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シンビジウム(シンビジューム)は、東南アジアを中心に生息する多年草植物で、胡蝶蘭よりも落ち着いた雰囲気で耐寒性もあります。寒さに強いため、無加温でも育てることができます。また、花持ちも非常に良く、切り花にしても1ヶ月以上咲き続けるため、切り花にして部屋に飾ることで空間もより一層華やぎます。今回は、そんなシンビジウムの育て方や植え替え、株分けの方法などについて詳しくご紹介していきます。
シンビジウムを育てるときは、「肥料」と「水やり」が大切になります。
美しい花が醍醐味のシンビジウムですので、たくさん花を咲かせるためにも、肥料の量や与える時期を見極め、日々の水やりも季節によって調整してあげると良いでしょう。また、定期的に「芽かき」を行うことも大切です。
シンビジウムは日光を好みます。そのため、屋外の日当たりの良い場所で育てましょう。
ただし、長時間直射日光に当たると葉焼けを起こす原因となるため、真夏は風通しの良い場所で、適度に遮光して管理しましょう。
花が満開に咲いた状態であれば、日陰で管理しても大丈夫です。
シンビジウムを育てるのに適した用土は、ホームセンターなどで販売されているラン用の用土です。
自作する場合は「石軽8:バークチップ2」または「日向土6:パーライト4」の割合土がおすすめです。バランスの良い用土を使用することで、シンビジウムもより良く育ちます。
シンビジウムの植え付け時期は、4〜5月頃が適期です。この頃にまだ咲いている花は切り取って切り花として楽しみましょう。
植え付け方法は、以下の通りです。
なお、シンビジウムは根を縦に伸ばすため、縦長鉢を使用することをおすすめします。
基本的に水は好きなので、ほかの蘭よりも水やりの頻度は高いですが、時期によってその頻度は変わります。
上記の水やりの頻度はあくまで目安ですが、水の与えすぎは根腐れの原因にもなるので気をつけてください。
シンビジウムは比較的肥料を好む植物ですが、花が咲く冬の時期には肥料を与えずに育てることで花芽が多くつきます。
4~8月頃に有機肥料の置き肥をして、新芽が出る5月頃から1~2週間に1回を目安に液体肥料を与えましょう。
シンビジウムは2~3年に1度の頻度で、植え替えをしてあげましょう。植え替え時期は、4~5月頃が適期です。
一回り大きい鉢に、ラン用の用土を入れて植え付けます。植え替えをしてから約1週間~10日後に水やりや肥料を与えましょう。大きすぎる鉢に植え替えると花つきが悪くなるため、鉢の大きさには十分気をつけるようにしましょう。
シンビジウムは、バルブや新芽の数が増えてきた頃に「株分け」で増やします。株分けの最適な時期は植え替えと同じく4~5月頃で、バルブが3つ以上を目安に一株にしましょう。
剪定ハサミや包丁などを使用して切り分けていきますが、このときバルブを傷つけないように注意しながら作業しましょう。株分けした後は、5~8号鉢に植え付けていきます。
シンビジウムは、黒斑病というウイルス病や灰色かび病などの病気にかかりやすいです。特に、ウイルス病にかかってしまうと薬がないことから、感染が分かった時点で処分しなくてはなりません。
灰色かび病は枯れた花や葉などを放置しておくことが原因なため、日頃から花がらなどをこまめに取り除くようにしましょう。
また、シンビジウムには、アブラムシやカイガラムシ、そしてナメクジなども発生します。アブラムシはつぼみが大きくなってきた時期、カイガラムシは株が込むことでシンビジウムの葉裏に発生します。ナメクジがいることで新芽や花など柔らかい部分が食べられてしまうため、忌避剤を撒いて予防しましょう。
花数が多いシンビジウムですが、全ての花を咲かせようとすると、株が弱り花芽をつくる力も弱くなってしまいます。そのため、4~5月頃と10~11月頃に新芽を除去する、芽かきを行います。
バルブと呼ばれる葉の付け根の膨らんだ部分に、新芽が1つだけ残るようにしていきます。特に、開花前の10月~11月頃は花芽を取り除かないよう気をつけながら作業しましょう。芽かきをすることで、冬の時期にきれいな花を咲かせてくれます。
シンビジウムの開花時期は2~5月頃ですシンビジウムの花が咲き終わったら、剪定ハサミを使用して、花径を切りましょう。
花を長期間付けておくことで予想以上に負担がかかるため、開花して約1か月後には付け根から花径を切ります。
ただし、このときバルブは剪定せず、残しておくようにしてください。
なお、使用する剪定ハサミは、衛生面を考慮して加熱消毒をした清潔なものを使用しましょう。
シンビジウムの花が咲かないときは、「日光が不足している」「根詰まりしている」ほか、「芽かきが不足している」「バルブが十分に成長していない」といった原因が考えられます。
洋ランのバルブ(株元の膨らんだ茎のこと)は、水分や養分を蓄える機能を果たしています。適切な時期に、適切な量の肥料を与えることで、この株が大きく成長し、その結果花つきもよくなります。
ランの仲間であるシンビジウムは淡い花色が特徴で、胡蝶蘭などとは雰囲気も変わります。胡蝶蘭よりは控えめな印象ですが、数多くの花が咲くので豪華な印象があります。
日当たりや風通しが良い場所で育てるなどすれば、耐寒性に優れているため、気温が約2~3度でも枯れることはなく、園芸初心者の方でも育てることができる花です。
室内にシンビジウムの花を飾れば、寒い冬の時期でも一気に華やかな雰囲気になります。花の咲き方などもさまざまなので、ぜひともご自身が好きなシンビジウムを見つけて、ご自宅で育ててみてはいかがでしょうか。
河村賢治
GreenSnap編集部