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彼岸花はその名の通り、お彼岸に咲き誇る花であることからその名がつきました。美しい真紅の花には不思議と引き込まれる一方、毒性があることでも知られています。土手やあぜ道でもよく見かける分、万が一のために毒性への理解を深めておくことが大切です。
今回はそんな彼岸花のもつ毒性についてご紹介します。
とくに球根には注意が必要で、1gあたり0.15mgのリコリンが含まれています。リコリンは10g摂取すると致死量になるので、少しかじったくらいでは死に至らないものの、激しい下痢や嘔吐に見舞われます。ひどい場合は、呼吸不全や中枢神経麻痺といった深刻な症状を引き起こすため、すぐに医師の診断を受けてください。
彼岸花は食べてしまうと危険ですが、手に取るのは何も問題はありません。彼岸花は絶対に触ってはいけない草花ではないのです。しかし子供にとっては別問題であり、興味本位で口にしてしまう可能性があります。
子供の遊び場に彼岸花があるようでしたら、食べてはいけないと前もって注意しておきましょう。
彼岸花のある場所を観察してみると、田んぼ沿いやお墓の周囲に植えられていることがわかります。じつは彼岸花には、その毒性からネズミや虫を追い払う効果があると信じられており、彼岸花を植えることによって食料や大切な故人を守ってきたのです。
彼岸花には毒性があるため食べてはいけません。しかし飢饉や戦時中などの緊急時には、毒抜きして食用にしていた過去があります。球根には毒とともにデンプンが豊富に含まれているため、イモ類と並ぶエネルギー源として人々を救ってきたのです。
彼岸花は、薬として重宝されてきた側面もあります。生薬では「石蒜(せきさん)」と呼ばれ、炎症を抑えたり、利尿作用があるとされました。実際に石蒜からとったエキスは現代でも鎮咳薬に用いられているのです。
しかし一般人が薬として扱うのはとても危険なので、絶対にやめましょう。
GreenSnap編集部