ高さの位置」で、水平または斜めに切ります。

芽の頂点より下できると、その芽は育たず、その1つ下の芽が発達するので注意してください。また、切る位置が上すぎると、新しい枝は湾曲して伸びていくので、適切な位置できることが大切です。

強剪定と弱剪定


樹木の切り戻し剪定で気をつけたいのが、枝をどれくらい深く切るかです。切り戻し剪定には、枝を切る深さによって「強剪定」と「弱剪定」に分けられます。

それぞれ、下記のような特徴があるので、状況に合わせて切りもど剪定していきましょう。

  • 強剪定:枝を根元近く分岐近くで深く切ること。その後は切り落とした下の芽などから、勢いよく太めの新しい枝が伸びる。
  • 弱剪定:枝を枝先近くで浅めに切ること。その後は切り落とした下の芽などから、細めの枝がゆっくりと伸びていく。

切り戻し剪定では、この強剪定と弱剪定をうまく使い分けながら樹形の調整をしていくといいでしょう。

たとえば、細い枝は強剪定をして太い枝が早く生えるように、太い枝は弱剪定をして細い枝がゆっくり伸びるようにするといったテクニックが使えます。

樹木の切り戻し剪定後の管理方法とは?

樹木の切り戻し剪定では、剪定バサミを入れた切り口には、癒合剤を塗っておくと傷みにくくなります。また、肥料を規定より少なめに与えておくと、その後の成長も盛んになります。

樹木の切り戻し剪定で失敗しないコツ

樹木の切り戻し剪定では、とくに強剪定をすると樹木に与えるダメージも大きくなります。そのため、強剪定をするときは必ず剪定適期に行うよう、注意してください。

また、一気に樹形を調整しようとして全体的に切り戻し剪定をするのも株に大ダメージを与えてしまいます。放置して乱れた樹木は、2〜3年をかけて切り戻し剪定をして、徐々に樹形を正していく必要があります。

② 草花の切り戻しとは?

草花の切り戻しでは、「株の3分の1〜2分の1ほどコンパクトにする」のがおもな作業です。

インパチェンスやパンジーやビオラ、アリッサムなどの一年草。そして、ユリオプスデージーや宿根バーベナをはじめとした、地植えにして長く楽しめる宿根草など、四季咲き性の草花にすると効果的です。

また、草花の切り戻しの場合、「切り戻し剪定」とは言い表さず、単に「切り戻し」と表記、説明される場合が多いです。

草花の切り戻しの目的や効果とは?

草花の切り戻しの目的や効果は、次の2つです。

  • 株姿をこんもりとした形に整える
  • わき芽を増やして、次の花数を増やす
  • 風通しをよくして病害虫を予防する

四季咲き性の草花は、何度も花を咲かせる分、株姿も乱れやすく、花の勢いも落ちていきます。定期的に切り戻しをすると、回を増すごとに花数が増え、美しい株姿を楽しめますよ。

草花の切り戻しをする時期はいつ?

草花の切り戻しは、種類や状態をみながら、次の3つの時期のいずれかに行うようにしましょう。

開花時期が秋〜春の草花を切り戻しする時期

パンジーやビオラ、アリッサムなどの秋から春、初夏ごろまで花を咲かせる草花は、基本的には花が終わって樹形が乱れたら、気付いたときにすぐ切り戻しします。

開花時期が春〜秋の草花を切り戻しする時期

インパチェンスやペチュニアなど、春から秋にかけて花を咲かせる草花は、次の2回いずれかもしくは両方の時期に行いましょう。

  • 梅雨後(7月上旬):暑さが苦手な草花や、春から育てて株姿が乱れている場合
  • 晩夏(8月中下旬):暑さに強い草花や、梅雨後に切らず、株姿が乱れている場合

草花の切り戻しの方法とは?

草花の切り戻しは、基本的に「草丈3分の1〜2分の1」の位置で切り戻していきます。また、わき芽を確認して、わき芽上の節の位置で切ると、よくそろって伸びていきます。

茎が木質化した草花の切り戻し

宿根草のなかには、長く育てると株元が茶色く木質化する種類があります。このような草花の場合には、木質化していない緑色の茎部分で切り戻しするようにしましょう。

草花の切り戻し後の管理方法とは?

草花の切り戻しをした後は、切り戻す前を同じ水やりの量だと、蒸散(根から水を吸って葉から発散する)作用のバランスが崩れ、根腐れをおこしかねません。

そのため、切り戻し後は乾燥気味に育て、規定より2倍薄めた液体肥料を水やりの代わりに与えるようにしましょう。

草花の切り戻しで失敗しないコツ

切り戻しは枝茎をカットするためハサミを使います。剪定用のハサミがよく切れるので、必ず剪定用のハサミなど園芸で使うものを選んでください。切れにくくて普通のハサミを何度も枝に入れると、傷がついてしまい植物の負担になるので気をつけましょう。

また、ハサミは消毒することをおすすめします。切り口から雑菌が入ることもあるので、清潔なハサミでカットしましょう。

切り戻しをして樹木や草花を元気に育てよう

切り戻しをすれば見た目もコンパクトになり、株自体も健康に育っていきます。樹木なら美しい樹形が、草花なら花付きのよい株姿を楽しめるので、定期的に正しい切り戻しをして、元気に育てましょう。

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