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サボテンの胴切りは、根腐れしてしまったサボテンや、徒長したサボテンの仕立て直しをするときに使うお手入れ方法です。大切に育てたサボテンがトラブルにあったとき、胴切りをすることで復活もできるので、ぜひ試してみましょう。
今回はサボテンの胴切りについて、発根させるコツなどをふまえつつ、詳しくご紹介します。
サボテンは観葉植物のように定期的に剪定をする必要はないのですが、サボテンの健康が危ぶまれる状態なら剪定をする必要があります。
健康が危ぶまれる状態、というのは例えば次のようなときです。
サボテンを育てていると、このように一部分だけにょきっと伸びてしまう徒長状態になることがあります。徒長とは日光不足や水やりのしすぎで起きる症状なのですが、放っておくと栄養が行き渡らず弱ったり病気になることがあります。
そのため、徒長したサボテンは剪定によって正しい形に戻してあげるといいのです。
サボテンが黄色く変色したり、胴部分を触ってぶにぶにとした触感であれば、根腐れを起こしている可能性があります。
根腐れを起こしたサボテンは、症状が株全体に進行していなければ、ハリのある硬い胴体部分を切って剪定することで復活させることもできますよ。
徒長していなくても、サボテンが育てたいサイズより大きくなってしまった場合は、剪定をしてあげるといいです。
大型の柱サボテンなどは天井まで伸びたり、地植えにしている場合は電線にひっかかるほど伸びることもあります。
そのまま育てると思わぬ事故にもつながるので、手に負えないサイズになる前に剪定をしましょう。
サボテンの剪定は胴切りという方法で行います。
胴切りとは名前のとおり、サボテンの胴の部分をスパッと切るお手入れのことです。
サボテンを胴切りすることによって、徒長した部分や根腐れした組織を切り離したり、適度な大きさに切り戻すことで、サボテンを再び元気に生長させられます。
サボテンを切るということに不安を感じる方も多いと思いますが、正しい胴切り方法で作業すれば、むしろこれまでよりも元気に美しく育てられますよ。
ちなみにサボテンを胴切りしたら、切り離した頭部からサボテンを増やすこともできるので、合わせてご紹介していきますね。
サボテンの胴切りをする時期は、4月が一番適していますが、春か秋の生育期なら問題ないでしょう。この時期なら胴切りした元株の復活も早いですし、切り離した部分の発根も早いです。
反対に、湿度の高い時期や休眠期である真夏の酷暑の時期や冬に胴切りをするのは避けてください。
胴切りには乾燥も大切なので、できれば春や秋の晴れた午前中に作業しましょう。
サボテンを胴切りするときは、下記のものを用意しておきましょう。
※胴切りして切り離したサボテンを挿し木をしないのであれば不要です。
サボテンの胴切りは、必ず刃物の消毒をしてからおこなうことがポイントです。汚れていないように見えても刃についた目には見えない細菌が切断面から入り込みサボテンが腐ってしまうことがあるんです。
消毒はいたって簡単で、普段手指の消毒に使用しているアルコール消毒液を刃先にしっかりふきかけて新しいティッシュなどで拭き取るか、もしくはキッチン用の塩素系漂白剤を100倍に薄めて(水100ccに対し1ccほど)その中に刃先を数秒浸ければOKです。
サボテンを真横に倒してから切ると、体重が乗って一発で切れます。多少鉢から土がこぼれますが、あとで戻すか植え替えと同時に作業するようにしましょう。
なお、サボテンを胴切りする位置は状況に合わせて下記を参考にしてください。
今回は植え替えも兼ねて、鉢から取り出してサボテンを真横に倒した状態で胴切りしました。
胴切りしたサボテンは、20〜30分ほど日当たりの良い場所に置いて、切り口を乾燥させましょう。しっかり乾燥させないと、あとでカビが発生する可能性があります。
植え替えたり土を戻すときは、切り口に土がつかないように注意してください。切り口が乾燥したら、 風通しのいい明るい日陰に移して切り口が完全にふさがるまで待ちます。
胴切りでカットした側のサボテンを使って挿し木をしたい場合は、まず土に挿しやすいように断面を尖らせるように切り整えましょう。
細いサボテンでそのまま土に挿せそうならカットしなくても大丈夫です。
日当たりの良い場所で20〜30分乾燥させたら、明るい日陰に移して1週間ほどさらに乾燥させましょう。きちんと切り口の水気が飛んでいないと、腐る原因になってしまいます。
このくらいまで切り口が乾燥したら新しい鉢に植えます。
新しい鉢に、鉢底ネット、鉢底石を敷き詰めて、土を鉢の9分目まで入れましょう。次にサボテンの頭部の3分の1〜2分の1が埋まる程度の植え穴を掘り、胴切りしたサボテンの頭部を埋めます。
今回は徒長が激しいサボテンを胴切りしたため、このようなヘンテコな寄せ植えになりましたが、もともと失うのが前提だったので、ダメ元でこのまま育ててみます。。
サボテンを胴切りするときは、一発で切ることが大切です。
胴切りした切り口が荒れると、そこから病気に感染するリスクも高まるので、切り口をきれいにするためにも清潔で切れやすい刃物をつかってスパッと切ります。
小さい株なら鉢ごと横に倒して、胴体を上から切ると体重を乗せやすいの上手に切れます。
サボテンを胴切りしてから、元株の切り口が完全に塞がるまでは、約1ヶ月ほどかかります。直径10cm以上の太い胴を切り離した場合は2ヶ月かかる場合もあります。
サボテンの胴切りをしたら元株は切り口が塞がるまでは、直射日光が当たる場所や日当たりの良い場所は避けて、明るい日陰で管理するようにしましょう。切り口が塞がったら徐々に日当たりの良い場所に移動させて、元の管理方法で育てます。
胴切りして切り離したサボテンの頭部を挿し木した場合は、カビが生えないように風通しのよい半日陰で管理します。植え付けしてから4〜5日後に水やりした後は、その後しばらく水やりの必要はありません。
1〜2週間して株元を少しゆすって根付いたことを確認したら、水をたっぷりあたえましょう。そのあとは季節に合わせた水やりをしていきます。
サボテンを胴切りしたあとカビが発生した場合、それは断面が生乾きだったことに原因があります。
サボテンを胴切りするときは、風通しの良い日陰において、断面をしっかり乾燥させことが大事です。そのため、晴れた日の午前中に作業すること、暖かく乾燥した時期に作業することが大切なのです。
胴切り自体は決して複雑な作業ではありません。しかし胴切りしたあとにしっかり乾燥させられるかどうかが、サボテンの生長に大きく関わります。
うまくいけば胴切りした後は、切り口の端から新しい子株が出て伸びていきます。それもまたユニークで、この株姿をつくるためにあえて胴切りする方もいるほどなので、新たな成長を楽しんでくださいね。
三上真史
GreenSnap編集部