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樹勢が強く生育旺盛なレモンの木は、放置しているとどんどん大木へと生長してしまいます。適切な時期にきちんと剪定をして管理してやることで、毎年美味しい実をつける株へと育てていくことができますよ。
今回は、レモンの木の剪定の目的や方法について、詳しくご紹介していきます。自宅でレモンを栽培している方は、ぜひ参考にしてくださいね。
レモンの木の剪定の目的は、以下の3つです。
レモンは生育旺盛なため、放置しているとどんどん枝葉を茂らせて大きく生長します。背が高くなると手入れがしにくくなるほか、収穫が大変になったり、見栄えが悪くなってしまうので、剪定してきれいな樹形に仕立てていきます。
不要な枝葉を剪定して間引きながら育てることで、実に十分な栄養が届き、実つきがよくなり、美味しいレモンの収穫につながります。
レモンの木の枝葉が多くなりすぎると、株全体に栄養が行き届かずに株が弱ることがあります。また、葉が繁りすぎて通気性が悪くなると、病害虫の被害に遭うこともあります。
株の健康を保つという意味でも、剪定は必須の作業です。混み合う枝葉を間引いて、樹の中まで日光が届くようにしましょう。
レモンの木は、前年に実がついた枝には実がつきにくい特徴があります。間引き剪定を行い、新しい枝葉を伸ばすことで、翌年に実がつきやすくなります。
隔年結果にならないように、一年のあいだに実をたくさんつけさせないことも重要です。そのための剪定も覚えておきましょう。
レモンの木の剪定時期は、柑橘類の休眠期である2〜3月上旬頃です。新芽が動き始める前に剪定を行い、遅くとも4月下旬までに作業を終わらせておきましょう。
ただし、寒すぎる時期に行うと弱って枯れてしまうことがあるので、あくまで3月というのは目安にして、厳冬期が過ぎて少し暖かくなってきた時期に剪定をするのがコツです。
果樹は、収穫量をアップさせるために理想的な樹形が決まっています。育てているレモンの樹勢が強い場合は、「開心自然形」という主枝を2〜3本に仕立てる方法で樹形を整えましょう。
育てているレモンの樹勢が比較的弱い場合は、「半円形(双幹形)」という方法で仕立てるのがおすすめです。この方法では、主枝を2本にし、Y字に仕立てていきます。
レモンの木の剪定には、以下の道具を準備しましょう。
植えたばかりの苗木には、剪定の必要はありません。レモンの木の植え付け2年目以降から、毎年剪定するようにしましょう。
レモンの木は、11〜3月の休眠期に葉に養分をためています。枝を切りすぎると株が弱ることもあるので、不要な枝を見極めて間引くように剪定していきましょう。
レモンの木の樹勢が強い場合は、主枝を3本にする「開心自然形」で仕立てていきましょう。
レモンの木の樹勢が弱い場合は、主枝が2本になるように間引き、Yの字に展開させて、半円形に仕立てていきましょう。
レモンは四季なり性なので、春枝に秋果、夏枝に冬果、秋枝に春果をつけます。実がなり過ぎると株が弱るので、春枝についた秋果のみを残して、夏枝・秋枝は切り落としてしまいましょう。
夏枝、秋枝の見分け方は簡単です。夏枝は徒長気味で節間が広めで葉が大きく、秋枝はその夏枝から分岐したり先の方につきます。つまり徒長しているような枝葉に切り替わった部分を剪定すれば問題ありません。
レモンの性質上、前年に実をつけた枝は翌年には果実をつけません。そのため、前年に実がついた枝はカットしてください。どの枝に実がついたかわからなくなるので、実がなったら枝に紐などで目標をつけておくとよいでしょう。
2本の主枝と、主枝から生える枝(亜主枝)を残して、それ以外の枝は間引き剪定していきましょう。間引き剪定とは、不要な枝を根元から切り落とすことで株の通気性をあげたり、株の内部まで日が当たるようにして株の健康を保つ剪定方法のことです。
間引き剪定のポイントは、必ず枝を分岐の根元から切り落とすこと。中途半端な長さで剪定してしまうと分岐部まで枯れ込んだり、そこから新たな芽が生えたりして、株が余計な体力を使ってしまうので注意しましょう。
また、亜種枝でも下記のような枝は間引き剪定します。
その他、株の根元や地面から立ち上がる細い枝(ひこばえ)は根元から剪定しておきましょう。
レモンの木には品種によってはゲがあります。トゲはレモンの木の育成に関係はありませんので、剪定のときに切り落としても問題ありません。
風にあおられてレモンの木が揺れるときにトゲで果実が傷つくことがあります。果実を守る意味でもトゲは取ってしまいましょう。トゲで怪我をすることもありますので、子こどもがいる家庭ではレモンのトゲは落とすことをおすすめします。
レモンは上に向かって伸ばさず、できるだけ株が横に広がり、半円形に伸びていくように誘引していきましょう。そうすることで、樹勢が抑えられて実つきがよくなります。低く育てることで、収穫もしやすくなりますよ。
半円形(双幹形)仕立てでは、麻紐などをつかって、2本の主枝を地面に引き寄せるように誘引するのがコツです。Yの字の分岐の角度が大きく開くようなイメージで、理想の樹形をイメージしながら作業してくださいね。
レモンはその年に実をつけた枝は翌年にはつけないという特徴があります。前年に、どの枝に果実がついたか目印をつけて管理し、印のついた枝をカットすると必要な箇所に栄養が渡り、実りやすくなります。
3月から6月に伸びる春枝を翌春の剪定で残すのも重要です。切り詰めるのは夏枝と秋枝、実のついた春枝だけにして、あとは残して収穫を目指しましょう。
レモンの木は、伸び放題だと見栄えも悪く、収穫量も減るので定期的に剪定を行いましょう。剪定しすぎや葉の狩りすぎに注意して、健やかなレモンの栽培してくださいね!
一手間かけるだけで、自宅で美味しいレモンがたくさん収穫できますよ。ぜひチャレンジしてみてくださいね!
七尾びび
GreenSnap編集部